ものづくり補助金平成26年度製造業山形県

麹の糖化殺菌設備導入による麹の糖化原液(フルーツ入り甘酒、甘こうじ)麹酵素タブレット等の製造実現と市場拡大

有限会社酢屋吉正

この事例のポイント

  • 手作業に頼る部分の多い体制のため、百貨店が求める高品質な製品を大量かつ均一に生産することが困難になっていた。
  • 飯豊地区の幹線道路113号線沿いに、店舗を併設した新工場を整備した。
  • 新工場の機械設備により、従来より糖度が高く品質の揃った糖化原液を量産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社酢屋吉正
所在地山形県 川西町
業種食料品製造業
従業員数8人
資本金300万円
設立1772年

事業の背景

創業以来の醸造技術を活かして、味噌、麹、甘酒、麹納豆などの麹関連商品を製造販売してきた。斜陽産業といわれた業界だが、健康や発酵ブームの中で和食や麹の成分が見直されるようになった。名門老舗百貨店に認められ、東京、名古屋、大阪の百貨店を中心に販売してきた。一方で、塩こうじから始まった発酵ブームに対し、手作業中心の体制では需要に応えきれなくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業に頼る部分の多い体制のため、百貨店が求める高品質な製品を大量かつ均一に生産することが困難になっていた。
  • 生産能力殺菌工程を外注していたため、品質面と生産性の両面で時間がかかっていた。

やったこと

飯豊地区の幹線道路113号線沿いに、店舗を併設した新工場を整備した。新工場には、洗穀機、燕米月壊機(原文の文字化けのため機種は不明)、麹を作る際の湿度を自動管理する自動発酵機、甘酒などを造るパステライザー(糖化機)、充填機に送るポンプを導入した。また、これまで外注していた袋詰め・瓶詰め商品を殺菌する殺菌装置と、甘酒原料を保存し、シャーベット状に凍らせるための業務用冷凍冷蔵庫(甘酒原料冷蔵装置)を導入した。

  • 加工機洗穀機燕米月壊機機種不明自動発酵機パステライザー糖化機
  • その他充填機に送るポンプ
  • 加工機殺菌装置
  • その他業務用冷凍冷蔵庫甘酒原料冷蔵装置

新しい製品・サービス:麹酵素タブレット等

事業の効果

新工場の機械設備により、従来より糖度が高く品質の揃った糖化原液を量産できるようになった。外注していた殺菌工程を内製化したことで、品質面に加えて生産性も大幅に向上し、時間を大きく短縮できた。甘酒や食べるこうじなどの自社商品の売れ行きも好調である。店舗では地元の主婦や県外団体向けのワークショップを実施し、食と健康への理解を広げた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の醸造技術を活かし麹関連商品を展開してきたと書かれており、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    麹成分への関心の高まりや百貨店からの評価に触れ、手作業の限界を課題として挙げるが、競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で高品質品の大量均一生産が困難という課題を明示し、糖化原液の量産化と殺菌工程の内製化で時間短縮を実現したと書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。生産性の向上が時間短縮として触れられるのみ。

  • 事業を進める体制3

    従業員8名で新工場を整備し、ワークショップや商品開発を実施したとあるが、人材や事務処理体制の具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    糖度の高い均一な糖化原液、百貨店向けの高品質、天然の甘みといった価値とターゲットが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    麹酵素タブレットやネット販売、SNS活用など今後の方向は示されるが、スケジュールや課題の解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    麹酵素タブレットなど新市場への参入を掲げ、甘酒の糖度・品質で高水準の価値を目指す点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    麹文化や日本食の継承、地域の食文化の発信、ワークショップ実施などに触れるが、波及効果の数値的根拠は乏しい。

  • 費用対効果2

    投入額や付加価値増加の数値は示されず、生産性の大幅な時間短縮という定性的な記述にとどまる。

  • イノベーションへの貢献2

    ネット販売やSNS活用に言及があるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの具体的な構成は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    発酵食品ブームという市場動向は触れられるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及4

    置賜地区の塩こうじ文化や地元農産物を活かした商品、地元町内会との連携など、地域特性を活かした事業が具体的に書かれている。

今後の展望

麹酵素タブレットなどの新商品開発により新市場に参入し、売上の拡大を図る。百貨店向けのギフト商品に加え、インターネット販売を充実させ、今後は若年層向けにSNSの活用にも力を入れていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。