ものづくり補助金平成26年度製造業青森県

異物除去ラインの生産性向上と検品作業の省人化による、異物ゼロ製品の量産化

有限会社 渡辺水産

この事例のポイント

  • 陸奥湾産帆立貝を原料とした冷凍ベビーほたての製造で異物(貝殻片)の混入が課題となっていた。既存のX線異物検査装置は性能に限界があり、大きい貝殻を検出できなかった。
  • 本事業で新型のX線異物検査装置を導入し、貝殻除去ラインを構築した。
  • 異物混入率は補助事業前の旧型X線装置使用時から大幅に改善し、おおよそ0に近い数値まで向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 渡辺水産
所在地青森県 むつ市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数32人
資本金1,000万円
設立1998年

事業の背景

当社は陸奥湾産帆立貝を原料とした「冷凍ベビーほたて」を製造・販売しており、イカの塩辛や焼きあたりめなどの水産加工品も手がけている。製品に混入する貝殻片が課題で、これまでX線異物検査装置を導入して対応してきた。ただし装置の性能と検出感度には限界があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度陸奥湾産帆立貝を原料とした冷凍ベビーほたての製造で異物(貝殻片)の混入が課題となっていた。既存のX線異物検査装置は性能に限界があり、大きい貝殻を検出できなかった。
  • 品質・精度既存のX線異物検査装置は検出感度に比例して誤検出も増えていた。
  • 生産能力ウロ除去工程中に貝殻除去も行う兼務作業だったため、仕掛品の滞留が生じ生産性が低下していた。
  • 人手・技能作業員による品質のばらつきがあり、異物ゼロの量産化ができなかった。

やったこと

本事業で新型のX線異物検査装置を導入し、貝殻除去ラインを構築した。新型装置では、これまでのX線異物検査装置では検出できなかった大きさの貝殻片も検出できるようになった。誤検出が減り、ほぼ100%に近い確率で貝殻片を排除できることが実証された。さらに作業員を丁寧に指導し、異物除去率の一層の向上を目指した。

検査測定新型X線異物検査装置

事業の効果

異物混入率は補助事業前の旧型X線装置使用時から大幅に改善し、おおよそ0に近い数値まで向上した。これまで検出できなかった異物も検出できるようになり、誤検出も激減した。ウロ取り作業者を専任化したことで貝殻除去作業は異物除去ラインのみで対応でき、作業効率が大幅に改善した。その結果、異物除去作業の省人化と異物ゼロ製品の量産体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    ほたて製品の異物混入が課題とされ、X線異物検査装置の導入で対応してきた経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    異物混入がない付加価値をアピールする方針や輸出への挑戦は語られるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ウロ取り作業との兼務による生産性低下を課題として認識し、作業者専任化と貝殻除去ラインの構築で解決を図っている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    異物混入率が0に近づいたと述べられるが、付加価値額や賃上げの目標値、数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    ベトナムから実習生15名を受け入れ、事前に日本語を教えていると述べられ、人材の確保体制は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    異物混入がない製品という付加価値と、貝殻片を使わないユーザーへの市場拡大という狙いは読めるが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として2次加工品の生産体制強化や輸出への取組が挙げられるが、スケジュールや遂行方法の記載はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    異物混入ゼロの冷凍ベビーほたてという差別化が示されるが、普及度や高価格化の数値は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域への波及効果として新規採用や設備投資、地域経済への効果への期待が述べられるが、定量的な根拠は薄い。

  • 費用対効果3

    X線装置の誤検出減少やウロ取り作業の専任化による効率改善は語られるが、投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    X線異物検査装置の新型導入はうかがえるが、先端デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    青森県むつ市の水産加工で地域の帆立を原料とし、地域経済への効果や雇用への期待が述べられている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

異物混入がない付加価値を前面に出し、「冷凍ベビーほたて」を使用していないユーザーへの市場拡大と既存ユーザーの信頼回復を図る。貝殻片のない自社原料を使った2次加工品の生産体制を強化し、貝殻検品工程を省くことでコスト低下と生産性向上を見込む。海外輸出では水産商社等と協力して2次加工品の輸出に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。