ものづくり補助金平成28年度製造業静岡県

自動変速機器のバルブボディ用金型埋子の品質保証及び短納期化を実現する生産体制の確立

ヤザキ工業株式会社

成果納期 28日→22日

この事例のポイント

  • 自動変速機のバルブボディ用金型埋子は複雑形状で難易度が高く、品質保証体制の構築が必要だった。
  • 3次元測定器と連動する3次元測定器用ソフトウェアを導入した。
  • 納期 28日→22日。測定ポイントを50から200箇所に増やし、品質保証と測定の精度を高めた。

事業者のプロフィール

事業者名ヤザキ工業株式会社
所在地静岡県 富士市
業種生産用機械器具製造業
技術分野測定計測
資本金3億円
設立1973年

事業の背景

当社は昭和48年創業のダイカスト用金型の製造・修繕会社で、富士市の本社工場で大型・複雑形状の金型を製作し、小型・単純形状の金型は中国の協力工場で製作している。主要取引先は世界トップクラスのダイカストメーカーなどである。主要製品のアルミダイカスト金型はエンジン周りやミッション周りの部品を製造するもので、自動車と自動二輪車の用途が合計86.9%を占める。自動変速機は10速化が進み、更なる複雑化が予想されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動変速機のバルブボディ用金型埋子は複雑形状で難易度が高く、品質保証体制の構築が必要だった。
  • 納期・工程納期は現在28日かかっており、短納期化が課題だった。
  • 品質・精度自動車メーカーの品質要求は上がっており、変速機不具合によるリコールを防ぐ必要があった。

やったこと

3次元測定器と連動する3次元測定器用ソフトウェアを導入した。3Dモデリングを取り込み、製品に直接触れて測定することで、測定ポイントの合否を色別に表示できるようにした。これにより測定ポイントを従来の50箇所から200箇所に増やし、品質保証書作成までの時間を大幅に短縮した。不具合箇所を正確に把握し、漏れのない修正を1回の測定で可能にした。目利き能力をもつ技能者の加工能力と組み合わせ、納期を28日から22日に短縮する見込みとした。

ソフト3次元測定器用ソフトウェア

新しい製品・サービス:自動変速機(AT)のバルブボディ用金型埋子の製作

事業の効果

  • 納期 28日→22日
  • 測定ポイント数 50箇所→200箇所

測定ポイントを50から200箇所に増やし、品質保証と測定の精度を高めた。3Dモデリングの取り込みで測定及び品質保証書作成までの時間が大幅に短縮された。納期は28日から22日へ6日間短縮できる見込みとなった。取組後は医療機器用金型の実績もあげ、既存主力製品の高度化と成長分野への進出も視野に入ってきた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    ダイカスト金型の製造・修繕を行い、難易度の高い埋子製作に力を入れてきた経緯が書かれている。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    50年のキャリアと大型複雑形状埋子の実績、他社には困難なオーダーに応える点が書かれ、外部環境と強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    品質要求の上昇と10速AT増加による複雑化を課題とし、測定ポイント50から200箇所、納期28日から22日の短縮が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    納期28日から22日への6日間短縮と測定ポイント増加が具体的に示されている。付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社長や技能者、目利き能力を持つ技能者の存在がうかがえるが、補助事業を遂行する体制や人員の記述は限られている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ATバルブボディ用金型埋子の受注引き合いや取引先の試作評価が書かれ、顧客ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋3

    3次元測定器ソフトの導入と納期短縮の方法は示されるが、スケジュールや中長期の検証過程は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    精度の高いバルブボディ金型で海外勢と価格競争にならない高付加価値化を図る方針が書かれている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    自動車の軽量化でアルミ部品への置換が進み、ダイカストが新分野で需要を開拓する期待が書かれている。雇用や波及効果の記述はない。

  • 費用対効果2

    納期短縮や測定ポイント増加はあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元測定器と3Dモデリングを連動させた測定で品質保証書作成時間を大幅短縮しており、デジタル技術の活用が読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    軽量化で鋳鉄からアルミ、マグネシウムへ置き換わる市場変化に対応し、医療・航空・宇宙分野への進出を目指すと書かれている。

  • 地域経済への波及2

    富士市の本社工場で製作を行うことは書かれているが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への効果は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

差別化できる精度の高いバルブボディ金型に集中し、そこで蓄積したノウハウを活かして医療、航空、宇宙ロケット分野への進出を図りたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。