ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

ステンレス専用フレキシブル曲げ機の導入による品質向上・コスト低減の実現

有限会社中村設備工業

成果加工時間が20〜30%短縮

この事例のポイント

  • 鉄専用の曲げ機でステンレスパイプを加工しており、ステンレス製品の曲げ加工に対応できていなかった。
  • ステンレス専用のフレキシブル曲げ機を導入した。
  • 加工時間が20〜30%短縮。導入により連続曲げが可能になり、それまで溶接していた箇所を削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社中村設備工業
所在地大分県 大分市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金500万円
設立1971年

事業の背景

有限会社中村設備工業は大分県で唯一、九州でも珍しい各種鋼材の切断・曲げ加工の専門会社である。パイプやチューブの需要は自動車、航空機、家具、建築構造物などあらゆる分野で拡大傾向にあり、その多くが曲げ加工を施したものである。ステンレスは強度や耐食性などの特性から生産量がこの50年間で30倍以上に増え、100%リサイクル可能な環境負荷の少ない素材として今後も需要の高まりが見込まれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鉄専用の曲げ機でステンレスパイプを加工しており、ステンレス製品の曲げ加工に対応できていなかった。
  • 品質・精度高い仕上がり精度と薄肉パイプの需要の高まりに対応できていなかった。
  • 生産能力ステンレス製品は傷がつきやすく作業に神経を使うため、加工に時間がかかっていた。
  • コスト・採算受注があっても対応できず、県外の他社へ外注せざるを得ない状況だった。

やったこと

ステンレス専用のフレキシブル曲げ機を導入した。この機械は真円、楕円、角などいかなる形状のパイプにも対応し、大小を問わずあらゆる素材の曲げ加工を可能にする。左右曲げ加工にもフレキシブルに対応する。主な特長は、連続曲げにより溶接箇所を大幅に削減できること、加工精度が高く後加工の手直しがないこと、速度制御により加工時間を大幅に短縮できること、特殊曲げ加工により様々なニーズに応えられること、温度変化による素材の熱変形が少ないことである。

  • 加工機ステンレス専用フレキシブル曲げ機

事業の効果

  • 加工時間が20〜30%短縮
  • 出戻り品(手直し加工)がゼロになった

導入により連続曲げが可能になり、それまで溶接していた箇所を削減できた。加工精度が高まり出戻り品(手直し加工)はゼロとなり、加工時間も20〜30%短縮された。特殊曲げ加工が業者間で評判となり、新たな受注の可能性も広がった。生産性向上とコスト削減が競合他社との差別化につながり、新規分野への挑戦と新市場の開拓への意欲も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    県内唯一の曲げ加工専門会社として技術を極める方針が示され、既存の鉄専用機から方向性は読めるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ステンレス需要拡大と鉄専用機では対応できない課題を示し、九州でも珍しい専門性を強みとして競合との差別化を狙う点が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    既存機では外注せざるを得なかった課題を明示し、導入で内製化して新規受注や販路拡大につなげる構想が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間を20〜30%短縮、出戻り品ゼロという数値が成果として示され、目標の裏付けが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    導入時のオペレーター育成や体制についての記述はあるが、事例文の中では人数や計画の詳細はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ステンレス専用の特殊曲げ加工を顧客ニーズに応える強みとして示し、業者間で評判になった点が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    他加工技術への転用や新規販路拡大に取り組む方針は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレス専用の特殊曲げ加工は競合が少ないニッチ市場で、高付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    製造業の配管や構造物の需要拡大への言及はあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    加工時間20〜30%短縮と出戻りゼロという数値から、投資効果の大きさが具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は記述がなく、ステンレス加工の高度化が書かれる程度でサプライチェーン貢献はうかがえない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ものづくりの高度化や新規分野への挑戦に言及があるが、成長分野への進出や構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    県内唯一の専門会社として地域での位置づけに触れるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長牽引までは書かれていない。

今後の展望

今回導入した設備は、需要が拡大しているパイプ曲げ加工品に転用でき、特にステンレスパイプは潜在的需要が高まり競合が少ない市場であるため、販路拡大でさらなる飛躍を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。