ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

副産物である酒粕の徹底的な有効利用による新規格酒粕焼酎の商品開発と新シーズの開発

株式会社鈴木酒造店長井蔵

この事例のポイント

  • 酒粕の機能性成分を熱で壊さずに、吟醸香のある高品位の酒粕焼酎を開発する必要があった。
  • マイクロウェーブ式酒粕減圧蒸留機を導入し、電子レンジの熱源と同じマイクロウェーブで酒粕を加熱して、機能性成分を維持しながら吟醸香のある高品位な酒粕焼酎を開発した。
  • マイクロウェーブ式酒粕減圧蒸留機により、吟醸香の豊かな高品位の酒粕焼酎を製造し、貯蔵中である。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鈴木酒造店長井蔵
所在地山形県 長井市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野バイオ
従業員数11人
資本金3,000万円
設立1931年

事業の背景

清酒製造の副産物である酒粕は、冬季は需要があるが3月後半から需要がなくなる。余った酒粕は牛の餌や肥料として農家へ配っていたが、供給過剰で処分が課題になっていた。一方、酒粕を肥料にした米農家から稲作に良い影響があったと報告があり、長井市は農産物の循環型社会を推奨している。当社は2011年の震災で避難し、2012年に長井市で事業を再興した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術酒粕の機能性成分を熱で壊さずに、吟醸香のある高品位の酒粕焼酎を開発する必要があった。
  • 納期・工程酒粕は3月後半から需要がなくなり、牛の餌や肥料として配っても供給過剰となり処分が課題となっていた。

やったこと

マイクロウェーブ式酒粕減圧蒸留機を導入し、電子レンジの熱源と同じマイクロウェーブで酒粕を加熱して、機能性成分を維持しながら吟醸香のある高品位な酒粕焼酎を開発した。酒粕焼酎と、その焼酎を原料とした本格みりんを開発するため、しょうちゅう製造免許とみりん製造免許を取得した。さらに、酒粕焼酎を取った後の蒸留粕を原料に肥料を製造した。

加工機マイクロウェーブ式酒粕減圧蒸留機

新しい製品・サービス:吟醸香のある高品位の酒粕焼酎、酒粕焼酎を原料とした本格みりん、蒸留粕を原料とした肥料

事業の効果

マイクロウェーブ式酒粕減圧蒸留機により、吟醸香の豊かな高品位の酒粕焼酎を製造し、貯蔵中である。酒粕焼酎で本格みりんも製造し、現在は商品化に向けてパッケージデザインを進めている。蒸留粕を原料とした肥料は契約米農家に配り、地域の循環型社会に寄与している。販売できる焼酎の量は多くないため、希少価値の高い商品として販売する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    震災後に蔵を再興し原料米の契約栽培比率を上げてきた流れは読めるが、酒粕焼酎の位置づけと経営戦略の関係は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    吟醸香のある高品位の酒粕焼酎を開発したとあるが、市場や競合に対する自社の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    酒粕の処分が課題だったことと、焼酎・みりん・肥料への活用で付加価値化する流れは読めるが、数値目標や収益見込みはない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。付加価値の目標値や賃上げ目標は記載がありません。

  • 事業を進める体制3

    しょうちゅう製造免許とみりん製造免許を取得し製造を行ったとあり、体制の一部は読めるが人員配置や事務体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    希少価値の高い商品として販売する計画や、専門店・意識の高い飲食店が販売先と書かれ、顧客像はある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    パッケージデザイン中、肥料の実証栽培から本格運用へという段階的な進め方は読めるが、スケジュールの具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。資金調達や財務状況の記載はありません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    酒粕焼酎は普及度の低い分野で、吟醸香のある高品位品として希少価値の高い商品にする計画が明記されている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    酒粕の処分課題の解決、農産物循環型社会、浪江町の農地再生への寄与など、地域波及の理由が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値はなく、費用対効果はうかがえる程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    酒粕を焼酎・みりん・肥料へ段階的に使う循環は地域のイノベーションに関わるが、先端デジタル技術の活用は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。成長分野への進出や構造転換との関係は記載がありません。

  • 地域経済への波及5

    長井市の循環型社会推奨に合わせ、地域の米農家と連携して酒粕を肥料に活用し、地域の原料米契約栽培も拡大している。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

販売店は専門店が多く、仕入れる飲食店も日本酒と料理の素材に意識の高い店が多いため、焼酎とみりんの市場は確保できると想定している。今後、蒸留粕肥料は契約米農地で使い、実証栽培と分析を重ねて本格運用し、震災後に農地が増えてきた浪江町の米農家でも使ってもらい、農地再生に役立てたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。