ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

OCTによるインジェクションバルブ検査システム開発

株式会社ティーワイテクノ

この事例のポイント

  • OCTを工業計測へ応用するには、試料に応じた計測ヘッドや計測ソフトウェアのカスタマイズが必要である。
  • 広帯域の低コヒーレンス光源を用いたOCT計測部の光学設計を行った。
  • 完成したOCT計測装置で、顧客から相談のあったインジェクションバルブのサンプルを計測し、深さ情報を持った不良箇所の映像化に成功した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ティーワイテクノ
所在地山形県 山形市
業種生産用機械器具製造業
技術分野測定計測
従業員数13人
資本金1,500万円
設立2009年

事業の背景

OCTは非破壊・非接触で試料の透過測定ができる技術で、眼科計測では実用化されているが、工業計測への応用が実現すれば大きな需要喚起につながる可能性がある。一方、工業計測へ応用するには試料ごとのカスタマイズと、形状計測に必要な精度・速度の確保が課題であった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術OCTを工業計測へ応用するには、試料に応じた計測ヘッドや計測ソフトウェアのカスタマイズが必要である。
  • 品質・精度OCTが形状計測用途で求められる精度や速度を満たせるかが、実用化するうえでの課題になっていた。
  • 新製品・新技術顧客からインジェクションバルブの検査にOCTを使えないかとの相談があり、課題解決に向けた事業化が必要になった。

やったこと

広帯域の低コヒーレンス光源を用いたOCT計測部の光学設計を行った。計測時間短縮のため高速ラインスキャンカメラの機種選定とOCT計測部の光学設計を行った。OCT計測を単独で運用するスタンドアロン型計測装置としての装置設計を行った。これらの設計図面に基づき部品手配と組立・製作を発注し、OCT計測装置1号機と2号機が完成した。エリア走査方法の検討と機材の選定は山形県工業技術センターへ委託した。

検査測定OCT計測装置(1号機・2号機)
検査測定高速ラインスキャンカメラ

新しい製品・サービス:OCTインジェクションバルブ検査システム

事業の効果

完成したOCT計測装置で、顧客から相談のあったインジェクションバルブのサンプルを計測し、深さ情報を持った不良箇所の映像化に成功した。顧客の要望を受けてインジェクションバルブ以外への適用も考え、汎用性を持たせた。顧客の製造ライン増設を想定して高速スキャンカメラを採用し、高速性を重視した設計のOCT計測装置を製作した。顧客側の都合で製造ラインへの設置はまだ至っていない。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性40%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の画像処理・検査装置開発の業務内容は読み取れるが、OCT開発との経営戦略上の位置付けは事例には書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    顧客からの相談を機に開発したと書かれるのみで、市場動向や自社の強み・弱みの分析は事例からはうかがえない。

  • 課題の認識と解決2

    工業計測への応用課題や製造ライン導入の課題は挙げられているが、高付加価値化・成長につながる計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    付加価値額や賃上げの目標値は事例に書かれておらず、読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    山形大学の発明を基に、エリア走査の検討を山形県工業技術センターへ委託したとあり、外部連携体制はうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    インジェクションバルブ検査への顧客相談が出発点で、深さ情報の映像化など価値は書かれるが、ターゲットや需要の数値は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    顧客先での評価フィードバックから改善と製造ライン導入へ進む流れは示されるが、スケジュールや期間は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    OCTの工業計測応用は既存の眼科計測より新しい分野と読めるが、普及度や高価格化の具体的な記載は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    工業計測への応用が実現すれば大きな需要喚起につながる可能性があると書かれ、波及効果は示唆されるが定量性はない。

  • 費用対効果1

    補助金投入額や付加価値増加、生産性向上の数値は事例に書かれておらず、読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    OCTを工業計測へ応用する技術革新の方向性は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    OCTの工業計測への応用は新分野への進出と読めるが、日本経済の構造転換への言及は事例にはない。

  • 地域経済への波及1

    地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への記載は事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

開発した1号機と2号機は当社の研究開発用として管理する。顧客先へ持ち込み評価をフィードバックしてもらいながら改善点と製造ラインへの導入課題を抽出し、対応技術を研究開発する。各種課題を克服後、受注製品の生産を開始し、その後国内外の系列生産工程へ展開して売上拡大をめざす。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。