ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

亜臨界水処理技術を活用した新規健康飲料とキャラメル風味芋焼酎の開発

濵田酒造株式会社

成果機能性成分HMFの含有量 1倍→22倍

この事例のポイント

  • 今後、酒類市場は少子高齢化による飲酒人口減が予測されるため、酒類以外の技術を生かした食品の開発が重要な課題となっている。
  • 亜臨界水処理装置を用いてサツマイモペーストを処理し、芋甘酒風発酵健康飲料の製造条件を決定して試作した。
  • 機能性成分HMFの含有量 1倍→22倍。亜臨界水処理技術と発酵技術の組み合わせにより、機能性成分HMFの含有量が22倍に増加した健康飲料の試作に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名濵田酒造株式会社
所在地鹿児島県 いちき串木野市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数308人
資本金3,000万円
設立1951年

事業の背景

当社は明治元年(1868年)創業の本格焼酎メーカーで、伝兵衛蔵、傳藏院蔵、薩摩金山蔵の3つの蔵でそれぞれの特徴を生かした商品を販売している。酒類市場は少子高齢化による飲酒人口減が予測され、高齢化に伴い高血圧と関連疾病の医療費が増大している。また、発酵食品が見直され甘酒が人気となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑今後、酒類市場は少子高齢化による飲酒人口減が予測されるため、酒類以外の技術を生かした食品の開発が重要な課題となっている。
  • 新製品・新技術高齢化に伴い高血圧と関連疾病の医療費が増大しており、血圧降下作用のある健康飲料の需要に応える必要がある。
  • 新製品・新技術女性をターゲットとした従来にないキャラメル風味の芋焼酎を開発し、売り上げを拡大する必要がある。

やったこと

亜臨界水処理装置を用いてサツマイモペーストを処理し、芋甘酒風発酵健康飲料の製造条件を決定して試作した。原料は麹菌と酵母で製麹・発酵させ、もろみを蒸留して本格焼酎を製造する。成分分析の結果、各種アミノ酸、クエン酸、GABAなどの機能性成分に加え、亜臨界水処理によって機能性成分HMFの含有量が22倍に増加したことが分かった。また、亜臨界水処理技術を活用してキャラメルのような風味をもつ特徴的な酒質の芋焼酎の開発に成功した。キャラメル風味を付与した原料サツマイモを調製するため、加熱、加圧、検体流量などの処理条件の最適化を継続実施している。

その他亜臨界水処理装置

新しい製品・サービス:亜臨界水処理技術と発酵技術を組み合わせた新規健康飲料(芋甘酒風発酵健康飲料)と、キャラメル風味芋焼酎。

事業の効果

  • 機能性成分HMFの含有量 1倍→22倍

亜臨界水処理技術と発酵技術の組み合わせにより、機能性成分HMFの含有量が22倍に増加した健康飲料の試作に成功した。キャラメル風味の特徴的な酒質の芋焼酎も開発できた。健康飲料は機能性や風味が良好だが、売れる商品としての販売戦略の検討が必要である。焼酎は仕込み配合や蒸留方法の継続検証が必要である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業明治元年の焼酎メーカーで、バイオ技術を活かした新商品開発という一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    酒類市場の少子高齢化による飲酒人口減という外部環境と、バイオ技術を活かす自社の強みに触れているが、競争優位の具体的な説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    酒類市場の縮小という課題を認識し、健康飲料とキャラメル風味芋焼酎で売上拡大と高齢化対応を図るとしており、課題と解決策の対応が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上拡大や事業拡大を目指すと書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員308名・資本金3,000万円・蔵3つを持つと書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    HMFの含有量が22倍に増加、キャラメル風味の特徴的な酒質など、製品の価値と差別化点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の取り組みとして処理条件の最適化、販売戦略の検討、仕込み方法の検証が挙がるが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    亜臨界水処理とバイオ技術を組み合わせた、従来にないキャラメル風味芋焼酎や健康飲料という新規性が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    高血圧関連の医療費増という社会課題への対応と高齢化社会への貢献が示されているが、波及効果や雇用創出の数値はない。

  • 費用対効果2

    機能性成分HMFが22倍に増えたという成果は示されるが、補助金額に対する付加価値増や費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献3

    亜臨界水処理という新技術を発酵・製麹技術と組み合わせる点は示されるが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    健康飲料など酒類以外の食品分野への展開がうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島の日置・北薩エリアの酒造企業という地域性はうかがえるが、地域経済への波及効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

健康飲料は販売戦略を十分に検討する必要がある。焼酎は仕込み配合や仕込み方法、蒸留方法の詳細な継続検証を行う必要がある。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。