ものづくり補助金平成26年度製造業青森県

陸奥湾産ホタテの未利用部位を活用した商品の生産性向上及び新市場開拓

有限会社アラコウ水産

成果原料の加工量 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 一般消費者向けに販路を広げるには価格が重要な選択要素になるため、コスト削減が必須だった。
  • 原材料の加工工程の一部を手作業から機械による自動化に切り替えた。
  • 原料の加工量 1倍→3倍。ホタテヒモ取り機とホタテワタ取り機の導入により、原料の加工量は従来の3倍以上になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社アラコウ水産
所在地青森県 平内町
業種食料品製造業
従業員数26人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

弊社は養殖ホタテの水揚げ日本一の平内町で、ホタテ・ナマコの食品加工を行い、活ホタテやボイルホタテ等の一次加工を手がけてきた。近年は、これまで廃棄されていたホタテのヒモを活用した加工食品「カリポリ貝ひも」を開発し、観光土産品として販売している。今後はスーパーやコンビニで一般消費者向けに販売する計画だが、観光土産品は非日常の購買のため高めの価格でも受け入れられていたのに対し、一般向けでは価格が購買の重要な要素となる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算一般消費者向けに販路を広げるには価格が重要な選択要素になるため、コスト削減が必須だった。
  • 生産能力一般消費者向けの販売に対応するため、量産体制を構築する必要があった。
  • 人手・技能原材料の加工工程の一部が手作業に頼っており、機械化が求められていた。

やったこと

原材料の加工工程の一部を手作業から機械による自動化に切り替えた。ホタテヒモ取り機とホタテワタ取り機を導入し、ウロや卵を手間をかけずに除去してヒモを取り出せるようにした。ヒモに付いたワタは、ワタ取り機と連結することで除去できる。揚げ工程では連続フライヤーを導入し、温度・揚げ時間・コンベア速度を簡単に制御でき、自動カス取り装置も備えて大量に揚げられるようにした。包装は従来の化粧箱から窒素ガス充填アルミフィルムへ変更し、真空脱気ガス充填ロータリーヒートシール機で真空脱気とガス充填を一台で行えるようにした。乾燥には、火気や薬品を使わない電気式ヒートポンプの除湿機を導入した。

加工機連続フライヤー
加工機ホタテヒモ取り機
加工機ホタテワタ取り機
加工機真空脱気ガス充填ロータリーヒートシール機
その他除湿機

新しい製品・サービス:カリポリ貝ひも

事業の効果

  • 原料の加工量 1倍→3倍

ホタテヒモ取り機とホタテワタ取り機の導入により、原料の加工量は従来の3倍以上になった。除湿機の導入により乾燥が天候に左右されず安定して行えるようになった。従来は油切りに2日かかっていたが、連続フライヤーと真空脱気ガス充填ロータリーヒートシール機の導入で、揚げから包装まで即日中に行えるようになった。これにより生産性が向上し、揚げたての風味を保った製品の量産体制が構築された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の観光土産品「カリポリ貝ひも」を一般消費者向けに広げる計画で、過去の一次加工の延長として位置付けられる。ただし経営戦略上の明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    一般消費者向けは価格が重要と課題認識があり、コスト削減が必須とされる。ただし自社の強みを競争優位として具体的に示す記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    価格と量産体制の課題を認識し、機械化と窒素ガス充填包装で対応する。成果として加工量3倍以上、油切り2日から即日包装が示される。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    加工量3倍以上などの成果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の数値も読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員26名の企業概要と導入設備の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ヒモを活用したスナック・おつまみ要素の商品性と、スーパーやコンビニ販売の計画は読み取れるが、顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    県内スーパー・コンビニへの商談、県外・都心部への進出という段階的な展開は示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ホタテのヒモを活用した加工食品で一般的な普及度は示されないが、高付加価値化の具体的な水準は読み取れない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    廃棄されていたホタテのヒモを有効活用する点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出に関する記述は少ない。

  • 費用対効果3

    加工量3倍以上、即日包装という生産性向上が示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    連続フライヤーや真空脱気ガス充填機など設備の自動化は示されるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献の記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    平内町で養殖ホタテの水揚げ日本一の地域特性を活かし、未利用部位を商品化する点が明示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

一般消費者向け商品はコスト削減を検討しつつ改良を進める。販売先は県内のスーパーやコンビニを対象に商談を行い、弊社のブランド化を図る。今後は商談会への参加などで販路を広げ、県内から県外、さらに都心部への進出を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。