ものづくり補助金平成25年度製造業福岡県

ロボット設備の導入による製造技術の最適化と合理化推進

株式会社西部技研

成果2工程で年間約1600時間(0.8人工)の作業時間を削減

この事例のポイント

  • 端面塗装は選任技能者が高所で手作業で行うため体力的負担が大きく効率も悪い。
  • 端面塗装工程に2基、粉塵吹き落し工程に1基のロボットを導入し、計3台のロボットを初めて製造工程に入れた。
  • 2工程で年間約1600時間(0.8人工)の作業時間を削減。ロボット導入により作業の最適化と環境改善が進み、作業環境が改善されて働きやすい職場となり安全性も確保された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社西部技研
所在地福岡県 古賀市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数200人
資本金1億円
設立1965年

事業の背景

同社は産業用のデシカント除湿機やVOC濃縮装置、全熱交換器などの省エネ・環境保全機器を研究開発・製造販売している。主力製品のVOC濃縮装置は海外で支持され、海外売上構成比は全体の4割を占める。2014年1〜12月の関連製品部材の売上は約5億円で、年率7%増を見込み5年後は7億円と想定している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能端面塗装は選任技能者が高所で手作業で行うため体力的負担が大きく効率も悪い。
  • 品質・精度手作業の塗装や粉塵吹き落としでは塗りムラや粉塵の残りが出て、品質のばらつきや耐久性・外観への影響が生じている。
  • 人手・技能粉塵吹き落とし工程もエアーブローによる手作業で大変な労力を伴う。

やったこと

端面塗装工程に2基、粉塵吹き落し工程に1基のロボットを導入し、計3台のロボットを初めて製造工程に入れた。熟練技能者の細かな手作業の動きをプログラミングで細かく制御し、手動と同等以上の細かな動きをロボットで再現して代替自動化した。ロータエレメントは最大径4.5mで、この大きさに対応した設備として導入した。

ロボット端面塗装用ロボット
ロボット粉塵吹き落し用ロボット

事業の効果

  • 2工程で年間約1600時間(0.8人工)の作業時間を削減
  • 年間約300万円の作業経費削減効果が見込める
  • 塗りムラがなくなり、塗料の使用量が約10%削減できた

ロボット導入により作業の最適化と環境改善が進み、作業環境が改善されて働きやすい職場となり安全性も確保された。誰でもできる作業環境により余暇時間を人材育成に活用できるようになり、変種変量生産体制が可能になった。塗りムラがなくなって外観が向上し、新規取引先に製品優位性を強調できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    VOC濃縮装置が主力で海外支持を得ている経緯は書かれているが、本事業の設備投資がその戦略にどう位置付けられるかは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    1988年の世界初実用化、欧米・アジアでの支持、海外売上構成比4割など、市場と自社の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業による塗りムラ、粉塵残りや品質バラつきという課題を挙げ、ロボット導入で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    年間約1600時間の作業削減、約300万円の経費削減、塗料使用量10%削減など数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制2

    選任技能者や多様な人材の活躍に触れるが、本補助事業を遂行する体制の具体的な記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ロボットで塗りムラを抑え外観向上を図り、新規取引先に製品優位性を強調できるようになったと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    他工程へ設備導入を進める意向は書かれているが、遂行方法やスケジュールの具体は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ロータエレメントの端面塗装・粉塵吹き落しを自動化し、変種変量生産や品質向上を実現する高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    大気汚染防止や環境保全の社会的要請に応え、海外での環境規制強化に対応する点が示されているが、雇用創出などの波及効果は薄い。

  • 費用対効果4

    投資額に対し年間約300万円の経費削減と1600時間の作業削減が見込まれ、費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボット導入で工程を自動化する点はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルでサプライチェーンに貢献する記述は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    環境保全分野の市場拡大(年率7%以上、10%程度)に言及し、成長分野での事業展開がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    福岡県古賀市の企業として海外拠点を持つ点は書かれるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済への波及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国内では設備導入が一巡感にあるが、欧米・アジア、特に中国や韓国市場が拡大している。自動車・半導体・各種塗装工場向けが有望で、年率7%以上、10%程度の市場拡大も期待できる。

事業者の声

今回、ものづくり補助金を活用してロボットを製造工程で導入したことで、作業の最適化と環境改善が実現でき、製造部門の懸案であった製造設備の刷新が具体的に始まるきっかけとなった。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。