ものづくり補助金平成28年度製造業高知県

エコリフロー導入による省エネ化の実現及び受注拡大

株式会社土佐電子

成果消費電力 20.4kW→13.1kW

この事例のポイント

  • 従来のリフロー炉では実装できる基板サイズがMサイズ(250mm×330mm)までで、それより大きい基板の注文を断っていた。
  • 省エネ型の新型リフロー炉エコリフロー(SNR-840GT Ver.4.0)を2台導入した。
  • 消費電力 20.4kW→13.1kW。省エネ型の新型機の導入により消費電力が約35%削減され、立上時間が短縮して始業前の人員配備の負担が軽減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社土佐電子
所在地高知県 土佐市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
従業員数291人
資本金5,000万円
設立1985年

事業の背景

当社は創業以来30年にわたり電子基板の実装、組立、調整、検査を行っている。中でも本社工場・実装課では、表面実装を全工程機械作業で行っている。当社のリフロー炉は15年以上前に導入した機械で耐用年数を超えたため、2016年から省エネ型の新型機導入を検討し始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のリフロー炉では実装できる基板サイズがMサイズ(250mm×330mm)までで、それより大きい基板の注文を断っていた。
  • コスト・採算老朽化による機械の調整・メンテナンスに時間がかかり、休止時の損失は1日330万円に上った。
  • コスト・採算装置の販売終了に伴い修理用部品が受注生産となり、在庫品に比べて約5倍の費用がかかり、納期も1カ月を要していた。
  • 人手・技能従来のリフロー炉は立ち上げに約1時間を要し、始業時間に合わせて早番を置いて準備をしており、従業員に負担がかかっていた。
  • コスト・採算従来のリフロー炉は稼働時に蓋部分が高温になって放熱し、夏場の作業環境が劣悪で稼働時の消費エネルギーも大きかった。
  • 品質・精度老朽化によりベルトコンベア部分にゆがみが生じ、基板が落下して不良品が発生するリスクがあった。

やったこと

省エネ型の新型リフロー炉エコリフロー(SNR-840GT Ver.4.0)を2台導入した。炉内の複数個所で温度を設定し、ゆっくりと温度を上げて質の高いはんだ付けを行う。炉の全体が断熱材で覆われており、放熱を抑えた。フラックスを回収する機能が付随し、回収ボックスをワンタッチで外して廃棄できる。基板サイズは50mmL×50mmWから460mmL×360mmWまで対応する。導入機の消費電力は13.1kWで、従来の20.4kWに比べて約35%削減となる。

加工機エコリフロー一式(SNR-840GT Ver.4.0)

事業の効果

  • 消費電力 20.4kW→13.1kW
  • 立上時間 60分→30分
  • 実装可能基板サイズ 330mm→410mm

省エネ型の新型機の導入により消費電力が約35%削減され、立上時間が短縮して始業前の人員配備の負担が軽減した。メンテナンス作業にかかっていた時間と費用がカットされ、作業効率と生産性が向上した。断熱構造により工場内の温度差や従業員の体調不良が改善し、Lサイズ基板の生産が可能になって既存取引先の基板サイズ制約がなくなり、受注増加が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    電子基板の実装を30年行ってきた経緯とリフロー炉の更新が書かれ、既存事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    大型基板を実装できず注文を断っていたことや既存取引先の基板サイズ制約の解消が書かれ、対応力向上による競争優位への言及はあるが定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    立上時間1時間から30分、消費電力20.4kWから13.1kW(約35%削減)など課題と効果が数字で示され、受注増加の見込みも書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    受注増や売上増加を図るとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性を判断する数値が不足している。

  • 事業を進める体制2

    従業員の負担軽減や早番の配置が書かれているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力についての記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型基板対応により既存取引先の製品開発の制約が解消し顧客満足が上がるとあるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    販売計画として半導体装置や制御機器関連への新規営業を行うと書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    はんだ付け装置は既存分野であり、大型基板対応も既存分野の多角化にとどまるため、高付加価値化や新市場性はわずかにうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    省エネによる地球環境への貢献が書かれているが、地域経済や雇用創出など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    装置の休止損失1日330万円や修理部品の5倍のコスト低減などが書かれ、費用対効果の一端は読み取れるが、補助金額に対する効果の算出はない。

  • イノベーションへの貢献2

    PC画像による検品やフラックス回収機能がうかがえるが、サプライチェーンや地域へのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    高知県土佐市の企業であることはわかるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大についての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

Lサイズ(410×360mm)の基板がリフローで加工可能となったため、基板Lサイズが主流となる半導体装置、制御機器関連装置、アミューズ関連基板の生産が可能となった。多方面への新規営業活動を行うことで、売り上げ増加を図る。顧客満足の観点でも競合他社に対して優位となり、さらなる受注増加が見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。