ものづくり補助金平成26年度製造業秋田県

画期的手延べ低温熟成製法による干し中華麺製造環境の構築

林泉堂株式会社

この事例のポイント

  • チルド温度帯の麺製品は賞味期限が短く、業者間の競争が激しいため、賞味期限の長い製品を開発して新たな販売機会を作る必要があった。
  • 手延べ以外の工程の時間短縮と温度・湿度の安定管理を行うため、自動麺圧延機、イタギ機、カケバ機、麺線自動巻入機などを導入した。
  • 「稲庭ラーメン」の名称で商標登録を行い、首都圏高級スーパー、県内スーパー、自社通販サイトなどで販売を展開した。

事業者のプロフィール

事業者名林泉堂株式会社
所在地秋田県 横手市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数53人
資本金4,000万円
設立1947年

事業の背景

当社は麺類・関連製品の製造・販売を中核事業とし、地域密着で経営を維持してきたが、県外の売上割合を増やす地産外商に取り組んできた。最大の売上構成比を占めるチルド温度帯(−5℃〜5℃)の麺製品は、賞味期限が短く業者間競争が激化していた。自社には乾麺製造のノウハウ蓄積がなく、秋田の名産である手延べ稲庭うどんの乾麺から発想を得て中華乾麺の開発に着手した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術チルド温度帯の麺製品は賞味期限が短く、業者間の競争が激しいため、賞味期限の長い製品を開発して新たな販売機会を作る必要があった。
  • 品質・精度手延べ製法の製造過程では作業方法のばらつきが品質劣化の主因となるため、手延べ以外の工程で時間と温度・湿度を厳格に管理する必要があった。
  • 人手・技能中華麺で手延べ特有の滑らかな食感を再現することは困難とされていた。

やったこと

手延べ以外の工程の時間短縮と温度・湿度の安定管理を行うため、自動麺圧延機、イタギ機、カケバ機、麺線自動巻入機などを導入した。これらの機械導入と技術的課題の解決方法について研究を重ねた。その結果、手延べ製法が生み出すコシと滑らかな喉越しと中華麺独特の食感を融合させた高品質・高付加価値な本格手延べ中華乾麺を開発した。乾麺製法の実験や消費者への試食による事前調査も行った。

加工機自動麺圧延機
加工機イタギ機
加工機カケバ機
加工機麺線自動巻入機

新しい製品・サービス:手延べ製法による干し中華麺(稲庭ラーメン)

事業の効果

「稲庭ラーメン」の名称で商標登録を行い、首都圏高級スーパー、県内スーパー、自社通販サイトなどで販売を展開した。現在は新たな収益源として業績に貢献している。国際的コンクール「The Superior Taste Award」では、中華麺として世界で初めて優秀味覚賞最高評価の3つ星を受賞した。今後は国内外の贈答品市場向けの主力商品に育てたいと考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    既存の常温製麺ノウハウを活かし乾麺製造へ展開すると明記され、地産外商の方針と整合する過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    チルド麺は賞味期限が短く業者間競争が激化しているという市場環境と、製品開発力の強みに言及があるが、競争優位の定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    チルド麺の賞味期限の短さという課題を認識し、長期保存可能な乾麺で新たな販売機会を創出する方針が具体的に示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、「新たな収益の柱」との表現にとどまり、目標の実現可能性は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員53人の体制と、組織力底上げに力を入れる旨の記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    手延べ製法による滑らかな食感とコシを融合した製品で、稲庭ラーメンの商標や首都圏高級スーパー等の販路が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    製品展開と国内外贈答品市場への新展開は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    中華麺で手延べ特有の食感を再現することは困難と言われた中、手延べ低温熟成の高付加価値な乾麺を開発し、世界初の三つ星評価を受けた。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地産外商や秋田の食文化発信に触れるが、経済波及効果や雇用創出の数字は示されておらず、国が補助する積極的理由は薄い。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加額、生産性向上の数値は記載がなく、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術や新ビジネスモデルの活用、サプライチェーンへの貢献は、事例の文章からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    秋田の名産である稲庭うどんの製法と地域食材を活かし、県外売上割合を増やす地産外商を進めている点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

稲庭ラーメンのブランド力向上に継続的に取り組み、新市場の国内外贈答品市場向けの主力商品に育てる。製品開発力を支える従業員の組織力向上にも力を入れ、事業の発展・継続を目指す。

事業者の声

手延べ製法が生み出すコシと滑らかな喉越し

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。