ものづくり補助金平成27年度製造業佐賀県

水周りや屋内外で使用できるデザイン意匠性の高いセラミック印刷強化安全硝子

浜新硝子 株式会社

この事例のポイント

  • スクリーン印刷では品質的に2色が限界で、多色のデザイン意匠性の高い製品を作れなかった。
  • 平成28年6月から7月にかけて機種設置のシミュレーションを行い、従来2色までしかできなかったガラス加工を同時多色印刷で行える機種として、スペインテックグラス社製デジタルセラミック…
  • デジタルセラミック印刷の導入により、従来2色までだった加工を同時多色印刷で行えるようになり、色彩鮮やかで付加価値と利益率の高いガラスを製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名浜新硝子 株式会社
所在地佐賀県 神埼市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン,製造環境
従業員数80人
資本金5,000万円
設立1972年

事業の背景

従来は安全性・意匠性・機能性を兼ね備えた商品の提案が業界から求められており、その対応としてデザインフィルムを使っていたが、劣化による見栄えの低下が課題になっていた。平成24年頃からデジタルセラミックプリンターの導入を計画していたが、当時の機種はグレードが十分でなく見送っていた。平成27年に解像度の向上した新しい機種が発売されたため導入を再検討し、当初は金融機関からの借入を予定していたが、本事業の概要を知って申請した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度スクリーン印刷では品質的に2色が限界で、多色のデザイン意匠性の高い製品を作れなかった。
  • 納期・工程製版作成に1週間以上かかり、受注から納品まで実働2週間以上を要するため、納期対応と適正価格での販売ができなかった。
  • 品質・精度従来のデザインフィルムは年数とともに劣化して視覚効果が下がり、見栄えが悪くなっていた。

やったこと

平成28年6月から7月にかけて機種設置のシミュレーションを行い、従来2色までしかできなかったガラス加工を同時多色印刷で行える機種として、スペインテックグラス社製デジタルセラミックインクプリンター ビトロジェット最新機種XXL2545を選定し、平成28年7月下旬に発注した。同年12月中旬に機種を導入し、メーカー担当者から作業確認と取扱説明を受けた。導入後の検収では、スクリーン印刷との生産性と品質を比較した。工程比較では、一度に2色の加工ができるため従来工程より7工程の削減が確認できた。品質比較では、単純2色の表面仕上がりや印刷精度がよく、ホコリ等の不着もなく格段にきれいに仕上がった。製造原価の確認では、受注製造時間が7日と227分短縮され、製造原価も削減できることが確認できた。

加工機スペインテックグラス社製 デジタルセラミックインクプリンター ビトロジェット最新機種XXL2545

新しい製品・サービス:デザイン意匠性の高いセラミック印刷強化安全硝子(水周りや屋内外で使用可能、多色デザイン対応)

事業の効果

デジタルセラミック印刷の導入により、従来2色までだった加工を同時多色印刷で行えるようになり、色彩鮮やかで付加価値と利益率の高いガラスを製造できるようになった。製版作業が不要になったことで、製版の清掃や産業廃棄物が出なくなり経費も削減され、製版の発注や保管などの管理業務も不要になった。設計事務所やデザイナーからの問い合わせが増え、プライバシー確保や分煙に使える新機能デザイン硝材として展開が見込まれ、導入機種を保有する国内企業が少ないことから受注につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来はデザインフィルムで対応し劣化が課題だったとあり、セラミック印刷への移行は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    スクリーン印刷は2色が限界で納期2週間以上だったが、多色同時印刷で7日短縮、設計事務所やデザイナーへの展開が見込まれると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    製版作成に1週間以上、受注から納品まで2週間以上という課題に対し、工程7削減・製造時間7日と227分短縮という数値で解決策を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造時間や工程削減の実績は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、将来の目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    専属の担当者による普及活動の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐久性や多色の色彩性、遮光によるプライバシー確保など商品の価値と用途が具体的に書かれ、ターゲットも設計事務所やデザイナーと明確。

  • 事業化までの道筋3

    平成28年6月から12月までの導入経過と今後の普及活動は書かれているが、中長期の課題検証や詳細なスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達2

    当初は金融機関からの借入を予定していたとあるのみで、財務状況や資金調達の見込みの具体的な記述はない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    スクリーン印刷では不可能な多色デザインで、導入機種は国内で2~3社しか保有しておらず、高付加価値・高価格化の根拠が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    公的な波及効果や雇用創出への言及は乏しく、国が補助する積極的な理由は直接読み取れない。

  • 費用対効果4

    製造時間7日・227分の短縮や廃棄物・管理業務の削減など、導入効果が具体的に示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタルセラミック印刷の導入は書かれるが、地域やサプライチェーンへの貢献や新しいビジネスモデルの記述は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    デザイン性・安全性を求める業界動向に応える点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県神埼市の企業であることと、東京のショールームでの展開が書かれるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

関係先への普及活動を専属の担当者を中心に今後も続けていく。東京の新宿パークタワー6Fにあるショールームで実物の使用部位を体感してもらう提案を行い、今後の受注の伸びに期待している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。