ものづくり補助金平成29年度製造業大分県

河川流出土砂の有効利用と砕砂プラント自動化システム導入による大幅な生産性アップ計画

弥生石材株式会社

この事例のポイント

  • 砕砂プラントは設備の老朽化と生産性の低下を抱え、将来の砕砂需要に応じられるか不安があった。
  • 砕砂プラントの始動作業と電源断作業を自動化し、稼働時の各部の状況を離れた出荷作業事務所から光ネットワークを通じて操作・監視できるようにした。
  • 砕砂プラントの自動化により、現場に操作員が張り付く必要がなくなり、人員不足の解消とコスト削減につながった。

事業者のプロフィール

事業者名弥生石材株式会社
所在地大分県 佐伯市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野精密加工
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1970年

事業の背景

天然の岩石を砕いた砕石と砕砂は、建築物の基礎や道路、橋梁などを支える骨材として都市インフラに欠かせない。弥生石材の主力は大分県南地区で唯一の良質な硬質砂岩で、宇藤木工場と坂の浦工場を合わせて月産10,000㎥の骨材を出荷しており、国土交通省やNEXCO西日本、県内自治体など高い評価を受ける納品先を持つ。一方で、近年は台風や豪雨による災害復旧工事や河川改修工事が増え、建設発生土の受入量が増大していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力砕砂プラントは設備の老朽化と生産性の低下を抱え、将来の砕砂需要に応じられるか不安があった。
  • 人手・技能砕砂プラントでは深刻な労働力不足という課題があった。
  • その他台風や豪雨による災害復旧工事や河川改修工事が増え、建設発生土の受入量が増大していた。受入地は逼迫し、同社施設の分別受入可能量も限界に近づいていた。

やったこと

砕砂プラントの始動作業と電源断作業を自動化し、稼働時の各部の状況を離れた出荷作業事務所から光ネットワークを通じて操作・監視できるようにした。プラント内は無人で砕砂を安定生産し、トラブル時には警報装置が作動して他のプラントの作業員が駆けつける体制とした。これは県内同業者では初採用のシステムだという。自然災害後の河川流出土砂に多く含まれる金属類などの異物混入を防ぐため、砕砂プラントの初期工程に永久磁石連続排出式の鉄片除去機を導入した。さらに、40mmアンダーにふるい分けられた約40%の河川流出土砂に硬質砂岩を1:3の割合で混入し、新たな高品質砕砂の開発に結びつけた。

ソフト砕砂プラント自動化システム
その他永久磁石連続排出式の鉄片除去機

新しい製品・サービス:硬質砂岩と河川流出土砂を1:3の割合で混合した高品質砕砂

事業の効果

砕砂プラントの自動化により、現場に操作員が張り付く必要がなくなり、人員不足の解消とコスト削減につながった。事務所での遠隔監視により、少人数でも砕砂の安定生産ができる体制が整った。鉄片除去機の設置で異物混入による稼働停止を防ぎ、河川流出土砂を有効利用した新製品の製造も可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    業歴50年超で砕石・砕砂の製造を続けてきたことが書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県南地区で唯一の良質硬質砂岩を原石とし、国交省やNEXCO等の納品先評価や月産10,000㎥の実績が強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    設備老朽化・生産性低下・労働力不足・受入量限界という課題を挙げ、自動化と硬質砂岩と河川流出土砂の1:3混合による新製品開発で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    人員不足の解消やコスト削減への貢献は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員18名の体制や、警報時に他プラントの作業員が駆けつける運用は書かれているが、事務処理能力への言及は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    公共工事・民間工事で使われる高規格骨材という価値と、山間部砕砂への需要増加という背景が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入の流れや鉄片除去機の設置など手順は示されるが、中長期の課題検証やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    河川流出土砂と硬質砂岩の混合砕砂は新しい高品質製品とされるが、市場での普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    台風・豪雨後の災害復旧・防災河川改修の需要増と、都市インフラに欠かせない骨材の供給という公共的役割が書かれている。

  • 費用対効果2

    効率化や人員削減が述べられるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    河川流出土砂の有効利用とリサイクル資源活用による循環型社会への貢献、遠隔操作による自動化が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    循環型社会やCO2削減の観点は触れられるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出までは読み取れない。

  • 地域経済への波及3

    大分県南地区の建築・土木業界を支える地域産業としての位置付けは書かれているが、雇用創出や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

環境保全の観点から瀬戸内海での砕砂採取が禁じられて以降、山間部で採取される砕砂への需要が増えている。CO2削減の観点からもリサイクル資源の活用を求める気運が高まっており、リサイクル製品開発に熱心な同社の取り組みは注目を集めている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。