ものづくり補助金平成26年度医療、福祉石川県

光学画像デ-タを活用したダイレクト工法による歯科補綴物の製造技術開発

株式会社金沢歯科技研

この事例のポイント

  • 歯科医院では治療時間の短縮と、加工精度に優れて調整の少ない補綴物が求められているが、CAD/CAMによる補綴物作製は手作業による修正が必要である。
  • 歯科補綴物の製作に最も適した口腔内光学カメラを選定し、操作法と撮影技法を習得したうえで口腔内データを採得した。
  • 高精度光学カメラによる画像データの撮影だけで済むため、従来法で行っていた歯型採りとかみ合わせ採得が不要になり、製作工程の削減、製作時間の短縮、患者の身体的・心理的負担の軽減が実証…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社金沢歯科技研
所在地石川県 金沢市
業種医療業
技術分野情報処理,立体造形
従業員数26人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

歯科医院では、治療時間が短く患者の負担が少なく、加工精度に優れて調整の少ない歯科補綴物が望まれている。CAD/CAMによる補綴物作製は一部の技工所で行われているが、手作業による修正の必要と高額な投資のため普及率は低い。歯科医院の治療期間はCAD/CAM導入後も変わっていない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度歯科医院では治療時間の短縮と、加工精度に優れて調整の少ない補綴物が求められているが、CAD/CAMによる補綴物作製は手作業による修正が必要である。
  • コスト・採算CAD/CAMは導入費用が高額なため普及率が低い。
  • 生産能力CAD/CAMを導入しても歯科医院での治療期間は依然として変わらない。

やったこと

歯科補綴物の製作に最も適した口腔内光学カメラを選定し、操作法と撮影技法を習得したうえで口腔内データを採得した。採得したデータをCAD/CAMで歯の造形デザインし、製品となるPMMAハイブリッド硬質樹脂の表面性、形態再現性、適合性などを改善するため切削加工技術の向上を図った。これらの技術をもとに、実際の患者データに基づくプロトタイプと試作品を製作した。プロトタイプでの確認を経て、臨床試作品を製造し、212件の歯科医療機関で口腔内装着時間、かみ合わせ状態、隣接歯接触状態、適合性の4項目について調査した。

検査測定口腔内光学カメラ
ソフトCADソフトウェア
加工機CAM加工機

新しい製品・サービス:光学画像データを活用したダイレクト工法による歯科補綴物

事業の効果

高精度光学カメラによる画像データの撮影だけで済むため、従来法で行っていた歯型採りとかみ合わせ採得が不要になり、製作工程の削減、製作時間の短縮、患者の身体的・心理的負担の軽減が実証された。口腔内データをCADソフトで扱うことで、蠟形による歯の形態回復作業が不要になり、埋没・焼却・鋳造作業も不要となった。切削加工の後に研磨・仕上げを行えるため、従来法に比べて重量、工程、患者負担、作業時間が削減された。協力した歯科医院からも効果について高い評価を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の補綴物製作の課題を述べ、CAD/CAM活用の取組を延長する形で光学画像データ活用に取り組んだと読めるが、過去の取組との連続性を示す具体的な記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    普及率の低さや歯科医院の治療期間が変わらない現状という外部環境は書かれているが、自社の経営資源の強みや競合との差別化は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    歯科医院の治療時間短縮や手作業修正の必要性など課題が明確に認識され、型採り不要化による工程削減と時間短縮という解決策が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    工程削減や時間短縮の方向性は書かれているが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    従業員数26人と記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はほとんどない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    歯科医院からの要望(調整の少ない補綴物、治療時間短縮)と、212件の医療機関調査による評価が示され、ターゲットとニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋4

    試作開発の段階(口腔内カメラ選定、PMMA切削技術向上、臨床試作品の製造と212件調査)が順を追って記載され、遂行方法が明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来のCAD/CAMは普及率が低いと書かれ、光学データ活用による型採り不要の工法は同分野で高付加価値化を図る取組と読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    歯科医療の利便性や患者負担軽減が述べられるが、波及効果や新規雇用、社会インフラへの効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    製作工程削減、製作時間短縮、患者負担軽減が示されるが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    口腔内光学データとCAD/CAMを組み合わせた新工法が示され、デジタル技術の活用は読み取れるが、地域やサプライチェーンへの貢献は記載が薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    CAD/CAMなどデジタル化による歯科医療分野の変革はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。