ものづくり補助金平成25年度製造業熊本県

ナノシルバー塗装による車載用プラスチック部品の感性特性の向上

ネクサス株式会社

この事例のポイント

  • 塗装時にブツ(異物の付着)やゴミが入りやすく、クリーンな塗装環境を整える必要があった。
  • 試験を行う環境を整えるため局所給排気装置を導入し、クリーン度の高い塗装環境を整えた。
  • ナノメタリック塗装により、めっき品の外観に近い金属光沢の表面処理が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名ネクサス株式会社
所在地熊本県 熊本県玉名郡南関町
業種プラスチック製品製造業
技術分野表面処理
従業員数220人
資本金9,170万円
設立1964年

事業の背景

自動車などの輸送機器分野では、国内外の競合と差別化するためプラスチック部品の内外装デザイン(高意匠性)が重要な課題となっている。表面処理にはめっきや蒸着が主に用いられているが、次世代技術としてナノメタリック塗装が注目を集めている。当社は数年前からナノメタリック塗装の実用化に向けてラボレベルで試験を行ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度塗装時にブツ(異物の付着)やゴミが入りやすく、クリーンな塗装環境を整える必要があった。
  • 新製品・新技術ナノメタリック塗料を安定して塗布するための塗装条件が定まっておらず、最適化が必要だった。
  • 品質・精度塗装後の乾燥条件が確立しておらず、乾燥技術を最適化する必要があった。

やったこと

試験を行う環境を整えるため局所給排気装置を導入し、クリーン度の高い塗装環境を整えた。特殊ガンによる塗装と塗料の乾燥過程を追跡し、ナノメタリック塗料が良好に塗布できる塗装条件を最適化した。これにより、スプレー噴霧によるナノメタリック塗装という技術を確立した。ポリプロピレンやポリフェニレンサルファイドなどの樹脂材から、マグネシウム合金、ガラスまで幅広い材質への対応を確認した。ゴムへの塗布も可能で、曲げても膜が割れないことを確認した。素材との組み合わせと膜形成条件を変更することで、ハーフミラー調の塗布も可能になった。

新しい製品・サービス:ナノメタリック塗装による車載用プラスチック部品

事業の効果

ナノメタリック塗装により、めっき品の外観に近い金属光沢の表面処理が可能になった。めっき液を使わないため環境負荷が少なく、めっきに比べて塗装がはがれにくく、材質の制約も少ない。電波透過性や柔軟性を持つ材料にも適用でき、ハーフミラー調や多様なカラーにも対応できる。すでに自動車メーカーから複数の引き合いを受けている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ナノメタリック塗装の実用化に向け数年前からラボで実験を続けてきたとあり、継続的な取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    めっき品と同等の金属光沢や反射率90%以上の高光沢など、他社にない競争力を実現したと具体的に述べ、自動車メーカーからの引き合いも複数あるとしている。

  • 課題の認識と解決3

    ブツ・ゴミ対策、塗装最適化、乾燥最適化の3課題を挙げ解決に取り組んだと書かれているが、高付加価値化の数値目標や成長への道筋の記述は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実用化の近さや引き合いがあることのみが書かれている。

  • 事業を進める体制2

    従業員220人の企業であることは書かれているが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    めっき代替として環境負荷が少なく、材質の制約が少ないこと、車載用途の引き合いがあることが具体的に述べられ、選ばれる理由は読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    今後は自動化・機械化を進め、要求スペックに合わせた仕組みづくりや外装部品・情報家電への展開を図るという方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    めっき品と同等の金属光沢を塗装で実現し、反射率90%以上の高光沢は従来不可能だったと明記され、高水準の高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    めっき液を使わず環境負荷が少ないとの記述はあるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    プラスチック用レーザーによるマーキングへの対応は触れられているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    車載用途から情報家電分野へ範囲を広げる方針はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

今後の展望

今後は自動車メーカーごとの要求スペックに合わせた塗装を実現する仕組みを作ることが課題である。量産に向けて自動化・機械化を進めるとともに、難易度の高い外装用部品の試作開発を進める。さらに情報家電製品分野などにも範囲を広げ、事業化を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。