ものづくり補助金平成26年度製造業宮城県

全自動裁断機導入による小ロット・高品質を低コストに実現する生産プロセスの革新

株式会社エムズ

成果自動裁断機の裁断速度は60m/分

この事例のポイント

  • 生地の裁断工程が生産上のボトルネックとなり、ロール生地の手動解反と型紙の手作業での裁断に時間がかかり、職人の熟練度によってはラインが止まることもあった。
  • 自動延反機と自動裁断機を導入し、両者を直列に配置した。
  • 自動裁断機の裁断速度は60m/分。自動延反機と自動裁断機の導入により、裁断工程の高速化を実現し、リードタイムを大幅に短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エムズ
所在地宮城県 南三陸町
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数44人
資本金6,000万円
設立1989年

事業の背景

株式会社エムズは、ホテルや飲食店の従業員向けユニフォームを企画・デザインから製造納品まで一貫して手がけるメーカーである。オリジナルユニフォームが売上の約8割を占め、大手ホテルチェーンや大手飲食店チェーンとの取引が中心となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生地の裁断工程が生産上のボトルネックとなり、ロール生地の手動解反と型紙の手作業での裁断に時間がかかり、職人の熟練度によってはラインが止まることもあった。
  • コスト・採算損耗したユニフォームの補填や新規雇用従業員用の小ロット追加発注は採算が取れないことが多く、頻繁に発生するため低コストに対応できる生産プロセスの革新が求められていた。
  • 納期・工程従業員ごとのサイズ設定が細かく、部署によってデザインが変わるため、小ロット生産でのコスト削減と納期の短縮が大きな課題となっていた。

やったこと

自動延反機と自動裁断機を導入し、両者を直列に配置した。自動延反機は布の耳揃えと解反機能により、作業者の熟練度に頼らない正確な延反作業を実現する。自動裁断機は裁断速度60m/分で、アパレルCADデータとの連携に優れるCAMソフトを搭載している。ライン見直しにより、従来必要だった延反機から裁断機への生地運搬工程を省略した。

加工機自動延反機
加工機自動裁断機(CAMソフト搭載)

事業の効果

  • 自動裁断機の裁断速度は60m/分

自動延反機と自動裁断機の導入により、裁断工程の高速化を実現し、リードタイムを大幅に短縮できた。ラインの見直しで生地運搬の工程を省略したことでも、リードタイム削減につながった。小ロット・高品質に低コストで対応できる体制になり、ユーザーへのサンプル提供も速まった。生産力に余裕ができ、競争力と新たな取引先開拓の可能性が高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    企画・デザインから製造まで一貫生産し、オリジナルユニフォームが売上の約8割と明記されている。ただし裁断設備の経営戦略上の位置付けは詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約600種のカタログユニフォームや企画力・デザイン力の高さが評価されていると具体的に書かれ、強みが明確に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    生地裁断工程がボトルネックで、手動解反による時間のかかりや熟練度の影響が課題として具体的に整理されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイムの大幅削減を目指したと書かれているが、削減率など数値目標や付加価値・賃上げの目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    設備導入で2カ月遅れた際に生産プロセスの最適化計画を作り直し、遅れを取り戻したと書かれ、実行体制の対応が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大手ホテル・飲食チェーンが中心で、小ロット・短納期への対応が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ライン見直しによる2カ月の遅れや今後の介護業界への進出、中国関連会社の設立など今後の展開は書かれているが、遂行スケジュールは詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ユニフォーム製造は一般的な分野であり、オリジナル品の企画力は挙げられているが、高価格化や新市場の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    生産力向上が雇用拡大や地域貢献につながり、介護など今後需要が見込まれる業界への進出も挙げられている。

  • 費用対効果2

    生産力や競争力が高まったと書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果を示す数字はない。

  • イノベーションへの貢献3

    自動裁断機がアパレルCADデータとの連携に優れるCAMソフトを搭載し、セットアップの効率化に寄与すると書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    介護など新たな需要分野への進出意向はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及3

    南三陸町の工場で生産力向上が雇用拡大につながり、地域貢献の一助になると事例に明記されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産力に余裕ができたことで、今後はカタログユニフォームにも注力する予定である。介護など今後需要が見込まれる業界への進出や、縫製のみを発注できる裁断能力を持たない縫製工場との連携も視野に入れている。

事業者の声

生産力向上を活かして、これまでのホテルや飲食店での拡大だけでなく、介護など今後需要が見込まれる業界へも積極的に進出していきたいと考えています。また、中国に関連会社を設立しています。国内生産では難しい案件でも対応が可能になるので、総合的に競争力が高まったと思います

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。