ものづくり補助金平成25年度製造業熊本県

野菜・果物等の乾燥物を活用した高機能性食用油の開発と製造

肥後製油株式会社

この事例のポイント

  • 今後の事業継続には消費者・市場・市場規模の特定と価格設定が重要だが、一般の消費者が購入しやすい価格設定はまだ調査段階だった。
  • 熊本県内で生産される脂溶性栄養素を持つ野菜や果物を用いて、機能性成分を含む高機能性食用油の開発と製造を行った。
  • 実験の結果、がん予防につながる抗酸化成分のカロテン類、リコピン、ルテインが油に付加された根拠となるデータが得られた。

事業者のプロフィール

事業者名肥後製油株式会社
所在地熊本県 大津町
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境,複合・新機能材料
従業員数9人
資本金1,000万円
設立1948年

事業の背景

一般的な食用油は大量生産の効率化を重視し、薬剤を使った搾油と、匂いや色を脱臭・脱色する精製が行われている。その工程で植物が本来持つ栄養分の大半が失われ、食用油はメタボや生活習慣病の予防の観点から摂取を控えるべき食品と位置付けられている。一方、植物油には、がん予防につながる抗酸化成分のポリフェノールなどが豊富に含まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信今後の事業継続には消費者・市場・市場規模の特定と価格設定が重要だが、一般の消費者が購入しやすい価格設定はまだ調査段階だった。
  • コスト・採算県内の規格外の野菜・果物を流通させ、コストを下げる必要があった。
  • 新製品・新技術大量生産の一般的な食用油は薬剤搾油や精製で植物の栄養分の大半が失われており、栄養を保った油の製造方法が求められていた。

やったこと

熊本県内で生産される脂溶性栄養素を持つ野菜や果物を用いて、機能性成分を含む高機能性食用油の開発と製造を行った。導入した真空加熱式レオニーダは、タンク内部を真空状態にして加熱できる機器である。水と油が分離しないよう、野菜や果物は乾燥物または粉末状のものを使用した。トマト粉末、ホウレンソウ粉末、ニンジン粉末、水前寺菜粉末などを既存の食用油と攪拌し、加熱して漬け込む実験を行った。さらにトマトとホウレンソウを付加した2種類の検体をJAS規格と比較して安全性を調べた。

新しい製品・サービス:トマト、ニンジン、ホウレンソウなど品目ごとの高機能性食用油

事業の効果

実験の結果、がん予防につながる抗酸化成分のカロテン類、リコピン、ルテインが油に付加された根拠となるデータが得られた。一般的な食用油よりも対酸化劣化度で優れていることも確認され、高機能性食用油の開発に成功したと言える。トマトとホウレンソウを付加した2種類の検体はJAS規格と比較して基準値以下であり、食用油として問題ないという結果が得られた。

今後の展望

今後は製品ごとに研究・改良を進め、効率の良い製造を目指す。県産の野菜や果物の残渣を使った開発も視野に入れる。消費者・市場の調査と価格設定を進め、他社とのコラボレーション商品やペット市場への参入、展示会・商談会への参加も検討する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。