ものづくり補助金平成29年度製造業岡山県

大型の不定形耐火物『プレキャスト製品』への取り組み強化による当社競争力強化事業

株式会社三石ハイセラム

成果プレキャスト工場からトンネルキルンまでの移動距離がなくなり、リードタイムは30%の大幅な短縮につながった。

この事例のポイント

  • プレキャスト製品はトンネルキルンで焼成しており、工場から約500メートル離れていたため移動中に破損することがあった。
  • 不定形耐火物を工場で成形し製品化するプレキャスト製品専用のシャトルキルンを、備前市の三石工場にあるプレキャスト工場に導入した。
  • プレキャスト工場からトンネルキルンまでの移動距離がなくなり、リードタイムは30%の大幅な短縮につながった。専用のシャトルキルン導入により、プレキャスト製品の焼成が最適な温度で行えるようになり、製品の品質が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社三石ハイセラム
所在地岡山県 備前市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野製造環境,立体造形
従業員数160人
資本金1,440万円
設立1928年

事業の背景

三石ハイセラムは耐火物産業の集積地である岡山県備前市で1928年に創業し、定形耐火物と不定形耐火物を生産して鉄鋼や鋳物の顧客に供給してきた。国内の耐火物生産量は1970年の353万トンをピークに減少し、2018年には104万トンまで減った。一方、岡山県の生産比率は33%から40%へ上昇した。2016年には5カ年計画を策定し、売上高30億円程度の規模を5年後に拡大する目標を掲げた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力プレキャスト製品はトンネルキルンで焼成しており、工場から約500メートル離れていたため移動中に破損することがあった。
  • 品質・精度トンネルキルンの焼成は定形耐火物が主体のため、プレキャスト製品は定形耐火物の工程に影響を受けることが多かった。
  • 納期・工程プレキャスト製品の焼成工程が長く、リードタイムの短縮が課題だった。

やったこと

不定形耐火物を工場で成形し製品化するプレキャスト製品専用のシャトルキルンを、備前市の三石工場にあるプレキャスト工場に導入した。シャトルキルンはLPGを燃料とする最新式で、600度Cから800度Cというプレキャスト製品の焼成に最適な温度で焼成できる。最大3メートルの大型製品が焼成でき、国内でこれに対応できるメーカーは数少ない。

加工機シャトルキルン(LPG燃料、プレキャスト製品専用)

事業の効果

  • プレキャスト工場からトンネルキルンまでの移動距離がなくなり、リードタイムは30%の大幅な短縮につながった。
  • 600度Cから800度Cという最適な温度で焼成可能になった。

専用のシャトルキルン導入により、プレキャスト製品の焼成が最適な温度で行えるようになり、製品の品質が向上した。プレキャスト工場から焼成炉までの移動距離がなくなり、リードタイムが大幅に短縮した。大型の不定形耐火物製品を幅広く生産できる強みを活かし、事業拡大を図っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2016年に5カ年計画を策定し売上高30億円規模を拡大する目標を掲げ、プレキャスト製品強化を柱とした点が事例に具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    岡山県の耐火物生産比率が33%から40%へ上昇し、幅広い製品を生産できる地場の強みに言及しており、外部環境と強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    従来のトンネルキルンで約500メートル移動中に破損があった課題を示し、リードタイム30%短縮という成果につなげた点が具体的。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    5カ年で売上規模を拡大する目標は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず具体性が薄い。

  • 事業を進める体制2

    工場規模や設備台数は書かれているが、事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    最大3メートルの大型製品が焼成できる国内でも数少ないメーカーという、選ばれる理由と製品価値が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    シャトルキルン導入と共同研究の取組は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    不定形耐火物のプレキャスト製品について、3メートル大型品を焼成できる国内数少ないメーカーと高水準の位置付けが示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    岡山県の産業集積や地場企業の強み、製鉄所への供給などに触れるが、雇用創出や波及効果の定量的な記述は薄い。

  • 費用対効果2

    投資額や費用対効果の数字は書かれておらず、リードタイム短縮の成果がわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    耐火物メーカーとの共同研究や高機能・環境対応製品の開発支援に触れているが、デジタル技術の活用は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    耐火物の国内生産量が減少している中で大型プレキャスト製品に注力する方向性がうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    岡山県の地域特性を活かした耐火物産業の集積と地場企業の強みに触れ、地域経済への貢献が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は幅広い耐火物製品を生産できる強みを活かし、事業展開していく方針である。

事業者の声

日本のモノづくりの発展に貢献していく

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。