ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

「吉野鶏めし」の具材製造工程改良に伴う設備投資計画

吉野食品有限会社

成果一度の生産量(ガス釜換算) 12釜→20釜

この事例のポイント

  • 現有設備では供給量に限界があり、小売店からの季節ごとのまとまった発注を受けきれず、機会ロスやクレームが生じていた。
  • 食品機械メーカー・カジワラ(東京都台東区)の自動加熱撹拌機を2台導入し、ガス釜の代替として使用する。
  • 一度の生産量(ガス釜換算) 12釜→20釜。自動加熱撹拌機の導入により一度に生産できる量が大幅に増え、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名吉野食品有限会社
所在地大分県 大分市
業種食料品製造業
従業員数48人
設立2003年

事業の背景

大分県の吉野地区に受け継がれる郷土料理を主力製品「吉野鶏めし」として製造・販売している。大分県内のデパートや大型スーパーで購入でき、設立以降は顧客からの旺盛な需要に支えられ販売を伸ばしてきた。行楽シーズンや正月など行事がある月は生産がピークに達する。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有設備では供給量に限界があり、小売店からの季節ごとのまとまった発注を受けきれず、機会ロスやクレームが生じていた。
  • その他12台のガス釜で食材を加熱すると熱気が現場にこもり、夏場の室内温度が50℃近くに達する高温多湿の過酷な労働環境だった。
  • 品質・精度ガス釜を使った手作業は作業者のくせや火力の加減、鍋の経年劣化などで味にばらつきが生じ、味の均質化が課題だった。

やったこと

食品機械メーカー・カジワラ(東京都台東区)の自動加熱撹拌機を2台導入し、ガス釜の代替として使用する。カットした鶏肉とごぼうを機械に投入して炒め、しょうゆベースの調味料と合わせる具材製造用の装置である。熱源はIHと蒸気加熱を組み合わせたハイブリッド構造になっている。以前はガス釜1釜で4升分を生産し、12人で一度に48升分を生産していた。導入機はガス釜に換算して一度に20釜分を生産でき、作業員は4人から2人に減った。

事業の効果

  • 一度の生産量(ガス釜換算) 12釜→20釜
  • 具材製造の作業人数 4人→2人

自動加熱撹拌機の導入により一度に生産できる量が大幅に増え、生産性が向上した。作業員が半減し、人手不足への対応が進んだ。受注機会のロスも解消され、賞味期限の長い鶏めしの素や冷凍おにぎりの県外販売拡大が見込める。熱源がガスからIHと蒸気に変わったことで高温多湿の状況が改善し、一度に同じ鍋でまとまった量を生産できるため味の均質化も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    伝統の吉野鶏めしを主力とし、ガス釜を自動加熱攪拌機に置き換えて生産量を増やす計画が読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内デパート・スーパーで販売し行事需要で伸ばしている点と、地元産食材へのこだわりが書かれるが、競争優位の分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    受注を断らざるを得ない供給量の課題を認識し、12釜の生産量が機械導入で2倍近くになった点まで具体的に書かれ、課題解決に直結している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1回あたり48井分から機械20釜分で生産量が2倍近くになり、作業員4人を2人に減らす数字が示され、実現性が見込める。

  • 事業を進める体制2

    作業員数の変化は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    保存性の高い鶏めしの素やにぎりを県外へ展開する見込みが書かれ、顧客からの取扱い希望商談も増えている。

  • 事業化までの道筋2

    今後ごぼうの皮むき機導入計画が示されるのみで、遂行方法やスケジュール、課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    伝統の郷土料理を扱う点はうかがえるが、同分野で高価格化を図る記述や普及度の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    郷土料理の伝統継承や地元産食材の利用が書かれ、地域経済への波及がわずかにうかがえる程度である。

  • 費用対効果3

    機械導入で生産量が2倍近くになり人員が半減したと書かれ、費用対効果の定量的な算出は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    IHと蒸気を組み合わせたハイブリッド熱源に触れるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用としての記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大分県吉野地区の伝統料理を地元産食材で製造し、地域の行事需要に支えられている点が読み取れる。

今後の展望

今後はごぼうの皮むき用機械を導入する計画があり、現場の自動化をさらに進める。

事業者の声

自社製品をしっかり見て理解していただいた上で取引したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。