ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

ニットと布帛の融合による高付加価値商品の生産体制強化

米富繊維株式会社

この事例のポイント

  • 布帛製造に必要な設備が不十分で、自社ブランドを本格生産するには設備導入と生産の内製化が不可欠だった。
  • 本事業では、薄物専用ロックミシン、薄物専用本縫いミシン、解反加湿機、フラット式プレス機、業務用加湿器を導入した。
  • 新設備の導入により作業効率が上がり、試作開発段階での多品種少量加工のリードタイムが短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名米富繊維株式会社
所在地山形県 山辺町
業種繊維工業
技術分野デザイン,製造環境
従業員数64人
資本金6,300万円
設立1952年

事業の背景

当社は30年前に編地開発部門を設立し、企画提案型メーカーをめざしてニット生地の開発に取り組んできた。交編技術を得意とし、企画開発から製造、販路開拓まで一貫して行っている。8年前に自社ブランド「COOHEM」を立ち上げ、ニット業界の秋冬物への片寄りを解消するため、ニットと異素材を融合させた商品を進めている。ニット製造には十分なノウハウと設備があるが、異素材の製造には設備が不十分だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力布帛製造に必要な設備が不十分で、自社ブランドを本格生産するには設備導入と生産の内製化が不可欠だった。
  • 品質・精度解反作業を手作業で行っていたため蒸気の当たり方が均等でなく、繊維の目の詰まりが不揃いになり乱寸が出やすかった。
  • 人手・技能解反作業とアイロンがけ、生地の引き上げに時間がかかり、作業の自動化が求められていた。
  • コスト・採算プレス作業を外注か手アイロンで行っており、非効率だった。
  • 集客・繁閑ニット業界に共通する秋冬物への片寄りがあり、年間受注のバランスが偏っていた。

やったこと

本事業では、薄物専用ロックミシン、薄物専用本縫いミシン、解反加湿機、フラット式プレス機、業務用加湿器を導入した。薄物専用ロックミシンと薄物専用本縫いミシンは、異素材の生地製品をニット生地と縫い合わせる際に使用する。解反加湿機は、解反作業と蒸気加湿を同時に自動で行えるようにし、手作業による蒸気の当たりのむらと作業時間を減らした。フラット式プレス機は、これまで外注や手アイロンで行っていたプレス作業を社内で行えるようにし、内製化を進めた。業務用加湿器は異素材の縫製全般に使用する。

  • 加工機薄物専用ロックミシン薄物専用本縫いミシン解反加湿機フラット式プレス機
  • その他業務用加湿器

新しい製品・サービス:ニット生地と異素材を融合させた自社ブランド「COOHEM」の商品。

事業の効果

新設備の導入により作業効率が上がり、試作開発段階での多品種少量加工のリードタイムが短縮された。これにより短時間での作業に対応できる環境が整い、アイテム数を増やして顧客ニーズに合う新商品を具体化できるようになった。フラット式プレス機は生地と芯地の圧着だけでなく特殊加工にも使えるため、これまでにない企画開発につながり、社内全体のレベル向上が見込まれる。秋冬物に偏っていた年間受注のバランス解消に向けても進んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    30年前の編地開発部門設立から自社ブランドCOOHEM、ニット+布帛融合へと一貫した取組が書かれ、経営戦略上の位置づけが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ニット業界の秋冬物への偏りという外部課題と、交編技術・ノウハウという強みへの言及はあるが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    秋冬物への偏りを解消する課題認識と高付加価値商品の方向性は書かれるが、成長の数値目標や具体的な事業計画は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、リードタイム短縮や受注増の方向性がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    ニット製造のノウハウ・設備、内製化の必要性は書かれるが、補助事業の遂行体制や人材配置の具体は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    COOHEMの商品コンセプトや海外展示会での取引拡大は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入後のアイテム数増加や新商品開発、メンズブランド立ち上げの方向性はあるが、スケジュールや課題解決の方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    布帛とニットの融合商品で、40年以上の開発技術により世界でも類を見ない品質と記載され、高付加価値化の方向が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用創出や波及効果への言及は薄く、業界の秋冬偏重解消が示される程度で国が補助する理由は弱い。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す投入額や付加価値増加の数値は書かれておらず、作業時間短縮の効果のみがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    新しい製造方法の内製化は書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山形県の地域企業として、ものづくり表彰を受けた技術を生かす取組は読めるが、地域経済の牽引効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

海外ではパリの合同展示会に出展し、アジアを中心に取引先が広がっている。今後は世界の有力バイヤーとのつながりを通じて拡大を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。