新規CAD/CAMシステム導入による、歯科技工物製作の非対面化と高精度・高効率化

奈良県の歯科技工事業者が、ものづくり補助金でCADやCAMのシステムを導入し、非対面で全国へ受注を広げた採択事例です。

株式会社スカイテックスラボラトリー

この事例のポイント

  • 歯科業界のデジタル化が進むなかで、光学印象とCAD/CAMを使った非対面式の製作プロセスに対応する必要がありました。
  • 歯科技工物製作システム一式を更新し、より高精度で高効率な加工・製作ができる環境を整えました。
  • 非対面式の受注体制により営業範囲を奈良県内から全国へ広げることができました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社スカイテックスラボラトリー
所在地奈良県 奈良県大和郡山市
業種医療業
技術分野情報処理,精密加工
設立2014年

事業の背景

当社は2014年に創業し、奈良県内の歯科医・歯科技工所を顧客に歯科技工物を製作してきました。歯科業界では技術革新が進み、患者の口内を専用スキャナーで読み取る光学印象が普及して、模型を作らずに設計や加工まで行える流れになっています。

近年は感染症への接触機会を減らすため非対面式の製作プロセスの需要が全国で広がっていました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術歯科業界のデジタル化が進むなかで、光学印象とCAD/CAMを使った非対面式の製作プロセスに対応する必要がありました。
  • 集客・繁閑非対面式の需要は全国で拡大していましたが、当社の営業範囲は奈良県内が中心でした。
  • 生産能力保険範囲の拡大や高審美性ジルコニアなどで高度な設備と加工技術の需要が高まると見込まれ、受注体制の強化が必要でした。

やったこと

歯科技工物製作システム一式を更新し、より高精度で高効率な加工・製作ができる環境を整えました。導入した設備はスキャナーのMEDIT T500(GOLD)、CAD・スキャナーのDENTSPLY inEosX5、CAM機のMAXX DS200-4WXとMAXX DS200-5Z、ジルコニア用焼成炉のDUOTRON PRO S-600です。

スキャナーデータによる受注を前提とし、製作物は配送業者を使って全国へ届ける体制にしました。これにより取扱い金属素材を拡大してチタンも扱えるようにし、製作リードタイムと修正工程を削減しました。

HPやSNSを通じて全国の歯科医や歯科技工士へ営業を行う窓口も整えました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

非対面式の受注体制により営業範囲を奈良県内から全国へ広げることができました。取扱い金属素材の拡大により、チタンを含む製品を扱えるようになりました。

製作リードタイムは最大3割減り、修正工程も削減できました。さらに受注できる最大数が約1.5〜2倍に広がり、同業他社に先駆けて受注体制を強化できました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性奈良県内で数少ない非対面式体制を持ち、スキャナーデータ受注で全国の歯科医・技工所へ営業範囲を広げる強みが示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け高精度・低価格・短納期・非対面式を掲げ、全国の歯科医や技工所への発信とSNS活用で顧客ターゲットが明確になっている。
  • 4
    新しさ・高付加価値CAD/CAM冠やチタン、高審美ジルコニアなど高度な加工を扱い、同業他社に先駆けて受注体制を強化する点が読み取れる。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標製作リードタイム最大3割減や受注キャパシティ1.5~2倍の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    2014年創業以来の歯科技工事業を土台に、非対面式の事業体制へ転換し、過去の取組と一貫した流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    奈良県内で数少ない非対面式体制を持ち、スキャナーデータ受注で全国の歯科医・技工所へ営業範囲を広げる強みが示されている。

  • 課題の認識と解決3

    従来の型採り工程や模型輸送が課題とされ、光学印象とデータ化による非対面化で解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    製作リードタイム最大3割減や受注キャパシティ1.5~2倍の数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    補助事業を遂行する人材や事務処理体制について、具体的な記述がほぼ見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高精度・低価格・短納期・非対面式を掲げ、全国の歯科医や技工所への発信とSNS活用で顧客ターゲットが明確になっている。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と導入後の受注拡大は書かれているが、遂行スケジュールや中長期の課題検証は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    CAD/CAM冠やチタン、高審美ジルコニアなど高度な加工を扱い、同業他社に先駆けて受注体制を強化する点が読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    感染症への接触機会を減らす非対面式の需要が全国で拡大しており、社会的な必要性があると読み取れる。

  • 費用対効果2

    キャパシティ1.5~2倍の拡大は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    光学印象とデータ化による非対面受注で、歯科技工の製作プロセスを変え、全国の歯科医や技工所の業務に貢献し得る。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    歯科業界のデジタル化の流れに合わせて製作プロセスを転換しており、成長分野への進出として読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    奈良県内の事業者だが、地域の雇用創出や地域経済成長への波及は事例に書かれていない。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。