ものづくり補助金平成26年度漁業岩手県

活締め神経抜き技術と真空浸透製法によるスモークサーモンの事業化

有限会社 清水川養鱒場

成果全行程の作業時間(フィレ40枚あたり) 74時間→44時間

この事例のポイント

  • 新規の大手顧客や大ロット受注に対応できる体制が不足していた。
  • 「活締め神経抜き技術」と「真空浸透製法」を用い、自社で無農薬栽培された山ぶどうの剪定枝を一般の燻煙材とブレンドして独自の燻煙材を開発し、これを使ったスモークサーモンを地域特産品と…
  • 全行程の作業時間(フィレ40枚あたり) 74時間→44時間。フィレの大型化と真空浸透製法の導入により作業効率が大幅に向上し、全行程の作業時間が短縮されてコスト削減につながった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 清水川養鱒場
所在地岩手県 八幡平市
業種水産養殖業
従業員数7人
資本金730万円
設立1984年

事業の背景

当社は昭和48年に八幡平市でヤマメの養殖を始め、昭和59年に有限会社として法人化した。主な出荷先だった宮城県が東日本大震災で被害を受けたことを受け、平成23年9月に独自の方法で育てた大型ニジマスを自社ブランド「八幡平サーモン」として販売を開始した。現在は鮮魚や一次加工品(三枚おろしやフィレ)を主に販売しており、40年余りの技術と経験を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新規の大手顧客や大ロット受注に対応できる体制が不足していた。
  • 新製品・新技術「八幡平サーモン」を冠した商品カテゴリが少なく、ブランドを確立するために商品カテゴリを増やす必要があった。
  • 生産能力スモークサーモンの燻製は、ドラム缶を積み重ねた自作の燻製機を使うなど設備が十分でなく、作業に時間と労力がかかっていた。

やったこと

「活締め神経抜き技術」と「真空浸透製法」を用い、自社で無農薬栽培された山ぶどうの剪定枝を一般の燻煙材とブレンドして独自の燻煙材を開発し、これを使ったスモークサーモンを地域特産品として開発した。設備として、最大40枚のフィレを燻製できるスモークハウス、真空包装機、ブラストチラー(急速冷却機)、−60℃超低温フリーザーを導入した。あわせて殺菌水生成装置とコンビオーブンも導入した。加工場はHACCPシステムに準拠した食品衛生管理基準のレイアウトに変更し、取引業者の見学にも対応できるようにした。

加工機スモークハウス(最大40枚のフィレを燻製)
加工機真空包装機
加工機ブラストチラー(急速冷却機)
加工機−60℃超低温フリーザー
加工機殺菌水生成装置
加工機コンビオーブン

新しい製品・サービス:「八幡平サーモン」を利用したスモークサーモン(真空浸透製法、独自の燻煙材を使用)

事業の効果

  • 全行程の作業時間(フィレ40枚あたり) 74時間→44時間

フィレの大型化と真空浸透製法の導入により作業効率が大幅に向上し、全行程の作業時間が短縮されてコスト削減につながった。活締め神経抜き技術の効果を最大化できるため、より新鮮で品質の良いスモークサーモンを提供できるようになった。スモークサーモンを地域特産品として打ち出し、安全・安心の訴求にもつなげた。今後は贈答用商品や飲食店での提供などで消費の幅を広げ、一般消費者向けの取引を新たに獲得して売上を増やすことを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成23年の八幡平サーモン販売開始や昭和48年からの養殖歴が書かれ、スモークサーモン開発は既存ブランドの延長線上と読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    40年余の技術や日本百名水の湧水、独自飼料が強みとして書かれるが、市場動向との比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    燻製作業の時間と労力が課題とされ、全行程時間をフィレ40枚あたり74時間から44時間に短縮した数字が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、売上増大の意向がうかがえるだけである。

  • 事業を進める体制3

    従業員数7名と経歴は書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的な配置や担当は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    レストランや首都圏百貨店、BtoC向け贈答用など顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開は述べられているが、遂行スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    山ぶどう剪定枝を使った独自燻煙材や真空浸透製法による高付加価値化が具体的に記載されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    地域特産品化や東日本大震災の被災地支援、八幡平市の活性化という地域経済への意義がうかがえる。

  • 費用対効果4

    作業時間の74時間から44時間への短縮など、設備導入による生産性向上の数字が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    HACCP準拠の衛生管理やコンビオーブンなど設備面は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルは読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    八幡平市の無農薬山ぶどう剪定枝や物産品とのコラボを活かし、地域の特性による付加価値創出が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当面は新商品であるスモークサーモンの販売拡張に注力する。今後は贈答用商品やワインバー、カクテルバーでの提供など消費の幅を広げ、当社独自の技術と八幡平市の物産品とのコラボレーション商品の開発にも挑戦する。また、レストランとの取引を強化し、首都圏の百貨店からの注文にも安定して応じながら取引量を拡大していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。