ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

商品開発のための分析システム導入と急冷による酒質の向上

有限会社大沼酒造店

成果従来は数日を要していた冷却が、急冷装置の導入後は3時間に大幅短縮された。

この事例のポイント

  • 従来の清酒は辛口が中心で、特に年配の男性に支持されてきたが、消費者の好みが甘口・辛口・低アルコールなどに分かれてきた。
  • 目標は濃厚で甘口かつ後味のキレのよい清酒とした。
  • 従来は数日を要していた冷却が、急冷装置の導入後は3時間に大幅短縮された。急冷装置の導入により、従来数日かかっていた清酒の冷却が3時間に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大沼酒造店
所在地宮城県 村田町
業種食料品製造業
技術分野バイオ,立体造形
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1967年

事業の背景

宮城県産米にこだわり、丁寧で地元に根ざした酒造りを行う蔵元である。当社の清酒は「辛口」のイメージが強く、特に年配の男性から支持されてきた。近年は消費者が甘い・辛い・低アルコールなど自分好みの清酒を選んで楽しむようになり、各蔵元も消費者の好みに応じた製造方法を考慮せざるを得なくなった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能従来の清酒は辛口が中心で、特に年配の男性に支持されてきたが、消費者の好みが甘口・辛口・低アルコールなどに分かれてきた。
  • 新製品・新技術幅広い年代のユーザーを獲得し新しい市場を開拓するため、甘味を活かした新商品の開発が必要だった。
  • 品質・精度タンク火入れ後の清酒の冷却に数日を要しており、酒質の安定化が課題だった。

やったこと

目標は濃厚で甘口かつ後味のキレのよい清酒とした。まずアルコール・総酸・アミノ酸の分析システムを導入し、精密な分析データをもとに試験醸造を行った。並行して宮城県産業技術総合センターから技術指導を受け、目標の酒質に近づけた。試作酒は販売店にサンプルとして配布し、消費者アンケートで価格・容量・甘さ・アルコール度数などを調査した。あわせて、タンク貯蔵の清酒に用いる急冷装置を導入した。

検査測定分析システム(アルコール・総酸・アミノ酸分析)
その他急冷装置(タンク貯蔵清酒用)

新しい製品・サービス:「HEAVEN & EARTH」(宮城県産ササニシキを使用した新しい味わいの清酒)

事業の効果

  • 従来は数日を要していた冷却が、急冷装置の導入後は3時間に大幅短縮された。

急冷装置の導入により、従来数日かかっていた清酒の冷却が3時間に短縮された。これに加えて清酒本来のうま味を削いでしまう活性炭工程を軽減でき、品質が向上した。新商品「HEAVEN & EARTH」は市場に出て順調に売れており、2期目の醸造では仕込量を300kgに増やして約2,500本を販売した。消費者アンケートでは約8割から「飲みやすい」「すっきりした甘さでおいしい」という高い評価を得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は辛口中心だったが、甘口志向の消費者増加を受け新商品を開発したと書かれ、既存の辛口イメージとの一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的でない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    消費者は甘い・辛い・低アルコールなど好みで選ぶ傾向と、宮城県産ササニシキという自社の強みが示され、外部環境と経営資源を踏まえた内容がうかがえる。

  • 課題の認識と解決4

    急冷に数日かかっていた課題を3時間に短縮し、活性炭工程も軽減したと具体的な数字で示され、課題認識と解決の方向は読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2期目は仕込量を300kgに増やし720ml約2,500本を販売したと数字で示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人の小規模蔵元で、分析器導入と技術指導を受けたとあるが、事業遂行体制の詳細は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    消費者アンケートで約8割から「飲みやすい」「すっきりした甘さでおいしい」との評価を得た点から、ニーズの裏付けと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    サブ商品としての位置付けと、仕込量を少しずつ増やす計画が書かれており、スケジュールや課題解決の方法は概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    これまでになかった甘口で後味のキレがよい清酒として、宮城県産ササニシキを用いた新しい味わいの開発と書かれ、新市場性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元の宮城県産米にこだわる酒造りと宮城県酒造組合の関与が書かれ、地域性はうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    短期間で設備を整え、冷却時間を数日から3時間に短縮した効果が書かれ、費用対効果の一端はうかがえるが、金額対比の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    分析器と急冷装置の導入は書かれるが、先端的デジタル技術や新しいビジネスモデルの構築は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    宮城県産ササニシキと県産米にこだわる地元の酒造りが書かれ、地域の特性を活かしている点は読み取れるが、雇用や地域成長への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新商品は主力商品とのバランスを考慮しサブ的な位置付けとし、仕込量を少しずつ増やしていく。導入した分析器と急冷装置をさらに活用して酒質を向上させ、新たなニーズを掘り起こしながら販売拡大を狙う。

  • 目標:2期目の醸造では仕込量を300kgに増やし、720ml・約2,500本を販売した。

事業者の声

今回、こういう機会を得て短期間で設備機器を整えられたことによって、お酒のクオリティを上げられたのはもちろん、新商品開発という新たな分野にもチャレンジでき、新しい層の消費者獲得にも手応えを感じています。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。