ものづくり補助金平成26年度製造業秋田県

拡大が著しい中食市場へ多品種少量の個別商品で参入するため、包装工程の機械化によりあらゆるニーズに対応

株式会社本家比内地鶏

成果充填ラインのスピード 1倍→1.5倍

この事例のポイント

  • 核家族化や高齢者の増加で個食化が進む中食市場では一人前の小口商品が求められていたが、200mlの比内地鶏スープ商品やロットの大きいフィルム包装では業者のニーズに応えられなかった。
  • 充填量を50ml〜1000mlの範囲で変更できる自動充填包装機を導入した。
  • 充填ラインのスピード 1倍→1.5倍。自動化により包装工程の作業効率が大幅に改善し、一人前のスープ製造や固形物の同時充填も可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社本家比内地鶏
所在地秋田県 大館市
業種食料品製造業
従業員数25人
資本金4,000万円
設立1997年

事業の背景

自社で処理・加工を一貫して行っており、飲食店からの発注に当日出荷できる強みがある。県内唯一の大規模処理場の認可を取得しており、常に外部検査員立会による処理を実践して安全性・信頼性を確保している。コンビニやスーパーの惣菜等中食市場は、核家族化や高齢者の増加に伴い鍋やスープなどでも個食化の傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信核家族化や高齢者の増加で個食化が進む中食市場では一人前の小口商品が求められていたが、200mlの比内地鶏スープ商品やロットの大きいフィルム包装では業者のニーズに応えられなかった。
  • 生産能力カット肉の詰め作業をすべて手作業で行っていたため生産効率が悪く、機械設備による自動化が必要だった。

やったこと

充填量を50ml〜1000mlの範囲で変更できる自動充填包装機を導入した。多種サイズの三方袋を自動送りできる機構を備え、液体および液体に個体を加えた内容物の充填が可能である。この自動充填包装機に、既存の重量チェッカーと金属探知機を組み合わせ、一貫した製造工程を構築した。

新しい製品・サービス:一人前サイズのスープや固形物入りの小口パック商品など、多品種小ロットの加工品

事業の効果

  • 充填ラインのスピード 1倍→1.5倍
  • 充填量の誤差は±1%以内と規格内に収まるようになった。

自動化により包装工程の作業効率が大幅に改善し、一人前のスープ製造や固形物の同時充填も可能になった。一貫製造工程により充填ラインのスピードが1.5倍になり、充填量の誤差も±1%以内に収まってロスが減り、製造効率が上がった。手作業で袋詰めしていたおかゆ・卵・しぐれ煮なども一部自動化でき、製造時間の短縮とコスト削減につながった。数量限定のコラーゲンスープや鳥皮の煮込み等を自社ラベルで販売できるようになり、取扱商品の付加価値も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去のスープ商品や手作業の課題に触れ、今回の自動化が新商品展開に続くと読めるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    当日出荷できる強みや県内唯一の大規模処理場認可に触れ、中食の小口ニーズに対応する競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    200ml商品やフィルム包装では小口ニーズに応えられなかった課題を示し、充填機導入と1〜1000mlの可変充填で解決する計画が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    充填ラインのスピード1.5倍、充填誤差±1%以内、加工品部門の年間30%売上規模拡大という数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員25人と製造受託の実績はうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    一人前スープや数量限定商品など顧客ターゲットと製品価値が具体的に示され、中食・シニア・単身者向けのニーズも書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展開として加工品アイテム増加や限定商品の継続開発が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    希少部位を自社スープと組み合わせた数量限定の比内地鶏加工品として、同分野での差別化がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    中食市場の拡大や高齢者・単身者の増加に触れるが、国が補助する理由となる波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    稼働期間や工程改善の結果としてロス削減、製造時間短縮、コスト削減が示されているが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    重量チェッカーや金属探知機を組み込んだ一貫工程は示されるが、先端デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献の記述は限定的である。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    中食市場の成長に触れるが、日本経済の構造転換に資するという観点の記述はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及4

    比内地鶏という地域特産品を活かし、少量の部位を低価格商品にするなど地域資源の活用が具体的に書かれている。

今後の展望

レトルト商品の加工設備を活かして自社製品以外の製造受託にも対応し、加工品アイテムを増やして加工品部門で年間30%の売上規模拡大を目指す。比内地鶏の加工技術とノウハウを活かし、数量限定商品の開発・提案を継続する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。