ものづくり補助金平成26年度製造業北海道

エゾ鹿エキスの海外需要拡大に向けた機能性健康食品素材の開発に関する設備投資事業

日中物産白糠工場株式会社

成果ペプチドと28種のアミノ酸を含む機能性パウダー素材が完成した

この事例のポイント

  • 過去に例のないエゾシカ成分の健康食品原料であり、製品化や事業化は自社で開発・検証しなければならなかった。
  • 北海道立総合研究所食品加工研究センターと共同で、酵素分解条件を最適化し、コスト低減と量産化の見通しを立てた。
  • ペプチドと28種のアミノ酸を含む機能性パウダー素材が完成した。酵素分解によるペプチド化の条件を最適化し、コスト低減と量産化の見通しを立てた。

事業者のプロフィール

事業者名日中物産白糠工場株式会社
所在地北海道 白糠町
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
資本金2,000万円
設立1994年

事業の背景

白糠町はエゾシカの駆除数が多く、食害への対策として資源化にも前向きである。同社は2013年に釧路工業団地内で工場を開設し、エゾシカ肉処理事業と、エゾシカ由来成分入り健康ドリンク「えぞ鹿の宝」の製造を主に行ってきた。新鮮なシカ肉はHPやショッピングサイトで好評を得ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力過去に例のないエゾシカ成分の健康食品原料であり、製品化や事業化は自社で開発・検証しなければならなかった。
  • 品質・精度分解エキスを安定した品質で流通させるため、粉末加工が必要だった。
  • コスト・採算酵素分解の条件が定まらず、コスト低減と量産化の見通しが立っていなかった。

やったこと

北海道立総合研究所食品加工研究センターと共同で、酵素分解条件を最適化し、コスト低減と量産化の見通しを立てた。流通に適したパウダー加工のため、研究開発用の小型スプレードライヤーを導入し、自社ラインで製造検証とデータ蓄積を行った。その結果、試作品が完成した。2018年にサプリメントとして発売する予定である。

新しい製品・サービス:エゾシカ肉由来のペプチドと28種のアミノ酸を含む機能性パウダー素材(サプリメント)

事業の効果

  • ペプチドと28種のアミノ酸を含む機能性パウダー素材が完成した

酵素分解によるペプチド化の条件を最適化し、コスト低減と量産化の見通しを立てた。小型スプレードライヤーの導入により、分解エキスを粉末化し、品質保持期間も確保できた。試作品が完成し、2017年中のサプリメント製品化に向けて準備を進めている。この原料により、健康食品や化粧品などへの活用を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    2013年の工場設立以来のエゾシカ肉処理と健康ドリンク製造の延長線上に、ペプチド粉末化の設備投資が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    HACCP取得済みの食肉加工場と、ペプチドと28種のアミノ酸を含む独自の酵素分解技術を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決4

    流通や品質保持の課題を粉末化で解決し、2018年のサプリメント発売を見据えた製品化計画になっている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製品化時期は示されているが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず、コスト低減も定量的ではない。

  • 事業を進める体制3

    道立研究所の食品加工センターと共同で研究した経緯はあるが、社内の人員や事務体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    健康成分の吸収率や日本と中国への販売提案は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    2017年中の製品化と2018年の発売予定など時期は示されているが、課題解決の方法は酵素分解条件の最適化など概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    過去に例のないエゾシカ成分の粉末化で、健康食品原料として高付加価値化を図る取組であることが示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    エゾシカによる農業被害が年に数十億円に及ぶ地域課題に対し、駆除シカの資源化で解決を図る取組である。

  • 費用対効果2

    補助金額と付加価値額の増加や生産性向上の関係を示す数値は書かれておらず、費用対効果はうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい製品開発や化粧品への展開は触れられているが、先端的なデジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    中国への輸出や化粧品事業への展開が語られているが、市場成長分野への進出が構造転換に資する点は具体的に示されていない。

  • 地域経済への波及4

    北海道のエゾシカ資源を活かし、町と連携して製品化や観光資源化を進め、地域の雇用や経済成長に貢献する構想がある。

今後の展望

2018年にサプリメントとして発売予定で、日本だけでなく中国への販売も目指している。今後は量産化に向けた技術開発を続け、化粧品なども視野に入れている。

事業者の声

中国では古来から医食同源が浸透しています。中でも梅花鹿は "薬鹿" と呼ばれ、強壮のための貴重な漢方原料として用いられてきました。このシカがエゾシカと同種だと知り、エゾシカの成分に着目したのです

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。