ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

横型マシニングセンタのプールライン方式変更による生産プロセス革新

株式会社エツキ

成果パレット移動時間 26分→1分

この事例のポイント

  • フリーフローライン式プールラインは一定多品目少量生産に適しており、タイムリーな段取替えや短期間内の集中加工が困難だった。
  • 横型マシニングセンタに連結していたフリーフローライン式プールライン(12パレット)を撤去し、キャリア式プールライン(12パレット)を新たに設置した。
  • パレット移動時間 26分→1分。新設備の導入により極端な小ロットや大ロットにも柔軟に対応できるようになり、内製率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エツキ
所在地山形県 村山市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数120人
資本金8,640万円
設立1973年

事業の背景

当社は高精度の大物鋳物加工から各種産業機器・OEMまでを手がけるワンストップメーカーで、印刷機械、工作機械、各種自動化省力化専用機械などを製造している。近年は受注環境として生産量の極端な変動に対応する必要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力フリーフローライン式プールラインは一定多品目少量生産に適しており、タイムリーな段取替えや短期間内の集中加工が困難だった。
  • 納期・工程納期に対応するため複雑高度な運用管理や長時間残業を強いられていた。
  • コスト・採算不要な外注利用による利益の外部流出や失注が発生し、修繕費や稼働経費の増大が懸念されていた。

やったこと

横型マシニングセンタに連結していたフリーフローライン式プールライン(12パレット)を撤去し、キャリア式プールライン(12パレット)を新たに設置した。パレットに載せた治具にワークをセットし、横型マシニングセンタへ自動供給する構成とした。段取り台も設置し、タイムリーな段取り替えや短期間の集中加工に対応できるようにした。検証では、ストッカから段取り台へのパレット移動時間が旧設備の最大26分から、新設備では片道最大20秒・往復40秒となり、最大25分短縮された。

その他キャリア式12パレットプールライン
その他段取り台

事業の効果

  • パレット移動時間 26分→1分
  • 1日1回の段取り替えとすると1カ月で約9時間の短縮
  • 1日4回の段取り替えを行う集中加工では約3時間の短縮

新設備の導入により極端な小ロットや大ロットにも柔軟に対応できるようになり、内製率が向上した。これにより外注コストが抑制されたほか、駆動電力と修繕費の削減によりコストが低減し、競争力が回復した。見積もり段階での受注機会損失や失注率も低下した。パレット移動時間の短縮により手待ち時間が減り、段取り替えや集中加工のための長時間残業が減少して、複雑高度な運用管理からも解放された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来のフリーフローライン式から新設備へ更新した経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との連続性は明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    最大得意先が新市場製品の開発・量産化に着手したことに触れ、受注拡大を狙う記述があるが、自社の強み・弱みの分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    複雑な運用管理や長時間残業、外注利用による利益流出といった課題を挙げ、段取り替え時間の短縮で解決を図る流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    パレット移動時間の短縮や段取り替え時間の削減量は数値で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多変種大変量生産への対応力や新市場製品の受注拡大との関係は述べられているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として受注活動を推し進めると述べるのみで、遂行方法やスケジュール、課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    多変種大変量生産体制の構築は述べられるが、対象分野の普及度や高付加価値化・高価格化についての記述はうかがえる程度にとどまる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    段取り替えで1カ月約9時間、集中加工で約3時間の短縮、駆動電力と修繕費の削減など、数値を伴う効果が具体的に示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    キャリア式搬送による生産体制の改善は書かれているが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形県の企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大についての記述は見当たらない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新設備による多変種大変量生産体制のメリットを活かし、強みを発揮できる受注活動を推し進める。最大の得意先が新市場の製品の開発・量産化に着手しており、その新市場製品の受注拡大を目指す。加工品目数の増加と変量ロットの両方に対応するため、新設備の機能が欠かせないと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。