ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

航空機市場をターゲットとした高精度マシニングセンタの導入による工程集約の構築

株式会社四釜製作所

この事例のポイント

  • 古い機械のため切削の加工精度が安定せず、0.01mmレベルの高精度な寸法が必要な加工品は工程を分けて時間を掛けて精度を確保していた。
  • 工程集約と航空機市場参入を目的として、高精度マシニングセンタを導入した。
  • 高精度マシニングセンタの導入により工程を集約したことで、リードタイムと原価がともに大きく削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社四釜製作所
所在地山形県 長井市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数50人
資本金1,600万円
設立1961年

事業の背景

当社は部品製造から組立までの全工程を一貫して行い、全国の機械メーカーや開発メーカー向けにオーダーメイドの機械装置を製造・提供している。日本のものづくり産業は今後急速に伸びてくる海外企業に打ち勝つ必要があり、創造性や先進性の高い製品と、高度な精密技術や機械装置がこれまで以上に重要になると考えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度古い機械のため切削の加工精度が安定せず、0.01mmレベルの高精度な寸法が必要な加工品は工程を分けて時間を掛けて精度を確保していた。
  • 納期・工程荒加工後に研削加工・放電加工で精度を確保する分割生産プロセスのため、リードタイムが長く原価も高かった。
  • 販路・情報発信成長市場である航空機の空調機器分野へ参入したいが、そのための体制や実績が十分でなかった。

やったこと

工程集約と航空機市場参入を目的として、高精度マシニングセンタを導入した。従来は荒加工後に切削・研削・放電加工で分割生産していた加工品について、高精度マシニングセンタによる切削工程の1工程で精度を保てるようにした。加工条件や治工具を見直して工程を集約し、大幅な時間短縮とコスト削減を実現した。さらに最新機の特徴を習得しながら、これまでの加工ノウハウを生かして航空機の空調機器分野への参入を目指した。

加工機高精度マシニングセンタ

事業の効果

高精度マシニングセンタの導入により工程を集約したことで、リードタイムと原価がともに大きく削減できた。削減効果が出た製品が確実に増えており、売上と収益がともにアップしている。一方で航空機市場への参入は引き合いが複数あるものの、現時点では売上には繋がっていない。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    業務内容に全工程一貫生産とオーダーメイド機械の提供が書かれ、航空機分野参入も述べられるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    成長市場の航空機空調機器分野への参入と、長年の切削ノウハウの活用が書かれている。市場動向の裏付けや競争優位の具体性は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    分割生産の切削・研削・放電を切削1工程に集約し、リードタイムと原価の大幅削減を狙うと課題と対策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標のリードタイムや原価削減率の数値は書かれず、付加価値額や賃上げの目標値も見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    従業員50名や長年の切削加工経験、加工治具のノウハウが書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    0.01mm級の高精度加工品への対応と短納期・低コストという価値は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    工程集約後の増設や大型機の新設、試作案件納入の段階的な進め方が書かれている。スケジュールの具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    同分野で高精度加工の工程集約により高付加価値化を図る取組で、0.01mm級の精度と原価削減が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    航空機分野参入の意図はうかがえるが、波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    工程集約でリードタイムや原価が大きく削減でき売上と収益が上がったと書かれるが、投入額に対する数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度加工の工程集約は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    成長市場である航空機分野への進出が書かれ、構造転換への関連がうかがえるが、日本経済全体への言及は薄い。

  • 地域経済への波及2

    山形県長井市の企業であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は同じ機械の増設や、同タイプでひと回り大きいサイズの機械の新設も検討し、売上増加と収益向上につなげていく。航空機市場については、当面は試作案件の納入を重ねて実績を残していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。