ものづくり補助金平成25年度製造業沖縄県

6次産業化における農産物加工の拡大

農業生産法人有限会社伊盛牧場

成果製造能力 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 生乳を卸すだけでは付加価値が取りにくく、6次産業化による収益力の強化が必要だった。
  • 製造機械の回転数の改善と従業員の負担解消のため、ものづくり補助金を活用して製造量の増加が見込める最新の製造機械を導入した。
  • 製造能力 1倍→2倍。導入した機械により、従来の機械に比べて製造能力が2倍になる生産能力が見込まれ、生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名農業生産法人有限会社伊盛牧場
所在地沖縄県 石垣市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数25人
資本金300万円
設立1993年

事業の背景

当社は1993年に和牛の生産から始め、その後乳牛に転換して酪農家として生乳を生産し、乳業メーカーに供給してきた。生乳の卸売だけでは事業の広がりに限界があったため、2009年に直売店を開店し、牧場直営のジェラートを加工・販売した。観光客にも地元客にも好評を得た。2015年に新石垣空港へ出店したことで需要がさらに増えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他生乳を卸すだけでは付加価値が取りにくく、6次産業化による収益力の強化が必要だった。
  • 生産能力直売店のジェラートが観光客や地元客に好評で、2015年の新石垣空港への出店後に需要が増え、想定していた製造量を大きく超えた。
  • 人手・技能製造機械の回転数が増えたことで残業が増え、従業員の負担が限界に近づいていた。

やったこと

製造機械の回転数の改善と従業員の負担解消のため、ものづくり補助金を活用して製造量の増加が見込める最新の製造機械を導入した。導入した機械は、原料殺菌機のパステライザーと、アイスクリーム製造機のアイスクリームフリーザーである。これにより製造工程を見直し、生産量の増加に対応できる体制を整えた。また、新商品の開発や消費者ニーズへの対応ができる製造工程の確立など、多くの改革を実行した。

  • 加工機パステライザー原料殺菌機アイスクリームフリーザーアイスクリーム製造機

事業の効果

  • 製造能力 1倍→2倍

導入した機械により、従来の機械に比べて製造能力が2倍になる生産能力が見込まれ、生産効率が向上した。製造従事時間が短縮され、従業員の肉体的・精神的な負担も軽減された。負担が減ったことで心にゆとりが生まれ、従業員が新商品開発に意欲的に取り組めるようになり、モチベーション向上にもつながった。これにより増産と付加価値向上を実現する体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1993年の和牛生産から酪農、2009年の直売店開設へと一貫して生乳供給から6次産業化を進めてきた経緯が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    牧場のイメージを活かした直営ジェラードが観光客と地元客に好評で、空港出店で需要が増えたことが書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    製造機械の回転数増加と残業増という課題を特定し、導入機械で生産を2倍に高める解決策を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    従来比2倍の生産能力が見込まれると書かれているが、付加価値や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員25人と記載されているのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な内容は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ジェラードのアイテム数は季節限定を含め約40種類で、観光客や地元客に選ばれている点が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    原料買い入れの増加、雇用増、量販店や海外への販売進出という方向性は示されているが、スケジュールや時期は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ジェラードの40種類という品ぞろえはうかがえるが、一般的な普及度や高価格化の水準を示す記述は見当たらない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    農産物の買い入れや従業員の雇用増など地域への波及がうかがえるが、国が補助する積極的な理由までは書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産能力が2倍になったと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面70%
  • 成長分野への進出3

    6次産業化の加速や海外輸出の構想が示され、農業者の事業転換の方向性は読み取れるが、市場成長分野への具体的な位置づけは薄い。

  • 地域経済への波及4

    石垣島の地理的条件やマンゴー、パイナップル、ミントなど地域の農産物を活かした6次化で、地域経済に貢献する事業がうかがえる。

今後の展望

供給体制が整ったことで業務拡大の構想が描けるようになり、6次産業化への取り組みを加速させたい。新商品の原料となる農産物の買い入れを増やし、製造販売の従業員を増やし、国内量販店への販売進出を目指す。さらに石垣島が海外に近い地理的条件を活かし、台湾・香港・上海などへの輸出も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。