ものづくり補助金平成27年度製造業栃木県

高精度部品加工の生産効率革新と試作品突発割込対応と短納期の実現

柳下技研株式会社

成果従来の立形と比べて段取りを含む加工時間は約14%削減された。

この事例のポイント

  • 突発的な試作品の割込み案件に対応しきれず、年30件程度で対応が難しく、年数件は取引に至らなかった。
  • 2APC付き5軸制御マシニングセンタMU-6300V(オークマ)を導入した。
  • 従来の立形と比べて段取りを含む加工時間は約14%削減された。試作品の突発割込み拒否「ゼロ」を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名柳下技研株式会社
所在地栃木県 芳賀町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数156人
資本金1,500万円
設立1973年

事業の背景

当社は自動車のエンジン部品や足回り部品の削り出し加工のほか、燃料電池部品やF-1部品など様々な被削材を用いた試作加工を行っている。自動車以外に半導体などの精密部品や各種装置・設備など多岐にわたる製品を加工している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力突発的な試作品の割込み案件に対応しきれず、年30件程度で対応が難しく、年数件は取引に至らなかった。
  • 人手・技能連続加工で作業員の多数台持ちを進め、高品質・高精度の要望に応える体制強化が必要だった。

やったこと

2APC付き5軸制御マシニングセンタMU-6300V(オークマ)を導入した。2APCにより、加工中に別の加工物を段取りでき、加工終了時に自動で加工物を交換して加工を継続できるため、突発的な割込み案件でも段取り作業を止めずに対応できる。導入前にはテストピースで、突発割込み部品と短納期部品、複雑・高精度部品、多角関連高精度保証部品、加工時間短縮が必要な部品、ビビリやすい薄肉形状部品、台持性向上の対象、3軸加工機では不可能な部品(タービンブレード等)への適用を確認した。

加工機2APC付き5軸制御マシニングセンタ MU-6300V(オークマ)

事業の効果

  • 従来の立形と比べて段取りを含む加工時間は約14%削減された。
  • 位置精度 0.02mm→0.01mm
  • 6面体の場合で段取り時間は約66%削減された。

試作品の突発割込み拒否「ゼロ」を実現した。夜間の無人稼働(24時間連続稼働)が可能になり、段取りを含む加工時間は約14%削減された。多角高精度部品では位置精度が向上し、段取り時間は6面体の場合で約66%削減された。段取りロス(最大で約6時間)がなくなり、突発割込みへの対応と高品質・短納期が両立できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品や半導体部品の加工を主力としてきたとあり、2APC付5軸機の導入が割込み対応という既存事業の課題に沿うことは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    年30件程度の割込み案件があり、年数件が取引に至らなかったとある。市場動向との関係は薄いが顧客要請への対応は示されている。

  • 課題の認識と解決4

    割込み対応が難しく年数件の取引を逃していた課題を示し、段取りロス最大約6時間の解消と段取り時間約66%削減を導入効果として挙げている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間は従来比約14%削減、6面体の段取り時間は約66%削減と数値目標・実績が示されている。賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員156名で、作業員の多数台持ちや多能工化を進める体制づくりに触れている。ただし人材確保の具体策は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    割込み拒否ゼロを目指す顧客ターゲットと、短納期・高精度へのニーズが明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    テストピースで6つの機能を確認した経緯は書かれているが、導入後の中長期スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    5軸マシニングセンタは一般的な設備で、高付加価値化・高価格化を図る取組としての記述は限られる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    半導体部品やF-1部品の加工に触れ、タイ工場建設や国内拠点整備にも言及があるが、国が補助する理由までは読み取れない。

  • 費用対効果3

    段取り時間削減や24時間連続稼働による効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    IoTやAIを備えた機能、加工ナビ機能による技術支援は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献までは述べられていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    超精密加工技術を活かして自社製品開発と新市場開拓を進める方針が示されているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

あらゆる業種業界で技術革新が進む中、超精密加工技術を活かして自社製品の開発を加速させ、新たな市場を開拓する。2020年3月のタイ工場建設着工を始め、国内拠点工場の整備も検討する。独自のSDGsを設定して事業を推し進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。