ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

カーボンフェノールSMCの成形品の量産化に向けた試作開発

九州浪華合成株式会社

この事例のポイント

  • 炭素繊維を用いた樹脂成形品は価格が非常に高く、製品価格を下げる必要があった。
  • 大型の圧縮成形機(直圧プレス機BC-500、500トンプレス、下ラム上昇式)を導入し、カーボンフェノールSMCを試作品の形状に圧縮する成形方法を確立した。
  • カーボンフェノールSMCの圧縮成形により、生産性の向上と材料削減を同時に実現できた。

事業者のプロフィール

事業者名九州浪華合成株式会社
所在地鹿児島県 南九州市
業種プラスチック製品製造業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数6人
資本金900万円
設立2014年

事業の背景

現在、炭素繊維を用いた樹脂成形品は価格が非常に高く、製品価格を下げて生産性向上に寄与する製品を作りたいとの要望があった。現行の高温用容器類は炭素繊維ブロックを切削加工して作られており、生産効率が悪い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算炭素繊維を用いた樹脂成形品は価格が非常に高く、製品価格を下げる必要があった。
  • 生産能力現行の容器類はフェノールを含浸させた炭素繊維のブロックを切削加工して成形しており、生産効率が悪い。
  • 人手・技能成形途中のバンピング作業のタイミングが成形条件により異なり、成形者の技術的な勘に頼る部分が大きい。

やったこと

大型の圧縮成形機(直圧プレス機BC-500、500トンプレス、下ラム上昇式)を導入し、カーボンフェノールSMCを試作品の形状に圧縮する成形方法を確立した。当初計画していた亜鉛合金製の金型ZAS型は強度の問題で断念し、別の金型で試作を進めた。材料から出る水分を逃がすためのバンピング作業のタイミングについて、マニュアル化のためのデータ蓄積を行った。成形した試作品はユーザーによる後加工と最終工程の検討が進められている。

  • 加工機直圧プレス機 BC-500下ラム上昇式、500トンプレス

新しい製品・サービス:カーボンフェノールSMCの成形品(試作品)

事業の効果

カーボンフェノールSMCの圧縮成形により、生産性の向上と材料削減を同時に実現できた。試作品ではコストダウンが大幅に実現できたとされ、ユーザーによる後加工でも概ね良好との報告を受けている。炭素繊維製品治具などは従来の20%以下の価格での提供が可能となり、大きな優位性を持つ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    補助事業のきっかけは「カーボンフェノールSMCを使った圧縮成形で生産効率と材料削減を同時に実現」とあるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客からの「樹脂成形品の価格が非常に高いので下げたい」という要望が示されており外部ニーズは読めるが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    現状課題は切削加工による生産効率の悪さと明記され、圧縮成形で生産性向上と材料削減を図る計画が示されている。ただし高付加価値化の具体的な数値は乏しい。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    従来の製品価格に対し「2 0%以下での提供が可能」と具体的な数字が示され、大幅なコストダウンの目標と実現の見込みが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    補助事業の体制や人材については書かれていないが、従業員6人の規模と後加工をユーザーが進めていることがわずかにうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    製品の優位性として従来品の20%以下の価格を提示できる点や、ユーザーからの価格要望が示され、選ばれる理由はある程度整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    試作で亜鉛合金製ZAS型が強度の問題で断念された課題と、バンピングのデータ蓄積によるマニュアル化が書かれ、今後の設計・事業化1年後の予定も示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    カーボンフェノールSMCの圧縮成形という手法は一般的ではない可能性がうかがえるが、普及度や高価格化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    環境負荷の軽減や新分野への進出が述べられているが、経済波及効果や雇用創出についての記述は見当たらない。

  • 費用対効果3

    従来の切削加工に比べ材料削減と大幅なコストダウンが実現したとあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい成形法による生産性向上は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンのイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島県南九州市の企業であることはわかるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述はわずかにうかがえる程度。

今後の展望

当該製品は1年後の事業化を目標としている。新分野への進出も検討しており、3年後の実用化を目指している。その分野でも現行製品を大幅に下回る価格を提示できる見込みである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。