ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

船外機部品プロペラシャフトの革新的な生産工程の構築

株式会社ジャパン・ミヤキ

成果製造コストは従来比33%削減

この事例のポイント

  • スプライン加工を高額な歯切り盤と測定器が必要なため外部の専門協力工場に依頼しており、加工時間も長い。
  • 本事業で導入したNC複合機により、旋盤加工、フライス加工、スプライン加工を同時に行い、バリ除去も行えるようにし、複数工程をワンチャックで加工できる生産体制を構築した。
  • 製造コストは従来比33%削減。スプライン加工の内製化によりプロペラシャフトの一貫生産体制を構築できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ジャパン・ミヤキ
所在地静岡県 浜松市
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
資本金1億円
設立1955年

事業の背景

同社は創業以来、複写機のシャフト・ローラー、船外機のエンジンパーツ、駆動部のシャフト、自動車のエンジン部品、産業用機器の気密性が問われる部品の生産を手掛けてきた。技術面では鍛造・切削加工に加え、研削加工・超仕上げ加工によるミクロン単位の精度の精密部品の設計・製造技術を持ち、摩擦圧接加工を得意とする。素材から一貫生産できる体制が強みである。船外機部品のプロペラシャフトは複数の加工工程(NC旋盤加工、スプライン加工、フライス加工、摩擦圧接加工)が必要になる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算スプライン加工を高額な歯切り盤と測定器が必要なため外部の専門協力工場に依頼しており、加工時間も長い。
  • 納期・工程外注によりリードタイムが長期化し、在庫が増加していた。
  • 品質・精度工程が外部に分かれているため、一貫した品質管理が困難だった。

やったこと

本事業で導入したNC複合機により、旋盤加工、フライス加工、スプライン加工を同時に行い、バリ除去も行えるようにし、複数工程をワンチャックで加工できる生産体制を構築した。加工部品の品質確認には高性能歯車試験機を導入した。スプライン加工では切削抵抗によりワークが回転してしまい精度が出なかったため、カッターの材質を変更し、チャックを改良して突出しの長さを最小限にし、チャックの真円度を数十ミクロン以下に抑えた。SUS材側のカッターは数十個加工すると面粗度が悪化し寸法も補正が必要になったため、一定量加工した後に加工点を順次ずらして工程能力を確保した。フライス加工で生じるスプライン溝部分のバリ、長穴加工時の切粉排出などは、培った技術の応用と特殊エンドミル・高圧クーラントの適用で対応した。

加工機NC複合機
検査測定高性能歯車試験機

事業の効果

  • 製造コストは従来比33%削減
  • 工程所要日数 7日→1日

スプライン加工の内製化によりプロペラシャフトの一貫生産体制を構築できた。工程が約1日で自社完結し、大幅な納期短縮を実現した。複数工程のワンチャック加工により工程ごとのワーク脱着作業を減らし、バリ除去を自動処理して手作業のばらつきを解消、社内一貫生産で品質保証体制を自社で維持管理できるようになった。製造コストは従来比33%削減となり、少量多品種の取引先発注増にも対応できる体制となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は協力工場に依頼していたスプライン加工を内製化し、過去から手掛けてきた複写機シャフト等の生産実績を背景にしている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ミクロン単位の精度や摩擦圧接など特殊加工の技術、素材から一貫生産できる体制を強みとして明記している。

  • 課題の認識と解決4

    リードタイム長期化や在庫増、品質管理の困難という課題を認識し、内製化で7~10日を約1日に短縮したと書いている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製造コスト従来比33%削減という数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    導入時に技術的検証・研究を重ねたとあるが、人材配置や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    少量多品種のプロペラシャフトで取引先からの発注増に対応できると書かれ、顧客ニーズへの言及はある。

  • 事業化までの道筋4

    切削抵抗によるワーク回転や真円度、刃持ちの問題に対し、チャック改良やカッター材質変更などの解決方法を具体的に述べている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ワンチャック加工による高品質・短納期生産を強みとするが、市場の普及度や認知度についての記述はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    事業拡大や雇用創出の可能性にふれるが、経済波及効果や国が補助する理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    製造コスト33%削減、7~10日から約1日への工程短縮という数字で費用対効果の改善が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    NC複合機やワンチャック加工による工程統合はあるが、デジタル技術の活用や地域・サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    浜松市での事業とあるが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済への言及は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引先からの少量多品種のプロペラシャフトの発注増にも十分対応できる生産体制を構築でき、今後のさらなる事業拡大が期待できる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。