ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

クエン酸発酵技術を応用した新規機能性果汁発酵品の開発

九州化工株式会社

この事例のポイント

  • 伝統的な固体培養法では原料が限定的で、既存商品の根本的な改質が難しかった。
  • クエン酸発酵技術を応用し、クエン酸の酸味と相性の良い果汁を使ってクエン酸発酵を行い、果汁本来の機能や風味を持つ新規機能性果汁発酵品の開発を目指して研究した。
  • 補助事業で開発した果汁発酵酸味液は実用化され、受託製造を行っている。

事業者のプロフィール

事業者名九州化工株式会社
所在地鹿児島県 鹿屋市
業種食料品製造業
従業員数63人
資本金6,200万円
設立1960年

事業の背景

当社は昭和35年の創業以来、さつまいも澱粉粕を原料とする固体培養法で食品添加物のクエン酸を製造しており、発酵から製造まで一貫して行う国内唯一の企業である。クエン酸製造の途中で得られる発酵物の機能を活かし、米飯や肉の改質剤として使う割合が増えてきており、この用途での商品化と売上増を目指していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術伝統的な固体培養法では原料が限定的で、既存商品の根本的な改質が難しかった。
  • 新製品・新技術固体培養法では新商品を開発するための発展性がなかった。

やったこと

クエン酸発酵技術を応用し、クエン酸の酸味と相性の良い果汁を使ってクエン酸発酵を行い、果汁本来の機能や風味を持つ新規機能性果汁発酵品の開発を目指して研究した。並行して製造試験やサンプル提供を行い、少量の本生産に十分足る果汁発酵設備を導入した。液体培養が可能になったことで、原料をある程度柔軟に選択でき、製造上の管理もしやすくなり、様々な発酵原料を導入できるようになった。

その他果汁発酵設備

新しい製品・サービス:果汁発酵酸味液(新規機能性果汁発酵品、食品改良剤)

事業の効果

補助事業で開発した果汁発酵酸味液は実用化され、受託製造を行っている。果汁発酵酸味液を原料に二次加工まで行い、顧客オリジナル製品として納品している。酸味液はコンビニや介護食などの分野で食品改良剤として利用され、年間約70トンを製造している。受注量は受注開始から現在まで減少したことがなく、供給は安定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    さつまいも澱粉粕によるクエン酸製造を基軸とし、昭和35年創業以来の固体培養技術を応用した果汁発酵品開発で、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    固体培養では原料が限定的で改質が難しいという課題認識はあるが、市場動向や競争優位性についての記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    固体培養の課題を明示し、液体培養で原料を柔軟に選べるようにした上で、年間約70トンの受託製造や商品化の方向性が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間約70トンの製造実績と受注量が減少したことがない点、現在の顧客への安定供給と受注量増加を目標にしている点が書かれている。

  • 事業を進める体制3

    開発メンバーや製造体制に触れる記述はあるが、人材や事務処理能力の具体的な内容は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    発酵酸味液はコンビニや介護食で食品改良剤として使われ、顧客オリジナル製品に加工して納品している点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    すいか、オリジナル、粉末化、酢酸発酵など今後の開発計画は示されているが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    果汁を使った液体培養によるクエン酸発酵品という分野で、同分野の普及度や高付加価値化に関する記述は限定的。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    廃水処理サービスによる地域企業との協力や地域振興への貢献が記載されているが、波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値は記載されておらず、費用対効果はうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    液体培養の導入で新たな発酵品を開発する点はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はわずか。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    発酵技術による果汁系の新分野進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島県鹿屋市の廃水処理サービスや地域企業との協力が書かれ、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在の顧客への安定供給と受注量の増加を目標とする。今後はぶどう以外の果汁(すいか、オレンジ、りんご、もも)での商品開発や、果汁以外の液体での試作、酸味液の粉末化商品の開発を検討する。液体培養による酢酸発酵やアルコール発酵、果物の色素を使った着色料の製造も視野に入れている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。