ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

地域特有の降灰を活用した「桜島灰干し」による試作品開発と市場開拓

株式会社樹楽

この事例のポイント

  • 和牛肉・豚肉の商品化には取り組んでこなかった。
  • 灰干し加工後に必要な焼き工程用のスチームコンベクション、急速冷凍用のブラストチラー、真空包装用の設備を導入した。
  • 5食セットの「桜島灰干しセット」の売上が従来の2倍となった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社樹楽
所在地鹿児島県 始良市
業種食料品製造業
従業員数2人
資本金100万円
設立2008年

事業の背景

当社は桜島の灰を活用した独自の灰干し加工製法を持つ。これまで魚を中心に商品を製造していた。近年は熟成肉が評価されており、低温で時間をかけて肉の水分を減らす技法が灰干し加工と同様の作用を持つため、肉類への展開を目指した。売上や取引先の構成に関する記述はない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術和牛肉・豚肉の商品化には取り組んでこなかった。
  • 生産能力従来は魚を中心に商品を製造していた。
  • 販路・情報発信県内外の販路を広げる体制が整っていなかった。
  • コスト・採算冷凍商品より取り扱いやすく需要の高い常温販売可能な商品が求められていた。

やったこと

灰干し加工後に必要な焼き工程用のスチームコンベクション、急速冷凍用のブラストチラー、真空包装用の設備を導入した。桜島灰干し製法で、冷凍販売可能な商品と常温販売可能な商品の試作開発を行った。肉、魚、椎茸などを常温で長期保存できる製品の開発を進めた。さつまいもを灰干し加工して干し芋として商品化した。

  • 加工機スチームコンベクションブラストチラー真空包装機

新しい製品・サービス:桜島灰干しを用いた肉類・常温販売可能な商品、干し芋

事業の効果

5食セットの「桜島灰干しセット」の売上が従来の2倍となった。さつまいもを灰干し加工した干し芋を商品化した。主力商品である灰干し弁当の生産性が飛躍的に向上し、少ない人数での量産化が図られた。今後は県内外、海外への販売強化を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    魚中心の製造から和牛・豚肉の商品化へ広げた経緯が書かれ、灰干し製法を軸にした一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    熟成肉の評価という市場動向と灰干しの作用の類似性に触れているが、自社の経営資源の強み・弱みとの関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    これまで売れずに廃棄されてきた天然地魚という課題認識と、常温商品化による販路拡大の方向性は読み取れるが、事業計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    灰干し弁当の生産性が飛躍的に向上し少ない人数での量産化が図られたとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員2名で設備導入を行い、少ない人数での量産化を図ったとあるが、体制や事務処理能力の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    常温・無添加・長期保存可能な商品として、5食セットの売上が従来の2倍となった点など、顧客に選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の取組みとして地元の素材の発掘や海外販売強化の方向性は示されているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    100年間途絶えていた桜島灰干しという加工方法を復活させ、ブランド化して商品化したと書かれており、独自性は具体的に読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    一次産業の活性化や地元の農林漁業者との連携、鹿児島の食文化への貢献が明示され、地域への波及効果が読み取れる。

  • 費用対効果3

    設備導入後に売上が2倍となり生産性が向上したとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    地域の火山灰を活用した製法の独自性はうかがえるが、先端的なデジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面70%
  • 成長分野への進出2

    常温・長期保存商品や海外販売強化の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は読み取れない。

  • 地域経済への波及5

    桜島の降灰という地域特性を活かし、鹿児島の特産品として売上が従来の2倍になったと、地域経済への寄与が具体的に書かれている。

今後の展望

鹿児島の農林漁業従事者と連携し、地元素材を発掘・活用して無添加、常温、長期保存のきく新商品を開発する。国内外への販売強化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。