ものづくり補助金平成26年度製造業青森県

抗菌性と耐久性に優れた高機能性複合めっき技術の開発

株式会社コーア

この事例のポイント

  • 大手企業の海外展開などの影響で国内のめっき製品や部品が減り、当社のめっき加工の生産量も減少傾向にある。
  • 株式会社神戸製鋼所とライセンス契約を結び、抗菌めっきの基本技術を習得した。
  • 各種評価試験で、膜厚測定、テープ密着試験、外観検査のすべてに問題がなく、耐酸性と耐アルカリ性の薬品耐性を持つことが確かめられた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社コーア
所在地青森県 弘前市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境,表面処理
従業員数30人
資本金1,400万円
設立1999年

事業の背景

当社は精密切削加工とニッケル・金めっきを主力とし、OA機器用シャフト部品や医療処置具用部品を手がけている。平成26年には無電解複合めっきの高耐久性技術と装置を開発し、特許出願を3件行った。最近は医療福祉・食品加工分野の部品や部材の受注が増えているが、国内のめっき加工生産量は減少傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑大手企業の海外展開などの影響で国内のめっき製品や部品が減り、当社のめっき加工の生産量も減少傾向にある。
  • 新製品・新技術医療福祉・食品加工分野の部品では薬品で洗浄されるため薬品耐久性と抗菌性を備えためっきへの要望が多いが、そうした技術が当社にはなかった。

やったこと

株式会社神戸製鋼所とライセンス契約を結び、抗菌めっきの基本技術を習得した。鉄・ステンレス機材に対する最適な工程と調整法を確立し、抗菌めっきの薬品耐性を検証した。抗菌めっき技術に当社独自の高耐久性めっき技術を応用して高機能性複合めっき技術を確立した。抗菌めっき用装置で最も効率の良い処理条件と管理方法を検討し、大量生産システムを構築した。この技術で計量カップ、トレー、スプーンの抗菌・高耐久製品を試作し、抗菌性試験用装置で試作品の抗菌性を評価した。

その他抗菌めっき用装置
その他高圧蒸気滅菌器
その他低温培地類保管庫
その他バイオセーフティキャビネット

新しい製品・サービス:抗菌・高機能性複合めっきを施した計量カップ、トレー、スプーン

事業の効果

各種評価試験で、膜厚測定、テープ密着試験、外観検査のすべてに問題がなく、耐酸性と耐アルカリ性の薬品耐性を持つことが確かめられた。抗菌めっきのみと比べて硬度が高く、耐摩耗性と潤滑性にも優れていた。非抗菌めっきと比べて抗菌めっき試作製品は極めて良好な抗菌性を示した。大量生産システムの構築により生産性の向上も見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の高耐久めっき技術と特許3件を基に抗菌めっきへ展開する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療福祉・食品加工分野で薬品耐久性と抗菌性への要望が増えている市場動向と、独自の高耐久めっき技術が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    めっき加工生産量の減少という課題を示し、抗菌高耐久めっきによる新規ビジネス創出という解決策を具体的に記載している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    市場規模の数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の判断材料が乏しい。

  • 事業を進める体制3

    従業員30名、NC旋盤・マシニングセンター等の設備保有と一貫加工体制は書かれているが、補助事業を担う人材や事務体制は具体的でない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    計量カップ・トレー・スプーンなど製品を特定し、薬品耐性・抗菌性の評価結果を示して選ばれる理由を整理している。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備、技術確立、大量生産システム構築という工程は示されているが、スケジュールや期間の記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    抗菌加工製品市場は約1兆円規模と示され、一般家庭向けの分野拡大を狙うなど、新分野への進出が明確である。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    医療福祉・食品加工・農業分野での衛生需要や地域の雇用に触れているが、波及効果の定量的説明は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果はうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    抗菌めっきという新技術の開発は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献については触れられていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    抗菌加工製品の市場拡大に言及しており、成長分野への進出はうかがえるが、構造転換との関係は述べられていない。

  • 地域経済への波及2

    青森県弘前市の企業であることは分かるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述はわずかである。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

抗菌加工製品の市場は平成8年の6,092億円から平成15年の8,603億円へ7年間で約1.4倍に拡大し、現在は年間約1兆円規模と言われて増加傾向にある。今後は医療福祉、食品加工、農業関連分野に加え、バス・トイレ用品、インテリア用品、日用品、衣料品などの一般家庭向け市場での販売を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。