ものづくり補助金平成24年度徳島県

プラスチック連続積層形成プレス装置における加圧ボックスのオイルシール構造開発

森田技研工業株式会社

成果オイル密閉性の到達圧力 10MPa→20MPa

この事例のポイント

  • 高温・高圧下で使うプラスチック連続積層プレス装置は、10MPa付近でオイルの密閉性に課題があった。
  • 加圧ボックスとそれに適した誘導加熱装置を製作し試作開発を行った。
  • オイル密閉性の到達圧力 10MPa→20MPa。加圧ボックスの構造を見直したことで、最低限の加圧可能な密閉性と適度な潤滑性を両立でき、安定した連続運転が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名森田技研工業株式会社
所在地徳島県 阿南市
業種化学工業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数15人
設立2003年

事業の背景

同社は、プラスチック製造プラント用の機械(ローラ、液圧ダブルベルトプレスなど)を製造している。超耐熱エンプラや炭素繊維強化熱可塑性樹脂の製造装置へのニーズが高まっており、同社は従来の300℃・4MPaに対し、400℃・10MPaで加工できる連続プレス装置を開発済みだった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度高温・高圧下で使うプラスチック連続積層プレス装置は、10MPa付近でオイルの密閉性に課題があった。
  • 人手・技能オイルシールが装置受注のキーポイントとなっており、試作依頼先の要望に応えるためにはこの課題を解決する必要があった。

やったこと

加圧ボックスとそれに適した誘導加熱装置を製作し試作開発を行った。シール材料には真ちゅう以外の軽金属、炭素含浸の硬質樹脂、各種合金を候補とした。シール断面構造はI型、Z型を基本に付加構造を設計・試作し、比較実験でオイルの漏れ状況を確認して積層条件に合う最適構造を探した。構造は応募者の申請特許技術(特開2007-105783、特願2012-266746)を基に開発した。試作後は本体プレス装置に組み込み、4MPa・10MPa・12MPaの3段階で耐圧試験を行い、300℃〜400℃の高温時の耐圧・耐久試験も実施した。

加工機加圧ボックス
加工機誘導加熱装置

新しい製品・サービス:プラスチック連続積層成形プレス装置の加圧ボックス用オイルシール構造

事業の効果

  • オイル密閉性の到達圧力 10MPa→20MPa

加圧ボックスの構造を見直したことで、最低限の加圧可能な密閉性と適度な潤滑性を両立でき、安定した連続運転が可能になった。試作依頼先の要望をほぼ満たすサンプルを加工できた。シール性能は20MPaまで達成され、製造可能な材料の範囲が大きく広がった。本技術の応用で新規提携を希望する企業も現れ、新分野への展開準備も進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成17年頃からダブルベルトプレス装置の開発に取り組んできたと書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    超耐熱エンプラ製造装置へのニーズや受注キーポイントは書かれるが、競合や市場動向、自社の強み・弱みの比較は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    10MPa付近でのオイル密閉性が受注の課題と明示され、シール改良による20MPa達成など課題解決の方向は読み取れるが、事業計画の具体的な高付加価値化効果は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造可能な材料範囲が広がったと書かれ、10MPaから20MPaへの昇圧が可能になったという数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    国立阿南工業高等専門学校と徳島県立工業技術センターとの協力体制が書かれるが、社内の人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超耐熱プラスチックを薄板に加工・積層する用途と、400℃・10MPaで加工できる点、試作依頼先の要望を満たした点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    シール断面のI型・Z型を比較実験し最適構造を探る方法、3段階の耐圧試験、高温耐久試験など遂行方法が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    超耐熱エンプラ製造装置は高温高圧での連続積層が難しく、400℃・10MPaの連続プレスに対応している点で高水準の技術と読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    PPSやPEEKなど炭素繊維強化熱可塑性樹脂の製造装置が待望されていると書かれ、波及効果は示されるが、雇用や地域への効果は書かれていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用や新しいビジネスモデルは書かれず、サプライチェーンへの貢献は間接的にしかうかがえない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    炭素繊維強化熱可塑性樹脂など高機能素材分野への対応が書かれ、成長分野への進出はうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    徳島県阿南市の企業であることは書かれるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本技術の応用で新規に提携を希望する企業も現れており、今までと違った分野への事業展開の準備も進めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。