ものづくり補助金平成25年度製造業熊本県

プレス機等自動化設備の導入による「高級極薄置き畳」の試作開発事業

株式会社倉崎

成果新規取扱店は10件増加した。

この事例のポイント

  • フローリングに敷ける厚さ10~15ミリメートルの高級極薄置き畳を試作・開発する必要があった。
  • プレス機等自動化設備として、畳製造の熱圧着機、畳表の染土クリーナー、コンピューター式畳裁断機を導入し、厚さ10~15ミリメートルの極薄畳の試作と開発に取り組んだ。
  • 新規取扱店は10件増加した。導入した設備により高級極薄畳の製品化が実現しただけでなく、通常の畳も含めて生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社倉崎
所在地熊本県 熊本市
業種その他の製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1887年

事業の背景

住環境の変化で畳需要は以前に比べて減少していたが、古民家ブームや日本家屋のリノベーションなどから和の空間が見直され、フローリングに畳を敷きたいという需要が増えてきた。通常の畳は50~60ミリメートルの厚みがあり、床に置くと違和感があってつまずく危険さえあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術フローリングに敷ける厚さ10~15ミリメートルの高級極薄置き畳を試作・開発する必要があった。
  • 生産能力極薄畳は畳本体の重量が足りず表側を引っ張ると曲がるため、通常の縫い付け工程では製造できなかった。

やったこと

プレス機等自動化設備として、畳製造の熱圧着機、畳表の染土クリーナー、コンピューター式畳裁断機を導入し、厚さ10~15ミリメートルの極薄畳の試作と開発に取り組んだ。極薄畳は木製ボードに貼り付けてたるみを防ぎ、柔道用青畳のクッション材と木製ボードを活用して、適度な柔らかさと弾力を持たせて製造する方法を採用した。コンピューター式裁断機による裁断で畳寸法のくるいがなくなり、畳全体の加工精度が向上した。

加工機熱圧着機(プレス機)
その他畳表の染土クリーナー
加工機コンピューター式畳裁断機

新しい製品・サービス:厚さ10~15ミリメートルの高級極薄置き畳、および介護用畳「超衝撃緩和畳」。

事業の効果

  • 新規取扱店は10件増加した。

導入した設備により高級極薄畳の製品化が実現しただけでなく、通常の畳も含めて生産性が向上した。コンピューター式裁断機により畳寸法のくるいがなくなり、加工精度が向上した。高級極薄畳はネットや展示会で反響が大きく、新しい取引先が見つかり、県外にも取引先が広がって新規取扱店は10件増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業1887年の畳製造業で、熊本城や仮設住宅向けの畳供給実績はあるが、経営戦略上の位置付けは記載がなく、過去の取組との一貫性は読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    フローリングの増加による畳需要の減少と、古民家ブームによる和の見直しという外部環境は書かれているが、自社の強み・弱みの具体的な記述は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    極薄畳の反りを防ぐ課題と熱圧着機の導入による解決は読み取れるが、高付加価値化の数値目標や事業計画の詳細は記載されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    新規取扱店10件増加や極薄畳の製品化など成果はあるが、高付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数3人、資本金1000万円と記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての説明はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    厚さ10~15ミリの極薄畳、柔道用青畳のクッション材活用、熊本県産い草を用いた本物志向のニーズなど、製品の特徴と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    木製ボードによる反り防止など課題解決方法は示されているが、中長期のスケジュールや検証過程は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    海外展開に向けて自治体や金融機関に資金面のバックアップを願うとあるが、財務状況や調達見込みの具体的な記載はない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    畳の中でも厚さ10~15ミリの高級極薄置き畳という新分野で、フローリング向け置き畳として従来の畳より高付加価値の製品を開発している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    熊本地震での仮設住宅向け畳約2000枚の提供や伝統産業の継承はうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的な説明は少ない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加率は示されていないが、通常の畳を含め生産性が向上したと記載されている。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピューター式裁断機や熱圧着機などの自動化設備導入は読み取れるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外富裕層の和室ブームや訪日文化の展開に触れているが、日本経済の構造転換に資する旨の記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    熊本県産い草を使った地域素材の活用や地元の建具業者・茶道関連との協業が書かれ、地域資源の活用はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

極薄畳は新しい通販業者の通販サイトなどを通じて海外も含めた取引を検討している。海外の富裕層の間では和室ブームがあり、フィリピンのインテリアコーディネーターがモデルルーム用に極薄畳12枚を購入した。地元の建具業者や茶道関連の仲間と協業し、海外に日本文化を紹介する販売事業を検討している。海外での展示会が実現した際には、自治体や金融機関に資金面のバックアップを求めたいと考えている。

  • 目標:畳の厚み 50ミリメートル→10ミリメートル

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。