ものづくり補助金平成26年度製造業秋田県

離床感知センサーのナースコール接続の開発

株式会社秋田テクノデザイン

この事例のポイント

  • 既存の赤外線離床センサーはナースコールに接続できず、病院への販路を広げられなかった。
  • 当社が介護事業所向けに開発していたスマートフォン対応の赤外線離床センサーを設計変更し、ナースコールに接続できる製品に改良した。
  • 秋田大学医学部附属病院での試作機評価は良好で、病院内でも問題なく使えるとの評価を得て10台を納品した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社秋田テクノデザイン
所在地秋田県 秋田市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数3人
資本金900万円
設立2008年

事業の背景

当社は電子機器設計を得意とし、排泄感知や離床センサーなど介護福祉関連製品を自社開発して製造・販売している。設計から試作、解析・評価、量産化設計まで一貫して行える秋田県内でも数少ない企業である。秋田・岩手県内の病院を調査したところ、離床時の転倒防止としてナースコールに接続したセンサーマットを利用する病院が多いことが分かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信既存の赤外線離床センサーはナースコールに接続できず、病院への販路を広げられなかった。
  • 品質・精度病院で多く使われているセンサーマットは、足元がおぼつかない患者がマットに足をついた時点で転倒してしまうことがあった。

やったこと

当社が介護事業所向けに開発していたスマートフォン対応の赤外線離床センサーを設計変更し、ナースコールに接続できる製品に改良した。赤外線の感知エリアを絞り、人体と周囲温度との温度差で離床を感知する方式を採用して誤作動を起こしにくくした。ベッド固定具は秋田大学医学部附属病院の看護師延べ200名の意見を取り入れ、様々な形状のベッドに固定できるようにした。支柱部にベアリング方式を取り入れて360度回転する自由度を持たせ、水平方向だけでなく垂直方向の離床も感知できるようにした。感知域は前方約2m、幅約40cmのイメージである。

新しい製品・サービス:ナースコール接続が可能な赤外線離床センサー(「テントウボウシくん」を改良した製品)

事業の効果

秋田大学医学部附属病院での試作機評価は良好で、病院内でも問題なく使えるとの評価を得て10台を納品した。無線と有線を使い分けられるため、全国の病院・介護施設から問い合わせを受け、納品につながった。センサーによる非接触の見守りが可能で、コロナ禍で負担が増した介護スタッフの業務を支えており、多くの介護施設で利用されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の介護向け赤外線離床センサーを設計変更し病院向けへ拡張した経緯が書かれ、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社方式は誤作動が多いとの比較と、回路設計に強い自社の技術、病院での需要調査が書かれ、競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    病院で転倒事故が起きている課題と、秋田・岩手の病院調査、看護師200名の意見聴取が書かれ、課題認識と解決策が具体的である。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    試作機10台納品と全国の病院・介護施設からの問合せが書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制4

    設計→試作→解析・評価→量産化設計を一貫して行える技術者がいることが具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ナースコールを押せない患者や認知症の方の見守りという顧客とニーズ、無線と有線の使い分けによる選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    次の製品「しらせるぞう」の発売予定年が示されるが、中長期の課題検証や遂行スケジュールは詳しくない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    介護・病院向け離床センサーは一般的な分野だが、感知エリアを絞る方式で誤作動を減らした点に差別性がある。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    病院での転倒事故防止や介護スタッフの負担軽減、コロナ禍での非接触見守りという社会的意義が書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額、生産性向上の数値は書かれておらず、費用対効果はうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    無線と有線を使い分けるナースコール連携や排泄感知の数値化など、デジタル技術の活用がうかがえるが波及の記述は一般的である。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・介護分野での負担軽減への貢献が述べられるのみで、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    秋田県内でも数少ない一貫開発企業という地域性はうかがえるが、地域の雇用や成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2021年内に、オムツに付ける排泄センサー「しらせるぞう」を発売する予定である。今後も回路設計技術を活かし、医療・介護分野に携わる人々の負担軽減に貢献していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。