ものづくり補助金平成25年度製造業熊本県

琴線に触れる、また、快適な建築空間を構築する水硬体の製造技術

合同会社イワ建開発

この事例のポイント

  • 実験室レベルの小さなパネルでは問題がなかったが、実用を想定した大寸法パネルでは塗布によって寸法の狂いや反りが生じた。
  • マグエンの製品化と品質確保のための技術確立、特許申請を目標に、ものづくり補助金を活用してマグエンと自然素材を攪拌・混合する装置を特注で導入した。
  • 補助事業で開発したマグエンは今年4月に発売され、大都市圏の建材展などに積極的に出展している。

事業者のプロフィール

事業者名合同会社イワ建開発
所在地熊本県 熊本市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数1人
資本金460万円
設立2012年

事業の背景

建築物の構造を専門とする元大学教授が代表を務める当社は、マグネシウム無機塩(マグエン)を熊本産の自然素材と混合して水硬化させ、意匠性の高い砂壁材を製品化することを目的に設立された。マグエンは主に海水由来のマグネシウム無機塩で、工業用では実用化例がなかった。水硬化すると超軽量で吸着性が強く、白色系であることから、既存の壁の塗装材に替わるデザイン性の高い結合材として研究が進められてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度実験室レベルの小さなパネルでは問題がなかったが、実用を想定した大寸法パネルでは塗布によって寸法の狂いや反りが生じた。
  • 生産能力実験室レベルで成功した技術を実際の製造設備で再現することの難しさがあった。

やったこと

マグエンの製品化と品質確保のための技術確立、特許申請を目標に、ものづくり補助金を活用してマグエンと自然素材を攪拌・混合する装置を特注で導入した。パネル材に実際にマグエンを塗布して結果を検証し、配合を変更して試験を繰り返す実証実験を行った。大寸法パネルで生じた寸法の狂いや反りに対しては、自然のりや分散性に優れた自然の無機物質を添加して配合を変え、試験を重ねた。最終的に製品レベルに達した新配合のマグエンを「マグエンら号」と命名した。

  • 加工機マグエンと自然素材を攪拌・混合する装置特注

新しい製品・サービス:マグエンら号を用いた、日本の伝統色を持つ意匠性の高い砂壁材

事業の効果

補助事業で開発したマグエンは今年4月に発売され、大都市圏の建材展などに積極的に出展している。従来の既製品とは異なる高品質製品として期待され、県外の建材メーカーから複数の引き合いがあり、共同開発や代理店契約の話も出ている。難燃性・耐火性能は基準を満たす見込みで、認定のための評価を近々受ける予定である。価格は市販のエコ系壁建材より高価だが、日本の伝統色という差別化と高品質の位置付けで性能面や意匠性を強みとして勝負できると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    マグエンの研究を続けてきたことや特許申請の目標が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。ただし経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    既存壁材との差別化として日本の伝統色や高品質の位置付けが書かれ、強みは読み取れる。市場規模や競合との比較データは乏しい。

  • 課題の認識と解決2

    大寸法パネルで反りが生じた課題を認識し、配合変更で解決した経緯がうかがえる。高付加価値化の計画としての具体性は薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    代表者は元大学教授で従業員は1人と書かれ、体制の一端はうかがえるが、事務処理能力や人材配置の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超軽量・吸着性・吸水断熱性・白色系という特性と、建材展での反応や県外メーカーからの引き合いが書かれ、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    難燃・耐火性能の評価を近々受ける予定や外壁用の接水剤製品の開発予定が書かれ、今後の課題と進め方がある程度示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    工業用では実用化例がなかった海水由来マグネシウム無機塩を製品化し、価格は高価だが高品質品として位置付けている点が書かれている。

公的補助の必要性27%
  • 波及効果・雇用2

    熊本産の自然素材を用いる点は地域性として読めるが、波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    熊本産の砂や砂利、製材所の残材を使う地域資源の活用が書かれ、地域特性を活かした製品であることは読み取れる。

今後の展望

難燃・耐火の認定評価を近々受ける予定であり、外壁にも使用できるよう耐水性を高めた製品も開発する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。