ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

高性能レトルト殺菌機等の導入による作業効率化と椎茸加工の新商品開発および販売

有限会社マルナカ・フーズ

この事例のポイント

  • 大口顧客からの受注が増えているが、現在の生産体制では受注に応えるのが困難である。
  • 高性能レトルト機を導入し、従来の同様の機械では生産が追いつかなくなったことに対応した。
  • 高性能レトルト機の導入により生産量が増大し、作業効率が上がり、賞味期限が延長された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社マルナカ・フーズ
所在地大分県 日田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数2人
資本金300万円
設立1996年

事業の背景

大分県は乾椎茸の生産量が全国一で、会社は日田・玖珠地域に本社を持つ乾椎茸の生産農家として出荷商品を委託販売していた。しかし人任せの販売方法、天候による生産量のばらつき、相場に左右される利益率に直面し、生産者の高齢化による将来性も不安視された。そこで椎茸加工食品の製造販売に乗り出し、平成25年から「しいたけ鶏めし」の開発・販売に至った。保存料・着色料・化学調味料を使わず天然の旨味にこだわった点が取引先から高く評価されている一方、他社同種製品と比べて賞味期限の短さが商談成立のネックとなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大口顧客からの受注が増えているが、現在の生産体制では受注に応えるのが困難である。
  • 納期・工程従来の機械では生産が追いつかず、大口受注時のレトルトパック作業は深夜に及び、休日なしで1ヶ月作業することもあった。
  • コスト・採算商談成立のネックとなっていた賞味期限の短さを解消し、コストと労働時間を削減する必要があった。
  • 品質・精度殺菌力を高め、トレーサビリティ管理の体制を整える必要があった。

やったこと

高性能レトルト機を導入し、従来の同様の機械では生産が追いつかなくなったことに対応した。導入した機械により労働時間が大幅に短縮され、コスト削減につながった。賞味期限を延長できるようになったことで防災食品への提案も可能になった。あわせて高い殺菌力による衛生面の強化とトレーサビリティ管理体制を整備した。高い風圧で水分を吹き飛ばす除水装置も導入し、生産量の増大と衛生・安全管理の確保に貢献している。手狭だった工場を拡充し(補助金とは別資金)、各種装置のレイアウトを調整して作業効率を高めた。

  • 加工機高性能レトルト機除水装置高い風圧で水分を吹き飛ばす装置

新しい製品・サービス:しいたけ鶏めし(平成25年より開発・販売)。加えて豊後牛、津久見のマグロ、国東のタコ、豊後高田のかちえび、米水津のちりめんの大分県産品5アイテムの商品化に取り組んでいる。

事業の効果

高性能レトルト機の導入により生産量が増大し、作業効率が上がり、賞味期限が延長された。労働時間が大幅に短縮されコスト削減につながった。殺菌力とトレーサビリティ管理の体制が整い、衛生・安全管理が強化された。加工品の売上は大幅に増え、道の駅、空港、高速道路、生協、インターネットなど多様な販売窓口のなかでも通販の売上が年々伸びている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    生産農家から加工品製造へ転換し、椎茸加工品を続けてきた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    保存料・着色料・化学調味料を使わない天然旨味へのこだわりと取引先からの高評価が書かれ、他社品との比較で賞味期限の短さが課題とされている。

  • 課題の認識と解決5

    賞味期限の短さが商談のネックと認識され、月産16,000〜20,000袋の出荷や通販売上の伸びなど、数字つきで課題解決と販路拡大が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    労働時間の大幅短縮やコスト削減は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、数値目標の記載は見当たらない。

  • 事業を進める体制2

    社員数2名(パート除く)と記載があるのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力についての説明はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大口顧客からの受注増への対応や防災食品への提案など、ターゲットと製品の強みが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    新商品5アイテムの商品化や大分の食材セット販売の検討など今後の方向性は示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    椎茸の鶏めしは全国的な鶏めしブームに乗った商品とされ、高付加価値化の水準は十分に読み取れない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    大分の一大産地である乾椎茸と地域の食文化を活かす点は書かれるが、波及効果や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果3

    レトルト機導入で生産量増大と労働時間短縮が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    トレサビリティ管理体制の整備は書かれるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    日田・玖珠地域の椎茸産地を活かし、大分の産品5アイテムを商品化して地域の食材を生かす事業であることが具体的に書かれている。

今後の展望

新規設備導入により生産体制を拡充し、販路拡大や新商品開発などの積極的な事業展開に着手する。大分県の産品5アイテムの商品化が完成すれば、県のご飯にまつわる商品のセット販売も検討している。

  • 目標:現在、月産16,000袋〜20,000袋のレトルト食品を出荷している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。