ものづくり補助金平成25年度製造業長崎県

「究極の白磁」と「透光性」を兼ね備えた陶器の開発と設備投資による量産体制の確立

有限会社菊祥陶器

この事例のポイント

  • 陶磁器は昔の必需品から現在は嗜好品となり、需要が減少している。
  • 長崎陶料株式会社とともに、市場に流通している陶磁器の原料をリストアップして分析し、長崎県窯業技術センターも交えて検討を行った。
  • 「究極の白」と「透光性」を兼ね備えた陶磁器の開発に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社菊祥陶器
所在地長崎県 東彼杵郡川棚町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野材料製造プロセス

事業の背景

陶磁器は昔は必需品だったが、現在は嗜好品として位置付けられ、需要は減少している。従来製品のデザインや形状を変えるだけでは、この減少に歯止めをかけることは難しい。そこで原料の見直しから始め、膨大な配合パターンの中から「究極の白」と「透光性」を実現する試作に着手した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑陶磁器は昔の必需品から現在は嗜好品となり、需要が減少している。
  • 新製品・新技術従来製品のデザインや形状を変更するだけでは、需要減少に歯止めをかけることが難しい。
  • 生産能力量産化体制を確立するための機械設備が不足している。
  • 品質・精度「究極の白」の実現にはリスクのある鉄製の機械を、ステンレス製に変更する必要がある。

やったこと

長崎陶料株式会社とともに、市場に流通している陶磁器の原料をリストアップして分析し、長崎県窯業技術センターも交えて検討を行った。陶磁器に使われる多数の原料をすべて焼成して最適素材を選定し、原料の組成を分析して多くの組み合わせを検討した。当社で行っている鋳込み成形に適合するよう解硬剤を入れて調合し、泥しょうを作製した。白さを強調するため、粘りの素となる鉄分を含む蛙目という原料は全く使わず、脱型具合や乾燥収縮も確認しながら試作と焼成テストを繰り返し、白色度と透光性の極点を見出した。その透光性を備えた白磁にサンドブラストで切削加工を施し、立体的な模様を付けた。

その他オールステンレス素材の真空脱泡機

新しい製品・サービス:透光性を備えた「究極の白磁」の陶器と、サンドブラストによる切削加工で明暗のニュアンスを出した透光性の美しい製品

事業の効果

「究極の白」と「透光性」を兼ね備えた陶磁器の開発に成功した。蛙目を含有量ゼロにしたことで白さを強調でき、焼成テストの繰り返しによって理想の陶磁器を実現した。オールステンレス素材の真空脱泡機の導入により、鉄粉などの異物混入も防止できた。さらに、この陶磁器にサンドブラストで立体模様を施し、明暗のニュアンスがある透光性の美しい製品を開発した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    鋳込み成形の陶磁器製造を続けてきた事業の延長にあるが、経営戦略上の位置付けは事例からは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    陶磁器需要が減少傾向にあり嗜好品化したと書かれ、白さと透光性で差別化する意図は読み取れるが、競争優位の根拠となる具体的な数字は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    需要減少という課題に対し、従来のデザイン変更では不十分として原料から見直すと具体的に記載され、高付加価値化の方向は読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    長崎陶料や長崎県窯業技術センターと連携したことはうかがえるが、人材や事務処理体制についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    透光性と究極の白という製品特性は示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは書かれておらず、選ばれる理由は一部のみ。

  • 事業化までの道筋4

    原料の選定、成形試作、焼成テストを繰り返す工程が具体的に示され、課題解決の方法と流れは読み取れる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    蛙目を全く使わず白さの極点を見出したと記され、市場にほとんど出回らない究極の白を追求する高付加価値性が明確。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    陶磁器の需要減少に歯止めをかける狙いは書かれるが、地域経済波及や雇用創出への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ステンレス製真空脱泡機で鉄粉混入を防ぐ点は示されるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長崎県東彼杵郡川棚町の窯業という地域性はうかがえるが、地域の経済成長や雇用への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

透光性を備えた「究極の白磁」を食器として活用するほか、ランプシェードなど空間演出に使える製品として開発を進める。従来の白磁を上回る白さで高級感を打ち出し、高付加価値の贈答品として展開する。国内販売で得た経験をもとに、数年内に海外市場への進出も検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。