ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業京都府

クラック、わだち、切削量のボリューム調査および縦横断調査のワンストップ化計画

株式会社エムアールサポート

成果測定精度(メッシュ) 20m→0.05m

この事例のポイント

  • 舗装修繕に必要なひび割れ・わだち・切削量・縦横断などの性状調査は、現場に出向いた地道な作業が多く、非常に非効率だった。
  • 地上型の3Dレーザスキャナ3機を導入し、現場で一括して計測することで、ひび割れ・わだち・切削量・縦横断の調査結果を得られるようにした。
  • 測定精度(メッシュ) 20m→0.05m。ワンストップ現場調査により、測定精度が大幅に向上し、現場調査は1ヶ月から40分に、データ処理は1ヶ月から1日に短縮され…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エムアールサポート
所在地京都府 京都市
業種技術サービス業
従業員数14人
資本金2,000万円
設立2010年

事業の背景

当社は従来の土木測量の非効率性に問題意識を持った現社長が平成22年に創業した会社で、TS出来高管理やNETIS登録機器、GNSSによる測量などICT活用に早くから取り組んできた。正確な位置設定とデータ活用に強みがあった。一方、ひび割れやわだちなど複雑な形状を把握する性状調査はまだ課題が多い状況だった。近年の公共工事では総合評価落札方式が採用され、価格と品質の両面に加えて環境面や維持管理費の削減といった多面性が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力舗装修繕に必要なひび割れ・わだち・切削量・縦横断などの性状調査は、現場に出向いた地道な作業が多く、非常に非効率だった。
  • 品質・精度3Dデータ化に向けては更なる精度向上が必要だった。
  • コスト・採算調査結果を一つにまとめるため、データ間の齟齬により再度現場確認が必要になるケースがあった。
  • 人手・技能専門機器を持つ専門会社に依頼することが多く、専門技術者への依存度が高かった。
  • その他調査は人や車両が行き交う中で行うため、交通事故の危険があり安全管理上の配慮が欠かせなかった。

やったこと

地上型の3Dレーザスキャナ3機を導入し、現場で一括して計測することで、ひび割れ・わだち・切削量・縦横断の調査結果を得られるようにした。UAV(ドローン)20機による上空からの画像撮影で、レーザスキャナでは採れないひび割れや区画線の色情報を補填した。3Dスキャンデータから走行車両などのノイズを除去し、撮影画像のマスキング、画像の合成、撮影データの軽量化、3Dスキャンデータと色データのマージ、3Dデータの2D CADへの変換までを、有用なソフトの選定と連携するソフトの自社開発により実現した。補填の測量を走行車線に入らずに済ませることで、交通事故の危険も減らした。

検査測定3Dレーザスキャナ
その他UAV(ドローン)
検査測定GNSS計測器
検査測定TSワンマンシステム
ソフトデータ処理・解析ソフトウェア

新しい製品・サービス:ICT測量サービスに加え、色彩と情報伝達を組み合わせた「測量美術」を新たな測量サービスとして開発し、全国へライセンス展開する事業を進めている。

事業の効果

  • 測定精度(メッシュ) 20m→0.05m
  • 現場調査時間 1分→40分
  • データ処理時間 1日→1日

ワンストップ現場調査により、測定精度が大幅に向上し、現場調査は1ヶ月から40分に、データ処理は1ヶ月から1日に短縮された。調査道路を持ち帰りオフィスで測量できるようになり、専門技術者が少なくても多様な働き手が調査に関われるようになった。障がい者も働けるダイバーシティインクルージョンの実現にもつながった。ライセンス事業へのシフトや特許取得も進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業当時からICT活用に取り組み、TS出来高管理やNETIS登録機器、GNSS測量を導入してきた経緯が書かれ、今回の3Dレーザ導入との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    正確な位置設定とデータ活用に強みがあると自己分析し、性状調査の弱みを補う形で測量美術として差別化し、特許も取得していると書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    ひび割れ調査の歩行確認やわだち調査の20m毎測量など課題を具体的に挙げ、現場調査1ヶ月を40分に、データ処理1ヶ月を1日にする数値目標が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    現場調査とデータ処理の効率化の数値目標はあるが、付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれておらず、読み取れるのは効率面のみである。

  • 事業を進める体制3

    専門技術者少数で多様な働き手が対応できる体制と、社内で自社開発ソフトを連携させた点は書かれているが、人員数や事務体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    色彩と3Dデータを融合した測量美術という製品像と、舗装修繕調査を必要とする道路や公共事業の総合評価落札方式という顧客ニーズが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    10年後に全国の舗装道路を測量美術で埋め尽くす構想とライセンス展開のビジネスモデル構築中という方向性はあるが、具体的なスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界最高水準の詳細度を持つCIM統合モデルで、測量誤差1mmや画像画素1~2mmといった高水準の精度を実現し、測量美術として差別化していると書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    舗装修繕が必要な道路が全国に存在することや、非専門技術者も働けるという社会性への言及はあるが、経済波及効果の数値などは書かれていない。

  • 費用対効果3

    現場調査が1ヶ月から40分、データ処理が1ヶ月から1日へと効率化された数値はあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dレーザスキャナとドローン撮影画像の色情報を融合し、ICT施工で重機にも使える3Dデータを作る先端的なデジタル活用が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    土木測量・現場調査から測量美術のライセンス事業へシフトする構造転換の方向性は読み取れるが、市場成長性の根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    京都市の企業であることや京都市の表彰歴はあるが、地域の特性を活かして地域経済を牽引する具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

測量美術を全国へライセンス展開するためのビジネスモデルを構築中で、10年後には全国の舗装道路を測量美術で埋め尽くす構想を抱いている。

事業者の声

調査対象道路を持ち帰りオフィスで測量できる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。