ものづくり補助金平成25年度医療、福祉沖縄県

歯科技工のデジタル化と新素材を用いた安全で審美的な商品の開発

株式会社DENT-EASE(デンティース)

この事例のポイント

  • 歯科技工は患者ごとに手作業で義歯を造るため、効率化と品質の安定化が難しかった。
  • CAD/CAMを導入し、口腔内模型を3Dスキャナーで読み取ったデータをパソコン上でCAD設計し、そのデータを加工機(CAM)に転送して切削加工するという、設計から加工までの工程を…
  • 義歯の設計から加工までをデジタル化したことで作業効率が大幅に改善した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社DENT-EASE(デンティース)
所在地沖縄県 沖縄市
業種医療業
技術分野立体造形
従業員数6人
資本金1,000万円
設立2005年

事業の背景

歯科技工学校の入学者は30年前には全国で数千人いたが、一昨年は1000人を切り、今年は900人と若い担い手が減り続けている。歯科技工の分野では10年ほど前からデジタル技術が活用され、5年ほど前から急速に広まりつつある。当社は製法特許を取得したオリジナル入れ歯「クリスタルデンチャー」を主力とし、樹脂製の吸盤で吸着させる構造により軽量でフィット感が高い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力歯科技工は患者ごとに手作業で義歯を造るため、効率化と品質の安定化が難しかった。
  • 人手・技能歯科技工士の担い手が減り続けており、現在は7割以上が50代で、アナログからデジタルへの移行が課題となっていた。
  • 新製品・新技術手作業では加工できない新しい素材が次々に開発されており、その素材を使った商品の開発が必要だった。

やったこと

CAD/CAMを導入し、口腔内模型を3Dスキャナーで読み取ったデータをパソコン上でCAD設計し、そのデータを加工機(CAM)に転送して切削加工するという、設計から加工までの工程をデジタル化した。CAM加工に最適な支台歯の形をシミュレーションし、3種類のサンプルを試作して歯科医に適合性と審美性の確認を依頼し、丸みのある支台歯が最もよくフィットすることを確認した。CAMで加工した義歯の強度と安全性の確認試験は沖縄県工業技術センターに依頼して実施した。半焼結の素材を完全焼結するジルコニア焼結専用ファーネスと、色づけやコーティングをするポーセレンファーネスを導入し、燃焼データもデジタル保存して品質管理できるようにした。

ソフトCAD/CAMシステム
検査測定3Dスキャナー
加工機切削加工機(CAM)
その他ジルコニア焼結専用ファーネス
その他ポーセレンファーネス

新しい製品・サービス:工場で圧縮加工済みのハイブリッドとジルコニアを素材に用いた義歯

事業の効果

義歯の設計から加工までをデジタル化したことで作業効率が大幅に改善した。切削加工の品質が安定し、製品の品質が向上した。従来のアナログ方式では使えなかった圧縮加工済み素材を使えるようになり、提供できる義歯の幅が広がって多くの患者に喜ばれている。燃焼データもデジタル保存でき、データによる品質管理が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例はデジタル化による義歯製作の効率化と新素材導入を述べるが、経営戦略上の位置づけや過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許取得のクリスタルデンチャーの特徴や、沖縄県内で未使用の素材で差別化する方針が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    歯科技工士の減少(学校入学者が数千人から900人)と手作業の限界という課題を示し、CAD/CAM導入で解決する流れが読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、作業効率の改善が大幅とあるのみで数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員6人、沖縄県工業技術センターへの強度試験依頼など外部連携は読み取れるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽量でフィット感が高く食べかすが入りにくい、メタルフリーでアレルギーがないなど、顧客価値と選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋3

    試作3種類と歯科医への適合性確認、強度試験の段取りは書かれるが、中長期のスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    手作業では加工できない素材の導入や、ハイブリッド・ジルコニアの活用で提供できる義歯の幅を広げたと具体的に述べている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    歯科技工士の担い手減少という社会課題に触れるが、波及効果や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果2

    作業効率の大幅改善と品質安定化は書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナー、CAD、CAMによる設計から加工までのデジタル化で、業界の工程に新しい仕組みを導入している。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    デジタル技術による歯科技工の効率化は述べられるが、日本経済の構造転換への言及はうかがえる程度。

  • 地域経済への波及3

    沖縄県内での差別化や地域の技工士環境改善に触れるが、地域経済の成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新しい素材を積極的に取り入れて差別化を図り、メタルフリーでアレルギーがなく保険が適用できる商品を提供していきたい。技工士の環境改善にも取り組みながら、デジタル技術とITを積極的に導入して効率化をさらに進めたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。