ものづくり補助金平成25年度製造業大分県

最新の円錐曲げローラー導入による競争優位の確立と航空宇宙分野への新規参入

株式会社江藤製作所

この事例のポイント

  • 円筒曲げ加工は今だに熟練技能に頼る部分が大きく、自動化が進んでいない。
  • 取引先拡大と新規分野進出のため、外注していた円筒曲げ加工を内製化する設備「円筒曲げベンディングローラー」を導入した。
  • 製品品質が向上し、納期対応がスムーズになったことで顧客満足度が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社江藤製作所
所在地大分県 大分市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数64人

事業の背景

株式会社江藤製作所は江藤酸素株式会社の精密溶断工場として分社独立した企業で、大分県を代表するものづくり企業のひとつである。金属製品製造業は、大手取引先の海外進出、価格競争の激化、産業構造の変化、原材料の高騰、職人の高齢化など厳しい環境にある。同社は1989年の種子島宇宙センター射点設備プラントを皮切りに航空宇宙分野の仕事を手がけ、JAXA関連の仕事を継続的に受注してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力円筒曲げ加工は今だに熟練技能に頼る部分が大きく、自動化が進んでいない。
  • コスト・採算円筒曲げ加工を外注に頼っており、価格競争力と品質競争力を高めにくい。
  • 人手・技能金属加工の現場で熟練作業者への依存が大きく、未熟練者でも加工できる体制が必要だった。
  • 新製品・新技術航空宇宙分野など新規分野へ参入するには、高精度な円筒加工を社内で行う必要があった。

やったこと

取引先拡大と新規分野進出のため、外注していた円筒曲げ加工を内製化する設備「円筒曲げベンディングローラー」を導入した。この機種は円筒曲げに特化し、特許出願技術を搭載している。未熟練の作業者でも円筒加工を容易にし、高い加工精度を活かして航空宇宙分野への進出を重点的に進める計画である。2014年11月に本社工場内に設置され、今日まで順調に稼働している。

  • 加工機円筒曲げベンディングローラー

事業の効果

製品品質が向上し、納期対応がスムーズになったことで顧客満足度が上がった。ステンレスの磨き仕上げや2B規格ステンレス材を使う食品・エネルギー・医薬分野での受注増加も期待されている。宇宙機器ではロケットのフェアリング部品や検査治具の受注に迅速に対応できるようになった。受注量の増加に応じて、今後は新規雇用の検討も必要になるとみられる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に種子島宇宙センターの射点設備やJAXA関連の仕事を手がけた実績があり、航空宇宙分野への展開との一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場は7兆円超と記載され、同社の高精度加工力を強みとして航空宇宙分野を狙う方針が示されている。競合比較の数字は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    外注加工の内製化で価格・品質競争力を高める課題認識は示されているが、売上や付加価値の目標数値は書かれていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    社員数64人や大手取引先との関係がうかがえるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    円錐曲げに特化した機種で、同業他社が追随できない精度と効率が強みとして示されている。顧客ターゲットの明確化は部分的。

  • 事業化までの道筋2

    2014年11月に設置し稼働中とあるが、補助事業の遂行スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    円錐曲げに特化した専用機で、特許出願技術を搭載するとの記述があり、同分野での高付加価値化をうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    航空宇宙分野のロケット部品など新規雇用や需要創出の可能性はうかがえるが、国が補助する理由の定量的記述は薄い。

  • 費用対効果2

    外注から内製化へ転換する効果は述べられているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新鋭の金属加工機器による自動化の遅れた分野への導入はうかがえるが、サプライチェーン全体への貢献の記述は少ない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    右肩上がりが見込まれる航空宇宙分野への進出を目指すと記述され、成長分野への進出は示されている。

  • 地域経済への波及2

    大分県を代表するものづくり企業と記載されるが、地域の経済成長を牽引する具体的な効果は書かれていない。

今後の展望

国内の宇宙産業市場は7兆円を超える規模に成長しているとされ、途上国にも人工衛星の打ち上げ需要が広がっている。同社は高度技術を武器に、右肩上がりが予測される航空宇宙分野で先行者利益を獲得することを目指している。

  • 目標:社員数64人

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。