ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業岩手県

3Dスキャナー及びマルチコプター導入による取引先拡大・安定性向上

株式会社 一測設計

この事例のポイント

  • 東日本大震災の復旧業務では従前の測量機器を使い、危険作業を伴うことが多く作業効率も悪かったため、作業完了までに多くの時間を要していた。
  • 従業員の安全確保と作業効率向上のため、3次元レーザースキャナーとマルチコプターを導入した。
  • 3次元レーザースキャナーとマルチコプターの導入により、危険箇所に人が立ち入らずに調査・測量できるようになり、従業員の安全性と作業効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 一測設計
所在地岩手県 一関市
業種技術サービス業
従業員数70人
資本金3,000万円
設立1976年

事業の背景

当社は創業40年を迎える測量・建設総合コンサルタント会社で、公共測量を中心に実績を積み重ねてきた。GNSSなどの最新装置をいち早く導入し、精度の高い位置情報を提供してきた。国土交通省東北地方整備局は地域企業を対象に、情報通信技術(ICT)を活用した工事を数多く発注しており、調査から維持管理までの全プロセスで3次元データの作成を求めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力東日本大震災の復旧業務では従前の測量機器を使い、危険作業を伴うことが多く作業効率も悪かったため、作業完了までに多くの時間を要していた。
  • 人手・技能従業員の安全を確保しながら業務を効率化するため、危険箇所を踏査せずに調査・測量できる体制が必要だった。
  • 新製品・新技術土木工事で調査から検査までの全工程に3次元データの作成が求められる中、3次元スキャナーや無人航空機を揃える必要があった。

やったこと

従業員の安全確保と作業効率向上のため、3次元レーザースキャナーとマルチコプターを導入した。新規導入の3次元レーザースキャナーは測定範囲が広く、最大330m離れた対象物を画像として取り込め、直射日光下や明暗差の大きい場所でも詳細で自然な色合いの画像化が可能である。連続使用時間は4.5時間で携帯性にも優れている。マルチコプターは、モーターアームを折りたためるため大型機並みの性能を持ちながら移動時はコンパクトに格納でき、回転翼が複数ある無線操縦の無人航空機としてカメラの搭載も可能である。飛行時は操縦者のほか保安員を配置し、機体の安全確認と飛行プログラムの確認を行う。既存の高精度GPS移動計測装置と組み合わせて3次元データを作成する。

検査測定3次元レーザースキャナー
ロボットマルチコプター

新しい製品・サービス:3次元レーザースキャナーとマルチコプターを用いた3次元データ化による高品質な情報提供

事業の効果

3次元レーザースキャナーとマルチコプターの導入により、危険箇所に人が立ち入らずに調査・測量できるようになり、従業員の安全性と作業効率が向上した。海に面した場所や災害で人が近づけない箇所でも地形を正確に画像化でき、災害時に威力を発揮している。3次元データの作成が可能になったことで、情報通信技術が必要とされる発注にも対応できるようになり、受注体制が確立された。地方自治体の災害調査や構造物の計測、文化遺産の記録などへの参入も期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業40年の測量実績と、GNSSなど最新装置を早くから導入してきた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    東北地方整備局のICT工事発注や災害調査需要を背景に、3次元データ作成に対応できる自社の高精度GPS保有が強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決3

    東日本大震災の復旧業務で作業効率が悪く時間を要したという課題認識はあるが、高付加価値化や成長の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    既存のGNSS装置を保有し従業員の安全確保を図るとあるが、体制や人材の具体的な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    災害調査や道路・橋梁などの測量、文化遺産の計測など顧客ターゲットと用途が整理され、需要に期待すると述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    営業課に民間営業の人員を増員する計画は示されるが、スケジュールや中長期の検証は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3次元レーザースキャナーで330m先の対象物を画像化できる点など性能面の特徴はあるが、市場での普及度や高価格化の位置付けは薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    災害時に人が近づけない箇所での調査や、ICT工事の全プロセスへの3次元データ対応など社会的意義はうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    従業員の安全確保と作業効率向上は述べられるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元レーザースキャナーとマルチコプターを組み合わせ、点群データ化による3次元データ作成で情報通信技術を活用した新たなサービスを示している。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    ICT活用で3次元データ化を進める土木工事の変革期に対応するとあり、建設分野の構造転換への関与はうかがえるが、日本経済全体への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    東北地方の災害や地域企業向けICT工事への対応がうかがえるが、地域の雇用創出や成長への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は官公庁や民間事業所から広く受注が期待できるため、自治体を営業対象としてきた営業課に民間事業所への営業を担う人員を増員し、新たな営業計画で営業活動を行う。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。