ものづくり補助金平成29年度製造業宮城県

高通気性焼成セッターの多量生産と高品質を目的とした生産設備の開発

東北セラミック株式会社

成果不良率 20%→4%

この事例のポイント

  • 需要の拡大に伴い多量生産時の品質バラツキや作業者の負担が課題になった。
  • 長尺乾燥機とエアブロー装置を導入した。
  • 不良率 20%→4%。長尺乾燥機とエアブロー装置の導入により、乾燥が部屋の湿度に関係なく可能になり、品質バラツキが改善した。

事業者のプロフィール

事業者名東北セラミック株式会社
所在地宮城県 亘理町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野材料製造プロセス,材料製造プロセス,製造環境,製造環境

事業の背景

東北セラミック株式会社は、半導体や電子部品などの製造設備に使うセラミックを製造・販売している。液晶や有機EL、電子部品などの需要拡大に伴い、それらを焼結するセッターの需要も増えている。主力の高通気性焼成セッター「サンセラ」は主に液晶の透明導電膜を作る電極を焼き固めるための板として使われ、イタリアのブランドのノベルティも製作してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力需要の拡大に伴い多量生産時の品質バラツキや作業者の負担が課題になった。
  • 品質・精度部屋の湿度が高まると乾燥の品質に問題が出ていた。
  • 人手・技能製品は主に女性社員が手作業で製造しており、作業者の負担が大きかった。

やったこと

長尺乾燥機とエアブロー装置を導入した。長尺乾燥機では機械内で自動的に均一にエアブローして乾燥させることで、約20%だった不良率を4%に軽減した。またメーカーと開発を重ね、余分なスリップをエアーで吹き落とす作業を人の手作業の動きに近い機械の操作で再現した。乾燥は従来の室内での風乾から機械乾燥に変わり、部屋の湿度に左右されなくなった。

加工機長尺乾燥機
加工機エアブロー装置

事業の効果

  • 不良率 20%→4%
  • 生産能力 960枚/月→1,350枚/月
  • 生産効率は140%増加

長尺乾燥機とエアブロー装置の導入により、乾燥が部屋の湿度に関係なく可能になり、品質バラツキが改善した。不良率は約20%から4%に大幅に下がった。生産能力は月960枚前後から1350枚となり、生産効率は140%増加した。今後は主力製品サンセラの生産を現在の2倍に増やすため工場を増設する予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去からの製造実績や「お客様の要求に応じたオーダーメイド」が書かれ、事業の一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    液晶や有機EL、電子部品の需要拡大と、韓国・台湾への供給実績が書かれており、外部環境と強みの関係は読み取れるが、経営資源の分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    不良率20%を4%に軽減、生産能力960枚から1350枚/月へ増加と、課題と数値目標が具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産効率140%増、工場増設で生産を現在の2倍に増産する目標が数字で示されており、実現性の根拠は一部読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    主に女性社員が手作業で製造していたことはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    サンセラは宙に浮かせた形で焼成でき優れた脱脂性が特徴と、製品の価値とターゲット(液晶透明導電膜の電極焼成)が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    2020年秋稼働予定や展示会での顧客開拓など方針は書かれるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    オーダーメイドで同じ製品は世の中にないとあり、高付加価値の独自性はうかがえるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    半導体や液晶、有機ELの需要拡大に触れるにとどまり、国が補助する波及効果や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    不良率の大幅減や生産能力の140%増加など、導入設備による効果が数字で示されており費用対効果を読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    エアブローや乾燥の自動化は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用、サプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    液晶や有機ELなど成長分野への需要拡大に触れており、成長分野への進出の方向性はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    宮城県亘理郡亘理町の企業であることは書かれるが、地域特性を活かした雇用や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産の主力製品であるサンセラの生産を現在の2倍に増産するため工場を増設し、展示会などを活用してビジネスチャンスを広げ、韓国や台湾の市場に加え海外へさらに目を向けていく。

事業者の声

「私たちの作るものはお客様の要求に応じたオーダーメイドがほとんどです。サンセラと同じ製品は世の中にはないので、今後は展示会などでお客様に知ってもらい、一緒にその使い方を模索してビジネスチャンスを広げていきたいですね」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。