ものづくり補助金平成25年度製造業愛媛県

IQ冷凍技術を活用した「しらす」の加工品開発・販売プロジェクト

朝日共販株式会社

成果1時間に100kgと従来の2倍近くの生産量を達成

この事例のポイント

  • 釜揚げしらすは製造日から賞味期限が3日程度と短く、加工品の開発・販売には冷凍技術による賞味期限の長期化が重要であった。
  • 設備メーカー2社と共同で研究開発を行い、ベルト部分の改良と空気噴射を活用したほぐし機能を追加した全自動の「トンネルフリーザー」を導入した。
  • 1時間に100kgと従来の2倍近くの生産量を達成。全自動のトンネルフリーザーの導入により、生産能力、必要労働力、製造必要日数が大幅に改善した。

事業者のプロフィール

事業者名朝日共販株式会社
所在地愛媛県 伊方町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数250人
資本金3,000万円
設立1995年

事業の背景

朝日共販は愛媛県西宇和郡伊方町で釜揚げしらすの製造・販売を手掛け、地域の一大産業を担う地区トップ企業である。主力商品は釜揚げしらすを乾燥したしらす干しやちりめんなどの加工製品である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力釜揚げしらすは製造日から賞味期限が3日程度と短く、加工品の開発・販売には冷凍技術による賞味期限の長期化が重要であった。
  • 人手・技能「パラパラしらす」は3名の従業員による手作業で行っており、製品完成までに2日間を要したため、商品発注に対応しきれない状況にあった。
  • 新製品・新技術しらすの加工を想定した既存のフリーザー製品が存在しなかった。

やったこと

設備メーカー2社と共同で研究開発を行い、ベルト部分の改良と空気噴射を活用したほぐし機能を追加した全自動の「トンネルフリーザー」を導入した。IQ凍結(個体毎の急速冷凍)を活用して、しらすを1匹ずつ冷凍する仕組みとした。機械導入により、製品完成までの作業を機械化し、商品に直接手が触れる時間を短縮した。

加工機トンネルフリーザー

新しい製品・サービス:パラパラしらす(冷凍しらす)

事業の効果

  • 1時間に100kgと従来の2倍近くの生産量を達成
  • 労働力 3名→2名
  • 賞味期限 3ヶ月→6ヶ月

全自動のトンネルフリーザーの導入により、生産能力、必要労働力、製造必要日数が大幅に改善した。1時間に100kgと従来の2倍近くの生産量を達成し、安定・定時出荷と全国展開に対応できる生産体制を構築した。賞味期限は3日から6ヶ月へ長期化し、折れの少ない高品質なパラパラしらすの製造が可能になった。人件費と働き方改革の面でも効果があり、削減された2名の人員は新商品開発・販路開拓に充てる予定である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    釜揚げしらすの製造販売を基盤に、冷凍技術で賞味期限を3日から6ヶ月へ延ばし全国展開を目指す流れは読み取れるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地区トップ企業としての知名度や愛媛県産の強みに加え、イオンや大手外食など多数の主要取引先があり、市場と経営資源の関係が具体的にうかがえる。

  • 課題の認識と解決5

    製品完成まで2日かかる手作業が受注に対応しきれない課題と明記され、導入後に1時間100kgで従来の2倍近い生産量を達成した数字まで示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量の2倍化や労働力3名から2名への削減など数値の成果は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制4

    従業員250名の体制に加え、設備メーカー2社と共同で研究開発を行った実績があり、遂行体制の一端が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    全国の消費者への販売を狙い、「新鮮」「おいしい」「無添加」という選ばれる理由や主要取引先の実績が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    機械導入後の効果は示され、今後は1名体制の検討や削減人員の別部門活用が予定されているが、スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    冷凍しらす加工品は既存の釜揚げしらすの高付加価値化として位置付けられ、新しい加工品として品質の向上が示されているが、価格面の数字はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域の一大産業として雇用を含む地域・社会への貢献度が高いと記載されているが、波及効果を数字で示す記述はない。

  • 費用対効果3

    生産量の2倍化や人件費削減など効果の数字はあるが、補助金投入額や費用対効果の具体的な数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    IQ凍結の機械化や設備メーカーとの共同開発は記載があるが、デジタル技術の活用やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    冷凍技術による長期保存や全国展開の方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換や成長分野への進出とのつながりは書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    愛媛県伊方町の地域産品としての特性を活かし、地区トップ企業として地域の雇用や経済を支える事業であることが具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

機械導入により生産能力・必要労働力・製造必要日数を大幅に改善できたため、今後はオペレーション面も見直し、1名体制での稼働を検討する。削減された2名の人員は新商品開発・販路開拓等の別部門の人員として活用する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。