ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

浄化空気を除湿・循環させる常温食品乾燥機の試作開発

株式会社タカハタ電子

成果温度差の目標値である1℃以内をクリアした

この事例のポイント

  • 小型機と同じ空気の流れの仕組みをスケールアップすると、庫内の温湿度にばらつきが出るため、大型化に伴う庫内温湿度の調整が課題だった。
  • 従来の小型常温食品乾燥機より大きな中型常温食品乾燥機を設計・開発し、試作機を製作した。
  • 温度差の目標値である1℃以内をクリアした。庫内の温湿度のばらつきを解消するため装置の検証と改良を繰り返し、温度差1℃以内、湿度3%以内を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タカハタ電子
所在地山形県 米沢市
業種電気機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数190人
資本金1億円
設立1974年

事業の背景

平成24年、山形大学発ベンチャーのナチュラルプロセスファクトリー株式会社が保有する、流体力学を応用して食材の味や色、栄養価を保ったまま乾燥させる技術をもとに、小型常温食品乾燥機を設計・製作して製品化し、販売していた。販売後、購入した顧客から食材の処理容量を増やした大きなタイプの開発を望む声が寄せられるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度小型機と同じ空気の流れの仕組みをスケールアップすると、庫内の温湿度にばらつきが出るため、大型化に伴う庫内温湿度の調整が課題だった。
  • 新製品・新技術購入顧客から食材の処理容量を増やした大きなタイプの開発を求められ、従来機以上の性能を備えた乾燥機を開発する必要があった。

やったこと

従来の小型常温食品乾燥機より大きな中型常温食品乾燥機を設計・開発し、試作機を製作した。小型機では流体力学的に計算した空気の流れで均一な温湿度を保っていたが、大型化するとばらつきが出るため、庫内のコンテナを回転させて温度・湿度を均一にする機構を追加した。庫内温度は55℃以下で菌が繁殖しやすいため、殺菌効果を検証するためにイオン発生装置を設置し、稼働あり・なしで比較した。装置の検証と改良を繰り返し、温度差の目標値である1℃以内、湿度の目標値である3%以内を達成した。さらに最大処理能力を確認し、80kgの食品を55時間で乾燥させた。

その他イオン発生装置

新しい製品・サービス:中型常温食品乾燥機

事業の効果

  • 温度差の目標値である1℃以内をクリアした
  • 湿度の目標値である3%以内を達成した
  • 乾燥時間(80kgの食品) 60時間→55時間

庫内の温湿度のばらつきを解消するため装置の検証と改良を繰り返し、温度差1℃以内、湿度3%以内を達成した。80kgの食品を55時間で乾燥でき、目標の60時間より5時間速かった。イオン発生装置による菌の繁殖抑制の効果は、有無による差が見られなかった。従来の乾燥機と同等の性能を持つ中型常温食品乾燥機の開発に成功し、新潟の煎餅製造メーカーや東京のドライフルーツ専門店などに販売実績がある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    小型機の販売実績があり、顧客要望を受けて中型機を開発した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    顧客からの要望が寄せられたとあるのみで、市場動向や自社の強み・弱みへの言及はわずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決3

    大型化に伴う庫内温湿度のばらつきという課題が明示され、コンテナ回転などで対応したと書かれているが、高付加価値化への結びつきは薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    温度差の目標1℃以内、湿度3%以内を達成し、80kgを55時間で乾燥、目標の60時間より5時間速いと数字で示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    味・風味・色・栄養価を保てる点や、新潟の煎餅メーカー等への販売実績があり、顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は肉や魚などへの用途拡大、展示会での市場反応反映と方針は書かれるが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    常温乾燥で食材の味や色、栄養価を維持する独自技術を用い、既存の乾燥機と比べ高性能化を図っていることが読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の食品開発や土産品開発への協力、米沢牛を用いたイベントへの言及がわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    顧客の商品開発の費用や労力の削減につながると述べられているが、費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    流体力学を応用した空気の流れやイオン発生装置の導入は読み取れるが、サプライチェーンへの貢献までは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山形大学発ベンチャーの技術を活用し、米沢の企業として地域イベントや土産品開発に協力する点が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中型常温乾燥機は徐々に販売台数が増えており、受注生産で顧客の用途に応じて生産を進める。これまでの野菜や果物に加え、肉や魚、海藻、調理済み食品なども常温乾燥で試作でき、顧客の商品開発にかかる費用や労力の削減につながると考えている。地域の土産品や商品開発への協力も進め、地域イベントや農業ワールドへの出展でPRを行い、市場の反応を反映させた製造・販売を続けていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。