ものづくり補助金平成25年度製造業長崎県

移動式冷暖房装置の振動解析技術の構築による強化と軽量化

株式会社大東エンジニアリング

この事例のポイント

  • 2次元CADでは試作機を作って検証するまで不具合が分からず、設計と試作機製作のやり直しに時間がかかっていた。
  • 動的解析が可能な3次元CADを導入した。
  • 3次元CADの導入と解析技術の向上により、実測結果との誤差を±10%以内に収めることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大東エンジニアリング
所在地長崎県 時津町
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理
従業員数21人
資本金3,000万円
設立1981年

事業の背景

冷凍機器製品の設計製作を行うほか、三菱電機冷熱プラント株式会社から依頼を受けて国内航空機向けの移動式冷暖房装置の設計製造も行っている。従来は2次元CADで設計し試作機を作り、高速道路や一般道で意図的に振動を与えて安全性を検証していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程2次元CADでは試作機を作って検証するまで不具合が分からず、設計と試作機製作のやり直しに時間がかかっていた。
  • コスト・採算振動対策のため設計段階で強度を必要以上に強くする場合が多く、コストがかさんで収益面の低下を招いていた。
  • 品質・精度輸送時の振動で配管が破損するケースがあった。

やったこと

動的解析が可能な3次元CADを導入した。データの互換性を考えて、主力受注先の三菱電機グループが使用している同機種を選んだ。社員4名をオペレーターに選び、最初の1週間は図面作成、次の1週間は3次元CADに付属する解析ソフトの研修を行った。長崎県工業技術センターの協力を得て、試作機の実測結果と解析ソフトに数値を入れた結果を比較したところ誤差があることが分かり、解析精度を高める必要があった。配管部のモデリング、振動解析、作図、試作機製作、計測・評価の順で検証し、実測結果に対する計算結果の誤差を10%以内とする目標を立てた。誤差が大きい場合は配管部のモデリングから見直しを繰り返し、解析技術を向上させた。

事業の効果

3次元CADの導入と解析技術の向上により、実測結果との誤差を±10%以内に収めることができた。試作機製作後に検証を繰り返す必要がなくなったため試作費用を削減でき、設計時間は2次元CAD使用時に比べて数倍かかるものの、全体の設計期間は短縮された。品質が安定して受注先からの信頼が高まり、試作機の経費削減で収益力も向上した。同業大手との競争力が強まり、移動式冷暖房装置の受注が活発になったほか、成田・羽田・関西の各空港の固定式冷暖房装置の更新案件でも受注につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    冷凍機器の設計製作を主力とし、三菱電機系の移動式冷暖房装置を継続受注している点から事業の一貫性はうかがえるが、経営戦略の明示はない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主力受注先である三菱電機グループと同機種の3次元CADを使う点は示されるが、市場動向と自社の強みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    従来の2次元CADでは不具合判明が試作後になり、設計やり直しとコスト増が課題だと具体的に認識し、3次元CADで解決を図っている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    誤差10%以内という技術目標はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、収益力向上も定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制4

    社員4名をオペレーターに選出し、1週間ずつ図面作成と解析ソフトの研修を行うなど、遂行体制と人材育成が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    航空機の駐機中に短時間で冷暖風を供給する製品価値や、受注先からの信頼は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    配管部モデリング、振動解析、作図、試作機製作、計測・評価の順序と、誤差10%以内の目標を示し、見直しの方法も明記している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    同業大手との競争力強化は書かれるが、製品ジャンルの普及度や高価格化の具体的な根拠は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    災害時の復旧支援に活躍したとの記述はあるが、国が補助する波及効果や雇用創出などの積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    試作費用の削減や設計時間の短縮、収益力の向上は述べられるが、補助金投入額に対する効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CADによる動的解析を試作前検証に使う点は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    航空機向け製品の受注拡大は示されるが、成長分野への進出や日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及1

    地域の特性を活かした付加価値創出や雇用・地域経済への波及は、事例の文章からは読み取れません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。