ものづくり補助金平成25年度サービス業(他に分類されないもの)熊本県

「畜産廃棄物を含む有機性バイオマスの固形燃料製造事業」

株式会社吉永商会

この事例のポイント

  • 堆肥の使用が水田や畑の減少で減り、処理すべき有機性廃棄物の行き先が狭まっていた。
  • 鶏糞を中心とする有機性廃棄物を堆肥化した粉状の堆肥を、燃焼しやすいように粒状に固形化してバイオマス燃料にするため、ものづくり補助金で粒状に成形する装置を導入した。
  • 補助事業により、堆肥をペレット燃料にするためのノウハウを確立し、当初の目標であった製品化を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社吉永商会
所在地熊本県 水俣市
業種廃棄物処理業
技術分野バイオ
従業員数62人
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

会社は廃棄物処理業を営み、もとは海洋上での処理を主力としていたが、平成13年に産業廃棄物や下水道汚泥などを堆肥化する陸上処理施設を設け、平成22年までに切り替えを完了した。一方、水田や畑などの減少により堆肥の使用量が減っていた。当時、水俣市ではバイオマス発電所の設置が検討されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信堆肥の使用が水田や畑の減少で減り、処理すべき有機性廃棄物の行き先が狭まっていた。
  • 新製品・新技術有機性廃棄物は減らないため、堆肥の別の用途を模索する必要があった。

やったこと

鶏糞を中心とする有機性廃棄物を堆肥化した粉状の堆肥を、燃焼しやすいように粒状に固形化してバイオマス燃料にするため、ものづくり補助金で粒状に成形する装置を導入した。複数の装置から、原料の堆肥サンプルを送って結果を比較し、メーカーを選定した。バイオマス発電所などの大型施設向けと、ハウス農家などの小型ボイラー向けに数パターンのペレットサイズを試作し、燃焼試験を重ねて用途ごとの最適サイズを確立した。原料の成分を均一化するため、堆肥化後に半年間保管して再度ブレンド調整を行い、ストック堆肥の水分量は保管場所により差はあるものの30〜35%の範囲に収まることを確認した。

新しい製品・サービス:堆肥を粒状に固形化したバイオマスペレット燃料

事業の効果

補助事業により、堆肥をペレット燃料にするためのノウハウを確立し、当初の目標であった製品化を達成した。用途に応じたペレットサイズと燃焼の最適化を確立し、成分の均一化や水分量の管理も行えるようになった。平成28年4月から販売を開始し、これまで取引のあった農家を中心に販売している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    堆肥販売の需要減少を受け、既存の有機性廃棄物処理事業の延長でペレット燃料化を考案したと読める。経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    水田・畑の堆肥需要減少や木質燃料の価格動向という外部環境の記述はあるが、自社の強みとの関係は十分に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    堆肥の需要減少という課題認識と燃料化による解決の方向性は読み取れるが、成長や高付加価値化の定量的な計画は示されていない。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値の増加や賃上げの目標値は記載がなく、目標設定の有無をうかがえる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    試作と燃焼試験を繰り返しノウハウを確立した経緯は読み取れるが、補助事業の推進体制や人材についての記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    用途別にペレットサイズを試作し、大型施設向けやハウス農家の小型ボイラー向けに販売している点が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    平成28年4月の販売開始や残課題(焼塊・焼却残渣)の認識はあるが、中長期の遂行方法や解決スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    木質系燃料と比べたコスト優位やカーボンフリーの特性が示され、新たな燃料分野への進出という位置付けが読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    カーボンフリーの燃料としての需要拡大や再生可能エネルギーへの貢献の可能性は述べられているが、波及効果の定量的な根拠は乏しい。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、費用対効果を示す数字は記載されておらず、わずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は記載がなく、廃棄物を燃料に変えるビジネスモデルの転換がうかがえる程度である。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    木質系燃料に替わるエネルギーとしての需要増を見込んでおり、再生可能エネルギー分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    水俣市の地域特性に触れているが、地域の雇用創出や経済成長への具体的な効果は書かれていない。

今後の展望

焼塊や焼却残渣が一定の割合で残り、ユーザーの除去や処理の負担があるため改善が必要である。水俣市のバイオマス発電所の計画は中止となったが、熊本地震後は木材系燃料が安価になっており、この価格が落ち着けば木質系燃料と比べてもコスト面で優位になると見込む。今後は木質系燃料に替わるエネルギーとして需要が高まると考え、ユーザーを少しずつ増やして知名度を高めたい。カーボンフリーのため、環境意識の高い企業への導入も期待できる。

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長崎県サービス業(他に分類されないもの)平成25年度

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。