ものづくり補助金平成24年度広島県

整形外科製品と手術道具を製作する試作開発システムの構築

株式会社ハマダ

この事例のポイント

  • 整形外科製品やその手術道具は多様化が進み、医療現場からの要望に迅速に応える製品作りが課題である。
  • 汎用マシニングセンターを基軸に改良を加え、専用機の1/5の設備投資で様々な依頼に対応できる試作開発システムを構築した。
  • 試作開発システムの構築により製作時間が約50%短縮され、製造コストも50%以上改善された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ハマダ
所在地広島県 府中町
業種輸送用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数230人
資本金3,000万円
設立1953年

事業の背景

当社は創業以来、自動車部品を中心とした金属の切削加工を行ってきた。約10年前から、培った技術を生かして医療機器分野への取組みを新規事業として開始した。営業活動を通じて、医療機器の試作品では難削材、複雑な形状、短期間、高精度が求められることが確認された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術整形外科製品やその手術道具は多様化が進み、医療現場からの要望に迅速に応える製品作りが課題である。
  • 生産能力医療機器は難削材の使用、複雑な形状、短期間、高精度が求められ、従来の体制では幅広い要望に応えきれなかった。

やったこと

汎用マシニングセンターを基軸に改良を加え、専用機の1/5の設備投資で様々な依頼に対応できる試作開発システムを構築した。マシニングセンターに特殊仕様主軸モーターとセンタースルー機能を追加し、円テーブルと組み合わせて特異形状・三次元形状の高精度・高速切削を可能にした。設備内に三次元計測装置と工具長測定装置を組み込み、製品の精度保証を行う体制とした。焼きばめ方式の特殊ホルダと刃物を組み合わせて微細加工の精度を安定させ、NCデータ最適化ソフトで加工時間の短縮を図った。素材から一貫して削り出し工法で加工でき、多品種の試作開発に対応できるようにした。

加工機マシニングセンター
その他特殊仕様主軸モーター
加工機円テーブル
検査測定三次元計測装置
検査測定工具長測定装置
その他焼きばめ方式特殊ホルダ
ソフトNCデータ最適化ソフト

新しい製品・サービス:整形外科製品や手術道具を製作する高速・高精度試作開発システム。微細加工による手術器具「HAMADAスターターラスプ」など。

事業の効果

試作開発システムの構築により製作時間が約50%短縮され、製造コストも50%以上改善された。設備内に高精度計測器を導入したことで製品の精度保証が達成された。NCデータ最適化ソフトの導入により整形インプラントの製作では時間短縮率52.1%(3日分)を得た。素材から完成品までの一貫加工と多品種の試作開発が可能になり、医療分野の依頼に対応できる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の自動車部品の金属切削加工から医療機器分野へ10年ほど前に取組みを開始したと書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    営業活動で難削材・複雑形状・短期間・高精度の要望を確認したとあり、強みとの関係は読み取れるが、市場規模などの数字はない。

  • 課題の認識と解決4

    製作時間短縮約50%減、製造コスト改善50%以上、NCデータ最適化で時間短縮率52.1%(3日分)と具体的な数字で課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製作時間短縮約50%、製造コスト50%以上改善、専用機の1/5の設備投資と目標値が示され、実績として達成したと記載されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員230名と記載があるが、補助事業を遂行する人材や体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器の試作品に対する難削材・複雑形状・短期間・高精度の要望への対応と記載があるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    設備内に三次元計測装置や工具長測定装置を組み込み、NCデータ最適化ソフトを導入したと手順は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    汎用マシニングセンターの改良で専用機の1/5の設備投資とし、微細加工や三次元形状の高精度・高速切削を実現した点が具体的に示されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    今後の医療分野の発展への寄与や医療機器を通じた社会貢献が目的として挙げられるが、波及効果の数値はない。

  • 費用対効果4

    製作時間短縮約50%、製造コスト50%以上改善、専用機の1/5の投資という数字で費用対効果の高さが示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    NCデータ最適化ソフトの導入はうかがえるが、サプライチェーンや地域への貢献としての記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療分野という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    広島県府中町の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はインプラント部材や鋼製小物などの医療機器加工に対応していく。本事業で取得したものと同等の設備を新たに導入し、ノウハウの蓄積と他分野への対応を進める。医療機器分野以外の依頼にも積極的に対応していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。